企業兼大株主イオン東証プライム:8267】「小売業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

(1) 会社の経営の基本方針

 当社は、「お客さまを原点に平和を追求し、人間を尊重し、地域社会に貢献する。」という基本理念を2006年より定款に定めています。グループとしての姿勢を国内外約60万人に上るすべての従業員が正しく理解して将来に伝承していくために、またステークホルダーの皆さまにも積極的に発信し、ご理解いただきたいという想いから、基本理念について背景や意味合いを綴った内容に改め、2023年5月の株主総会を経て定款にも記し直しました。「すべてはお客さまのために」という視点から、市場やお客さまの変化を見据え、長期的な視点で持続可能な成長と地域社会に貢献するグループを目指し、企業価値向上に取り組んでいます。

 また、「21世紀の企業に生まれ、変わる」ことを宣言して社名を“イオン”とした2001年当時にビジョンとして掲げた「夢のある未来」の意味を改めて問い直し、2022年10月、“一人ひとりの笑顔が咲く未来のくらしを創造する”というステートメントとともに「イオングループ未来ビジョン」を策定しました。

 この「イオングループ未来ビジョン」に則り、お客さまをはじめ、株主や取引先の皆さま、地域社会、従業員と良好な関係を築き、お客さまにご満足いただける商品やサービスを提供し続けることで、長期的な繁栄と成長を遂げてまいります。

(2) 経営環境及び対処すべき課題等

「中期経営計画(2021~2025年度)」の始動から約3年が経過しました。計画発表当初の予想を超えた物価の高騰や地政学リスクの高まり等、世界規模で未曾有の環境変化が生じ、常態化しつつあるなか、当社は激動の環境下でこそ地域社会に貢献し続けることが存在価値であると考え、社会の変化を先取りした新たな商品・サービスをグループで創出してきました。その指針となるのが、「デジタルシフトの加速と進化」「サプライチェーン発想での独自価値の創造」「新たな時代に対応したヘルス&ウエルネスの進化」「イオン生活圏の創造」「アジアシフトの更なる加速」の5つの変革と「グリーン戦略」です。

① デジタルシフトの加速と進化

 デジタル事業の拡大と店舗デジタル化による生産性向上の両面でデジタルシフトに取り組み、着実に成果が出始めています。デジタル事業の拡大では、店舗出荷型のネットスーパーに加え、イオンネクスト㈱が手掛ける「Green Beans(グリーンビーンズ)」が首都圏で稼働を始めました。リアルとデジタルが融合したOMO(Online Merges with Offline)の実現に向けて、お買物の選択肢を拡大しています。店舗デジタル化では、レジゴー等セルフレジの導入や、需要を予測して商品発注を最適化するAIを活用した業務効率化等、生産性向上のみならず、デジタルツールの活用によって、お買物の楽しさの提供を進めてまいります。

② サプライチェーン発想での独自価値の創造

 トップバリュでは、お客さまの行動変容や新たなニーズに対応すべく、マーケットイン発想で商品開発を進め、昨年度は約2,500品目の新商品発売、リニューアルを実施しました。

 また、物価上昇の中、お客さまのくらしを応援したいとの想いから、トップバリュベストプライスを中心に一部値下げとともに増量企画も行いました。今後もお客さまに支持されるトップバリュ商品をより多く提供し、売上・利益率の向上をはかってまいります。

③ 新たな時代に対応したヘルス&ウエルネスの進化

 当社の持続的成長に向け、「ヘルス&ウエルネス」はグループを挙げて注力すべき領域です。ドラッグストアの再編・統合を含めた事業規模拡大を進め、手の届く価格で、ヘルス&ウエルネスに関わる商品やサービス・場・情報を、都市部と地方を問わず享受できる社会の実現を目指します。そのため、新業態の開発や移動販売等、健康を中心に地域課題の解決や、各事業においてもウエルネスを軸に業容拡大を進めています。

④ イオン生活圏の創造

 イオングループの提供する商品・サービス・場に加えて情報・決済等の基盤が、お客さまの便利で豊かなくらしと地域経済を支える状態を「イオン生活圏」とし、イオンが目指す姿としています。

 その実現のため、イオングループは小売業から生活業へと事業領域を再定義し、事業各社においても、地域経済の活性化や地方都市の抱える社会課題の解決、地球環境の改善等の視点で各事業を推進しています。

⑤ アジアシフトの更なる加速

 海外事業は、特に成長著しいベトナムを重点エリアとし、店舗開発力の強化、プライベートブランド商品開発の拠点化、リアル店舗とデジタル事業拡充に向けた投資へのシフト等、将来の成長を享受すべく事業基盤の拡充をはかっています。引き続きグループ一丸となり、今後も経済成長が見込まれるアジアでの事業拡大を推進してまいります。

⑥ グリーン戦略

 環境負荷の低減は喫緊の事業課題としてだけでなく、重要な事業機会として、グループ・各社戦略の柱に位置づけています。従来の社会貢献活動に加え、事業活動そのものに組み込み、最優先施策のひとつとして取り組んでいます。グループ共通施策としては、当社が30年以上にわたり続けている植樹活動をはじめ、店舗・施設で使用する電力の再生可能エネルギーへの転換、消費されたモノを再び資源として活用するサーキュラーエコノミービジネス、環境配慮型商品の開発等を強化しています。

(3) 人材の活躍・ダイバーシティの推進

 グループのさらなる成長と拡大、イオンピープルの誰もが活躍し、革新し続けることを目指し、すべての従業員が働きやすく、活躍できる企業環境づくりを実現するために、ダイバーシティが生み出す従業員とその家族、お客さま、会社の3者の満足の実現を目指す活動を“ダイ満足”と名づけ、グループ全体で様々な活動に取り組んでいます。革新し続ける企業集団であるためには、多様な人材がそれぞれの個性を活かして活躍できる、時代の変化に適した環境整備が重要となります。さらなる女性活躍推進を目指し、その活躍を阻む偏見や思い込みを払拭するために、経営層、管理職層、一般従業員の3層に研修を実施し、合計3,822名が参加しました。研修に参加して終わるのではなく、そこでの気づきを研修後も意識し、その気づきを行動に変えるきっかけとし、継続性をもたせました。グループ各社のベストプラクティスを共有する、“ダイ満足”アワードは10回目を迎え、海外各社の事例共有を新たに加え、28社より30の取り組み施策が報告されました。女性社員による地域密着、お客さま視点の売場作り、商品開発、時間給社員店長活躍、意思決定の場への女性の登用の仕組み作り、風土改革、Well-being、LGBTQ+フレンドリーな買物環境作り等、優れた取り組みが生まれ、多様性が生み出す価値創造の実現に大きく貢献しています。なかでも障がい者雇用の拡大、活躍推進にはグループ各社の取り組みが進み、障がい者雇用率は、2.85%となりました。

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