イトーキ 【東証プライム:7972】「その他製品」 へ投稿
企業概要
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社は、1890年(明治23年)に伊藤喜商店として大阪で創業後、大正、昭和、平成、令和と続く時代の変遷の中で、着実な足どりで日本経済の歴史とともに歩み、日本のオフィスの発展に大きな役割を果たしてきました。その間、1950年には製造部門が分離独立するなど時代に合った経営を行い発展してまいりましたが、2005年6月に新たな企業価値の創造に向けて、製販統合を行い、半世紀余ぶりにひとつの企業としての歴史を刻み始めました。
当社グループは、CS(顧客満足度)とES(従業員満足度)の両立を目指した事業活動に注力し、さらに企業としての社会的責任を最大限果たすことが存在意義であると認識しております。ミッションステートメント「明日の『働く』を、デザインする。」のもと、オフィスをはじめとする様々な環境における課題解決に貢献し、新たな価値を生み出すことを目指してまいります。
(2) 目標とする経営指標
当社グループは、事業の成長及び収益力の向上、並びに資産の効率的な運用の観点から、
① 売上高営業利益率
② 自己資本当期純利益率(ROE)
を、重要な経営指標としております。
当社グループのビジョンステートメントである「人も活き活き、地球も生き生き」の実現に向けて、魅力ある商品とサービスを提供し続け、また継続的なコスト削減と生産性向上により、安定的かつ永続的な事業成長を目指しております。
(3) 中長期的な会社の経営戦略
当社は2021年に発表した中期経営計画「RISE ITOKI 2023」(ライズ イトーキ 2023)において、連結売上高 1,330 億円、営業利益60億円とする目標を掲げ、着実な事業成長を実現しました。この間、当社をとりまく事業環境では、ハイブリッドワーク(※1)に対する企業や働く人々の関心がコロナ禍を経て高まり、また人的資本投資が注目されることで、オフィスの在り方が経営課題の一つと言われるようになってきております。
このような環境変化を好機と捉え、さらなる事業成長を実現するため、2024年から2026年までの3ヶ年の中期経営計画「RISE TO GROWTH 2026」(ライズ トゥ グロース 2026)を策定いたしました。当中期経営計画においては、「持続的な成長力を高める」ことをテーマとし、重点戦略「7Flags」及びESG戦略を掲げています。これら戦略の下に展開される施策の実現を通じて、2026年に売上高1,500億円、営業利益140億円、ROE15%の達成を目指します。また、事業成長により得た利益は中長期視点での戦略投資として活用するとともに、ステークホルダーの皆様へ計画的に還元してまいります。
当中期経営計画「RISE TO GROWTH 2026」の重点戦略「7Flags」及びESG戦略は以下の通りです。
■重点戦略「7Flags」
1. Office 1.0 / 2.0 領域(※2)
新しい働き方やその働き方を実装するオフィス空間などに対し、付加価値提案を強化し、売上と利益のベースを確保する。
2. Office 3.0 領域(※3)
オフィス家具のIoT化と空間センシングにより、データドリブンで、最適な働き方・オフィス空間を提供するサービスを開発する。
3. 専門施設領域
物流施設領域・研究施設領域において開発・エンジニアリングにリソースを重点配分し、第2の柱に育成する。
4. 高収益化
グループ生産供給体制の再編と社内ITインフラの刷新により生産・業務効率を高める。
5. グループシナジー
イトーキ単体で実施した構造改革プロジェクトによる成功体験をグループ会社に水平展開し、グループシナジーを追求する。
6. 人的資本
人事制度改革を軸に、社員一人ひとりの主体的かつ能動的な「創意と工夫」を啓発する。
7. 財務戦略
中長期の観点から、成長戦略投資・社員還元・株主還元を計画的に実践する。
■ESG戦略
・Environment
「ITOKI Ecosystem Initiative toward 2050 ~自然共生」(※4)のもと、生態系へのネガティブインパクト・ゼロ社会の実現に貢献する。
・Social
自社を「働く」環境投資の実証実験の場として発信し、本業のWork Style Designを推進することで、人的資本の最大化に貢献する。
・Governance
単体から連結視点に立った経営基盤の再構築を行い、グループ全体のガバナンス向上を図る。
※1:出社型オフィスワークとテレワークを組み合わせた働き方
※2:Office 1.0:プロダクトベースの商品販売事業 / Office 2.0:空間ベースの商品ソリューション
提供事業
※3:Office 3.0:働き方べースのオフィスDX事業
※4:「気候変動対応」「資源循環促進」「サステナブル素材活用」を重点領域として環境貢献活動を
推進する社内イニシアチブ
■数値目標(連結)
| 2026年度目標 |
売上高 | 1,500億円 |
営業利益 | 140億円 |
営業利益率 | 9% |
ROE | 15% |
(4) 会社の対処すべき課題
昨今の当社グループの外部事業環境におきましては、新型コロナウイルス感染症による行動制限が緩和され、経済正常化の動きが続いているものの、ウクライナ情勢の長期化や中東情勢の悪化など地政学的リスク、また資材・部品価格の高騰が継続するなど、先行き不透明な状況が依然続くものと見込まれます。このような状況のなか、当社グループとしましては、新たに策定した中期経営計画「RISE TO GROWTH 2026」の重点戦略「7Flags」及びESG戦略を着実に推し進め、高い価値を創出・提供し続ける企業へと進化することを目指してまいります。
当社グループは、全社戦略推進の一環として構造改革プロジェクトを2020年に発足させました。このプロジェクトのもとで収益体質改善の活動を力強く促進し、当該事業年度までに一定の成果を得ることができました。2024年からは新中期経営計画の達成を目指し、新たな枠組みのもとで本活動を継続、発展させてまいります。プロジェクト活動を通じて、業務のプロセス改革や経営資源の最適化により事業の生産性を高め、さらには新規事業開発を加速させ、革新的かつ高収益体質な企業へと変革させてまいります。
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