企業アーバネットコーポレーション東証スタンダード:3242】「不動産業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営方針

 当社グループは、「人々の安全で快適な『くらし』の提案を行い、豊かで健全な社会の実現を目指す」ことを企業理念としております。

 この企業理念の下、都市型賃貸マンションの開発・1棟販売を中心とした事業活動を行い、事業を通して社会の発展とサステナビリティを巡る課題解決に寄与するとともに、持続的な成長と企業価値の向上を図ることにより、ステークホルダーに貢献することを経営の基本方針としております。

(2)経営戦略

 当社グループは、東京23区をメインの開発エリアとした都市型賃貸マンションの開発・1棟販売及び東京・川崎・横浜の戸建・テラスハウス分譲及びアパート開発を基軸事業として、経営基盤を拡充し、安定的な収益の向上に努めてまいります。当社グループは物件ごとに地域性を重視した外観やエントランス、機能性を重視した居住空間をデザインし、購入する方と居住する方双方の満足を追求してまいります。

 さらに、M&Aを活用した事業領域の拡大や、シルバー層向け住居やホテル開発にも市場動向を見極めながら取り組むとともに、他社との共同事業や東京都心以外での開発も視野に入れ、持続的な成長を図ってまいります。

 なお、ホテル事業につきましては、インバウンドの急拡大と国内旅行需要の回復により、客室稼働率と客室単価の向上を図り、事業収益の最大化に努めてまいります。

(3)経営環境

 当社グループの基軸事業である都市型賃貸マンションの市場は、賃貸については、分譲マンションの高騰、未婚化の進行や高齢化による単身世帯の増加、各世代における単身者の都心再流入等により堅調に推移しており、都心の好立地で居住空間の充実した物件に関しては、今後さらに人気が高まるものと考えております。

 また、実需については、企業による人員確保のための社宅需要や、若年層による将来の資産形成、富裕層の相続税対策に対応できる堅実な運用商品として、購入者層の拡大を見込んでおります。さらに、東京23区においては国内のファンドやリートに加え、円安を背景とした海外投資家の購入意欲は依然として高いものと思われます。

 このような要因により、急激な金利上昇が見込まれない状況においては、販売面での底堅さは維持されるものの、仕入面においては、都心好立地の用地購入で競合が続き、価格も高止まりしていること、さらに、昨今の建設資材の価格や人件費の高騰により、工事原価が上昇していることから、利益率の低下という問題に直面しております。

(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループは、安定的な収益を確保し、持続的な成長を図り、株主への利益還元を安定的に行うことを基本方針に、売上総利益率を重視しております。

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当社グループは、安定的な収益を確保し、持続的な成長を図るため、経営環境の変化に対応しつつ、以下の課題に取り組んでまいります。

① コンプライアンスとコーポレートガバナンス・コード遵守の経営

 当社グループは、コンプライアンスとコーポレート・ガバナンスが、これからの企業経営において非常に重要であることを強く認識し、コンプライアンスを遵守した経営を推進いたします。また、不正を防止する内部統制システムの整備・充実を図るとともに、サステナビリティを巡る課題解決とコーポレート・ガバナンスの強化に努め、コーポレートガバナンス・コードの基本原則に基づく、健全で効率的な経営を行うよう一層の努力をしてまいります。

② 利益率の維持・向上のための競争力のある事業用地の取得

 日本全体としては人口減少問題を抱えるなかで、大手不動産業者及び資金力のある開発業者等により、利便性の高い好立地の用地獲得競争は続くものと認識しております。

 こうした状況の下で安定的な収益を確保するためには、更なる土地の選別と開発物件の差別化が最重要課題であると認識しております。

 当社グループは、優秀な仕入要員の採用を進めるほか、新卒を含めた若手・中堅社員の育成に努めます。また、権利関係が複雑な都心の用地情報を収集・分析し、有効活用提案等を通じて権利関係を調整していく事業を拡充してまいります。

③ 販売先及び不動産開発販売事業の多様化

 当社グループの基軸事業である都市型賃貸マンションの開発・1棟販売(卸売)は、土地価格の高止まりや建設資材及び人件費高騰等による建築コストの上昇に直面しております。

 これに対応するため、従来からの卸先であるマンション販売会社だけではなく、国内外の投資家や相続税対策を含む様々な目的で不動産を購入する日本の富裕層、人員確保のための社宅や寮を必要とするようになった事業法人、シルバー層向け住居の運営業者等、多方面への販売チャネル確保に注力してまいります。

 また、当社グループは、設立以来、販売先がレジデンス関連業者に限られていたこともあり、販売先の多様化を図る目的でホテル事業に参入し、2020年10月より自社保有ホテルを運営しております。

 当社グループは、今後も他社との共同事業を含む不動産開発販売事業の多様化を図ってまいります。

④ 事業領域の拡大

 当社グループは、企業価値の向上と持続的成長を重要視しており、そのためには事業領域の拡大に取り組む必要があると認識しております。これに対応するため、2024年2月に株式会社ケーナインを子会社化し、東京南西部や川崎市・横浜市内における戸建・テラスハウス分譲事業や、アパートの開発事業をグループの基軸事業として取り込んでおります。これに伴い、シナジー効果も含めた新たな事業展開や優秀な人員確保による売上高・利益の持続的拡大が可能と認識しております。

⑤ 財務体質の一層の強化と持続的な成長に向けた取り組み

 当社グループは、現在の世界情勢及び日本経済の動向を注視し、将来の大規模な経済変動に耐え得る企業であるためには、一層の企業価値の向上と、財務体質の強化が必要であると認識しております。

 当社グループは、リーマンショックにおいて多くの不動産関連企業が破綻する中を耐え抜いた経験により、キャッシュポジションと担保物件の重要性を認識したことから、これまで公募増資や、新株予約権の発行等により財務体質を強化してまいりました。

 当社グループは今後も、既存事業の拡大を図るとともに、M&Aを含めた新規事業への取り組みを進め、企業価値向上と持続的成長の実現を進めてまいります。

⑥ 人的資本経営の充実と体制強化

 当社グループは、これからの企業経営において人的資本経営が極めて重要と認識しており、価値創造の源泉として社員への投資を積極的に行っております。前連結会計年度までに、新人事制度の制定に伴う給与の大幅アップや、従業員向け株式給付信託の創設、住宅補助制度や新オフィスへの移転による職場環境の充実、育児休暇を含む休暇制度を含む休暇制度の改定、資格取得補助制度の改正等に取り組んでまいりました。当社グループは引き続き、経営の根幹として社員を大事にしていくことで、持続的成長と企業価値の増大を目指してまいります。

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