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企業概要

 当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

(1)経営方針

 「これまでのやり方や常識に全くとらわれず」「良いもの面白いもの望まれるものを徹底的に追求していく」というミッションの下、インターネットを軸に新しいエンターテインメントを生み出し、提供する、最強のエンターテインメント企業を目指しております。

(2)中長期的な会社の経営戦略

 当社オリジナルのビジネスモデルを活かして、より一層、出版事業の拡大を図ると共に、出版事業を通して蓄積した自社IP(小説・漫画・キャラクターなど)を活用して、映像事業、キャラクター事業、ゲーム事業などの分野にも積極的に展開することを目指しております。

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社は、より高い成長性を確保する観点から「売上高」の伸び率において、市場全体の伸び率を上回ることを重視しております。加えて、企業価値の拡大を図るという観点にも立ち、「営業利益」及び「当期純利益」も重要な経営指標としております。

(4)経営環境

 当社が属する出版業界におきましては、紙の出版物の市場は厳しい状況が続いているものの、一方で電子出版の市場は堅調な成長を続けております。公益社団法人全国出版協会・出版科学研究所によると、2023年(1月から12月まで)の紙と電子を合算した推定販売金額は前年比2.1%減の1兆5,963億円となり、その内訳は、紙の出版物については同6.0%減の1兆612億円、電子出版については同6.7%増の5,351億円となっております。

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当社は、更なる成長に向け、激しく変容する出版市場を好機と捉え、素早く対応することで出版事業の増強をはかるとともに、将来的には出版事業にとどまらずエンターテインメント企業として出版事業で蓄積したIPを活かした他事業展開を目指しております。その目的に際して、当社が優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は次のとおりです。

① 優秀な人材の確保・育成

 当社の編集担当者は書籍ごとに配置され、その担当者の受け持つ領域は、企画、編集、販促ツール制作、広告出稿等、書籍の制作から売上に結びつくまでに必要な全ての業務となります。そのため、担当者ごとの成果がわかりやすく、モチベーションが維持しやすい仕組みとなっておりますが、同時に幅広い知識とスキルが求められます。

 その一方で、昨今の読者ニーズは非常に移り変わりが激しく、出版するタイミングが極めて重要となってきております。更に、今後は取扱ジャンルの拡大を目指しているため、編集担当者を増強し、ヒットが見込まれる作品はタイミングを逃すことなく確実に刊行していくことが必要となります。

 加えて、取扱ジャンルを拡大するためには、スマートフォンアプリを含めた当社Webサイトのサービスを充実させ、調達可能なコンテンツの種類が拡大していることが前提となりますので、Webサイトサービスの速やかな対応を行うためにも、エンジニアをはじめとするWeb開発人員の増強も必要となってきます。

 当社といたしましては、即戦力となる中途人材の確保を促進することに加え、積極的な新卒採用活動を行うことにより、将来の飛躍的な成長を担う人材を確保することに努めております。また同時に、社内教育の充実及び当社並びに当社サービスの知名度を向上させるための施策を継続的に実施することにより、志望者を引き付ける企業作りも行っております。

② 作家・ユーザー数の拡大

 当社のビジネスモデルは、インターネット上にて良質なコンテンツが数多く収集でき、かつ、多くのユーザーにより多角的に評価されることで出版時の成功率が事前に高められることを前提に成り立っておりますので、継続的な新規コンテンツ及びユーザーの確保が必要不可欠となっております。

 そのためには、作家・ユーザーの方の満足度向上が重要であると認識しておりますので、当社といたしましては、投稿作品の閲覧数等に応じてギフト券や現金を得られる「投稿インセンティブ」の実施や出版物に対するプロモーション等を積極的に実施することに加えて、作家・ユーザーの方からの当社Webサイトに対するリクエストにも適宜対応することで、その実現を目指しております。

③ 取扱書籍のジャンル拡大

 当社の売上高の約24%はライトノベルが占めており、また売上高の約74%を占める漫画につきましても原作がライトノベルであるコミカライズ作品が多く、ライトノベルへの依存度は高いものとなっております。そのため、更なる業績拡大及びポートフォリオ最適化の観点から、特定のジャンルに依存しないよう、取扱書籍のジャンル拡大を課題の一つに位置付けております。

 当社といたしましては「キャラ文芸大賞」、「歴史・時代小説大賞」、「絵本・児童書大賞」等幅広いジャンルでのWebコンテンツ大賞を開催、強化することを通じて、新たなジャンルの開拓にも積極的に取り組んでおります。

④ 電子書籍市場への対応

 当社の属する出版業界におきましては、電子書籍市場は堅調に拡大しており、当社におきましても電子書籍販売を本格的に開始した2015年度以降、電子書籍売上は順調に増加し続けております。

 その一方で、電子書籍の市場環境は紙書籍に比して変化が激しいことから、従来の紙書籍コンテンツとは異なる、環境変化に応じた柔軟な対応を取ることが電子書籍売上の維持・拡大には必要となります。

 当社といたしましては、組織体制の整備及び社員への意識改革を適宜実施し、そのような市場環境の変化に迅速に対応できる体制構築を行っております。

⑤ 新たな販路の確保・拡大

 現在、当社を取り巻く出版業界は厳しさを増し、とりわけ書店数の減少が顕著であります。このような環境の中、当社の書籍コンテンツの販売チャネルを確保・拡大すること、並びにそうしたチャネルの収益力の高さを追い求めることが必要となっております。

 当社といたしましては、好調な電子書籍市場における販売を拡大するため、販売チャネルとなる電子取次及び各電子ストアとの連携を強化するとともに、活況な海外漫画市場の開拓として海外電子ストアとの新規契約を推進する等、販路の拡大に努めております。

 さらに、当社では2017年2月より課金サービス「レンタル」を開始し、2021年7月には海外向けの漫画アプリ「Alpha Manga」を配信してサービスをグローバル展開する等、当社が一般消費者に書籍コンテンツを直接販売する仕組みを構築、強化し、投稿サイトという源泉から販売サイトという出口までの垂直の幹を太くしていくことにも取り組んでおります。

⑥ 自社IPを活かした事業拡大

 当社といたしましては、更なる事業拡大を図るため、出版事業のみに留まらず、出版事業により蓄積された自社IPを活用した事業の多角展開を目指しております。具体的には、映像等の出版事業以外のメディア展開、グッズ販売、ゲーム事業、スマートフォン向けの新たなアプリサービス等への展開を目指しております。

⑦ 生成系AIへの対応

 近年AI技術の著しい進化に伴い、生成系AIの利用が急速な広がりをみせておりますが、当社におきましてもクリエイティブ面において大きな影響を与えるものであり、その効果的な活用について迅速な対応が求められます。また一方で、生成系AIによる著作権についてはそのルールが国内のみならず海外においても定まっておらず、著作権問題から生じるリスクに備える必要があります。

 当社といたしましては、これらの課題に対処するため、生成系AIの動向や法規制に関する情報を常に収集し、生成系AIを巡る社会のルール形成に速やかに対応することに取り組んでおります。

⑧ 内部管理体制の強化

 当社は、市場動向、競合企業、顧客ニーズ等の変化に対して速やかに対応し、持続的に成長を維持していくためには、内部管理体制の強化を通じた業務の標準化と効率化が重要であると考えております。そのため、当社といたしましては、内部統制の実効性を高めるための環境を整備し、コーポレート・ガバナンスを充実していくことにより、内部管理体制の強化に努めてまいります。これにより、組織的な統制・管理活動を通じてリスク管理の徹底とともに、業務の標準化と効率化を目指しております。

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