アルファシステムズ 【東証プライム:4719】「情報・通信業」 へ投稿
企業概要
当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)経営方針
当社は、「和、信頼、技術」を社是とし、豊かな人間性と高い技術の融和を目指すとともに、企業理念として「常に発展する技術者集団」、「発展の成果を社会に常に還元する企業」を掲げ、「ソフトウェア開発及びプロダクト・サービスの提供」を通じて社会的課題の解決に取り組み、企業価値の継続的向上を図ることで社会、すべてのステークホルダーに貢献することを経営の基本としております。
以上の理念のもと、事業執行にあたっての基本方針は、以下のとおりであります。
・上質なサービスの提供
・お客様第一主義
・ソフトウェア生産技術でトップ
また、目指す企業像は以下のとおりであります。
“社員がイキイキと働き、業界・お客様に一目置かれ、業績をきちんと上げ続ける企業”
(2)事業ポートフォリオに関する基本的な方針
当社は、ソフトウェア開発関連事業及びその他の事業を行っております。
ソフトウェア開発関連事業では、高い技術力と組織力に基づくソフトウェアの受託開発をお客様に提供しております。当事業の持続的な成長のため、3つの事業本部が連携し、経営戦略を踏まえた社員の教育や訓練、適切な配置により人的資本の価値向上を図っております。
その他の事業では、新たな収益源となるビジネスを創出することを目的に、研究開発を起点とした独自の製品やサービスを開発し、販売しております。当事業は、戦略事業として一定の経営資源を確保し、長期的な観点で進めております。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、「持続的な成長の実現」という観点から、売上高と営業利益を重視した経営に取り組んでおります。
中期的な目標値として、売上高400億円の達成、売上高営業利益率10%以上の確保を設定しております。
(4)経営環境及び経営戦略
AI技術の急速な進化により、社会に革新的な変化をもたらすDX(デジタルトランスフォーメーション)の加速が期待される現在、世界中のあらゆる企業がその産業構造やビジネスの変革を迫られております。
現在普及が進む5G(第5世代移動通信システム)や構想段階にある次世代の移動通信システムもまた、これまで実現の難しかった新しいサービスを生み出し、人々の暮らしに劇的な変化をもたらすことが期待されております。様々な産業で「モノ」から「コト」(「製品」から「サービス/体験」)へのシフトが企業の競争力を決定づける重要なテーマとなっており、ソフトウェア企業にはこの変化を見据えた戦略が求められます。
このような事業環境のもと、当社が安定した事業基盤を構築し、持続的な成長を実現するための基本戦略は次のとおりであります。
①システム開発事業の基盤拡大
ソフトウェア開発関連事業では「通信」、「流通・サービス」、「公共」の3分野を当社の安定成長を支える主要分野と位置付けております。通信分野は、創業からの主力分野であり、蓄積されたノウハウをベースに次世代システムへの着実な貢献を果たしてまいります。流通・サービス分野は、近年、当社成長の柱となっており、規模の拡大と併せて事業基盤の強化に努めてまいります。公共分野は、中長期的にシステム需要の拡大を見込んでおり、また、当社の強みである大規模システム開発のノウハウを活かせる分野であることから、着実な成長を目指してまいります。
②新たな収益源となるビジネスの創出
持続的な成長を実現するための収益基盤の確立に向け、自社開発のプロダクトやサービスを主軸としたビジネスの創出・拡大に取り組んでおります。また、自社開発のプロダクトを活用した企画提案を既存のお客様への深耕策にも活用することにより、新たな受注機会の創出とパートナーシップの強化を図ってまいります。
なお、現在は文教分野向けのソリューションに注力しております。教育現場ではコロナ禍をきっかけに、個人所有の情報機器を授業で利用する、いわゆる“BYOD”が拡大し、PCを活用した授業の在り方が見直されました。また、DXの世界的な進行を受けて、xR技術(※)等を活用した新しい教育・研究や、学校経営にかかわる様々なデータを活用して教育の質の向上を図る取組みが広がりつつあります。
当社は、情報化ニーズの高い文教市場において、システム管理業務の効率化を目的とした既存製品の機能拡充はもとより、教育機関のDXに資する新たなソリューションの開発を進めてまいります。
(※)VR「仮想世界を現実のように体験できる技術(仮想現実)」、AR「現実世界に仮想世界を重ね合わせて体験できる技術(拡張現実)」、MR「現実世界と仮想世界を融合させる技術(複合現実)」の総称。
③サステナビリティマネジメントの強化
人と環境と経済の調和した社会を目指すサステナビリティの課題解決に向けて、サプライチェーンを含む推進体制の整備を進めてまいります。全社的な推進体制の強化を図ることで、サステナビリティにかかわる個々の活動の質を高めるだけでなく、一貫性のある取り組みとしてまいります。
そのために、標準規格やガイドライン等に基づいて取り組みの体系化を進め、サステナビリティマネジメントシステム全体の向上に努めます。また、投資家をはじめとするステークホルダーの皆様が当社を適切に評価できるよう、サステナビリティの重要課題に関する指標の開示を進めてまいります。
あわせて、「2サステナビリティに関する考え方及び取組」をご参照ください。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
①事業と技術
(事業基盤の強化)
当社が確固たる成長を続けるためには、得意分野や戦略分野を明確にし、その分野に特化した開発技術や業務知識を深化させることが重要です。近年では、上流工程やIT基盤技術を含む幅広い業務範囲での貢献が求められております。
当社は、お客様の期待に応える開発体制の維持・強化のために、適切な人材育成の体制を構築するとともに、組織内での知識の蓄積や共有、及び社員同士のコミュニケーションやコラボレーションを促進する環境の拡充を図り、開発技術の競争力強化と付加価値向上を目指してまいります。
(プロダクト・サービスビジネスの拡大)
当社は、新たな収益源となるビジネスを創出するため、自社開発のプロダクトやサービスを主軸としたビジネスの創出・拡大を進めております。このため、研究開発活動を積極的に進め、外部機関との共同研究やビジネス開発、販路拡大に必要な提携を推進いたします。併せて、主力のソフトウェア開発関連事業とのシナジーにより、全事業の収益力向上に努めてまいります。
(AIの活用)
AI技術の急速な進化は、従業員の生産性とソフトウェア開発のあり方に大きな影響を与える可能性があります。その一方で、AIの浸透によって生じる社会的摩擦や課題に配慮した活用アプローチが求められます。
当社では、社内で安全に使えるAI利用環境とAIリテラシー教育を整備し、全社的にAIの活用を推進しております。更に、全社的な取り組みとしてAI推進室を設置し、ソフトウェア開発への適用、業務プロセスの改善及び付加価値の高い新ソリューションの創出を推進してまいります。
②人材と成長
(人的資本マネジメントの強化)
プロパー主義の開発体制を基本方針におく当社にとって、先人のノウハウや企業文化を適切に継承し、継続的に発展させていくことは重要な経営課題です。また、優秀な人材の職場定着や新たな人材確保のためには、意欲と能力に応じて働ける職場環境を整備する必要があります。
技術教育では、人材開発部と開発推進部がサポートする体制を構築し、先端技術の習得に努めております。更に、人材管理基盤であるタレントマネジメントシステムを導入し、スキル管理とエンゲージメントの向上に取り組んでおります。また、従業員の健康管理や育児と仕事の両立を推進し、ワークライフバランスの実現に努めております。
こうした取り組みを通じて、一人ひとりの持つ能力を発揮させ、組織の活性化を図ってまいります。
③ガバナンス
(サイバーセキュリティ対策の徹底)
企業へのサイバー攻撃が日々高度化・巧妙化する今日、企業は情報セキュリティの強化に絶えず取り組み、IT環境とデータを保護する必要があります。
当社は、情報セキュリティマネジメントシステムの整備・運用により業務情報の厳格な管理に努めるほか、サイバー攻撃に対応するための専門チームを設置しております。専門チームは、外部の専門企業と連携してサイバー攻撃の分析や対応策の検討を行うほか、サイバー攻撃に関する教育や訓練を行い、セキュリティインシデントに備えております。
④社会・環境
(サプライチェーンサステナビリティの推進)
近年、社会課題や環境問題の深刻化に伴い、サプライチェーン全体で持続可能な社会の実現に取り組むことが不可欠となっております。当社はサプライチェーンに対する姿勢や責任を『サプライチェーンサステナビリティ推進ガイドライン』としてまとめ、お取引先の皆様との協働により、持続可能な社会の実現に取り組んでおります。
(開示内容の充実)
サステナビリティの取り組みは、環境、社会、ガバナンスを中心に多岐に渡り、重要課題と評価指標の管理及び開示が重要となります。
当社は、それぞれの重要課題において、具体的な評価指標を定めて取り組んでまいります。また、取り組みの背景にある社会的意義を踏まえて、重要課題と評価指標の開示を充実させていくことにより、ソフトウェア開発を通じて社会に貢献する当社の実績をアピールしてまいります。
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