アルコニックス 【東証プライム:3036】「卸売業」 へ投稿
企業概要
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次の通りであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、「非鉄金属の取引を通じて、新たな価値を創造し、社会の発展に貢献します」という企業理念のもと、グローバルにビジネスを展開しています。私たちを取り巻く環境は、気候変動や資源の枯渇、紛争、人権侵害といった社会課題が深刻化・多様化しています。これらの課題解決に向けて、「地球・社会・人」への貢献と経済的価値の創出を両立するビジネスモデルを構築することが、企業価値向上につながると考えます。また、当社グループの企業活動はステークホルダーの皆さまによって支えられています。そのため、全てのステークホルダーの皆さまとの共存共栄を実現すべく、これまで培ってきた非鉄金属の知見やノウハウを活かし、当社グループだからこそ生み出せる価値のあるモノ・サービスを提供していくことが必要不可欠です。このような認識の下、当社グループは社会的価値と経済的価値を同時に追求し、地球環境や社会と当社グループ両方の持続的な発展を目指します。
(当社グループのサステナビリティに関する体系図と基本方針)
(1)ガバナンス体制
当社グループのサステナビリティにおけるガバナンス体制は以下の通りであります。
・サステナビリティ委員会
代表取締役会長執行役員CEOが委員長、経営会議のメンバーである社内取締役5名が委員、常勤監査役がオブザーバーとして発足しました。2023年4月1日より、取締役常務執行役員CSOが委員長を務めております。
(当委員会の主な取り組み項目)
1.サステナビリティ全社方針やESG各トピックスに関する指針の制定
2.サステナビリティに関するリスクと機会の特定と検証
3.気候変動対策・環境保全のための指針や施策の考案
4.労働環境是正・社内のダイバーシティ向上のための指針や施策の考案
5.人権・環境についてのサプライチェーン・マネジメントの実施と結果分析
6.1.~5.を踏まえた、当社グループ経営へのサステナビリティの反映に向けた助言の作成と提案
7.サステナビリティ基本方針やESG関連企画の社内での周知、研修や実務支援の実施
8.実施したESG関連企画の進捗状況・目標達成状況の監視、問題点の測定と改善策作成
9.当社のESG関連対外開示の支援、TCFDシナリオ分析等の実施とESG評価スコアの改善
10.当社事業やサステナビリティ取組みについての、取引先・調査会社からの問い合わせ処理機能の整備、問い合わせ内容の分析と今後の対応の検討
・サステナビリティ推進室
中長期的な企業価値向上を実現するための施策を、部門横断的に検証する機関として、営業部門とコーポレート部門の若手社員を中心としたメンバーで構成され、当社グループのサステナビリティを推進しています。
(2)戦略
①「人財」戦略
当社グループは、当社グループのサステナビリティにおける優先取組み項目を示すマテリアリティ(重要課題)を特定し、特定されたマテリアリティに真摯に取組み、サステナビリティ基本方針で掲げる社会的課題の解決と持続的な企業価値向上を目指すことを「サステナビリティにおける戦略」としております。
マテリアリティの特定に当たっては、まずサステナビリティ推進室で国際ガイドラインやESG評価機関の評価基準、投資家とのミーティング結果を踏まえ、当社グループが持続可能な成長を遂げるための課題点を議論しました。そして、サステナビリティ推進室での協議報告をもとに、サステナビリティ委員会及び取締役会で社外役員や社外有識者からの意見も踏まえ項目を整理し、当社グループにおけるマテリアリティを4つ特定しました。特に、商社流通業を祖業とする当社の価値創造の源泉は従業員一人ひとりが発揮するスキルにあるという考えのもと、「H」(Human Capital=「人財」)を最重要項目として選定し、人的資本の抜本的な強化を特記しています。今後も当社グループは、社会情勢の動向やステークホルダーとの対話を通じて、マテリアリティの精緻化や、課題解決に向けた取組みを推進していきます。
・人的資本への取組(マテリアリティ最重要項目)
当社グループは商社流通業を祖業としており、前項のマテリアリティ特定において当社の価値創造の源泉は従業員一人ひとりが発揮するスキルにあるという考えのもと、「H」(Human Capital=「人財」)を最重要項目として選定し、「人財」の重要性を強く認識しております。特に当社グループの製造セグメントに所属する国内外製造子会社群においても、価値創出の源泉はやはり「人財」であると認識しております。当社グループはマテリアリティ特定の際に、人的資本の強化を目的に、ESGにHuman Capitalの「H」を追加し、その「H」を最重要項目として位置づけています。今後は従業員の給与・待遇の向上やスキルを最大限発揮できる環境整備として教育・研修の体系化、個性を尊重した機会の提供、評価制度の導入など、人的資本の強化に対する具体的なアクションプランを策定していきます。
(ダイバーシティ&インクルージョン推進)
当社グループでは、従業員の多様な価値観・働き方を尊重し、一人ひとりが能力を最大限に発揮できる、魅力ある職場づくりを推進しています。
(女性活躍推進)
全ての従業員が活躍できる組織を目指すために女性従業員の活躍を推進していきます。働き方に関する既存制度の見直しや必要に応じた新制度を導入し、女性のキャリア形成や継続支援に積極的に取組んでいきます。
②環境親和型ビジネスの推進
当社グループの主力商材であるアルミニウムや銅などの非鉄金属は、近年、自動車・EVの軽量化・燃費向上等に不可欠な素材として、注目されています。しかしその一方で、生産工程における膨大な電力消費による環境負荷の高まりや、資源枯渇・採掘量の縮小に対する安定供給の維持という課題も顕在化しています。当社グループは課題を解決するべく、アルミニウム・銅のリサイクル事業に積極的に関わる等、再生・再利用までの取組みを推進し、環境親和型ビジネスを構築しています。例えば、アルミニウムスクラップを溶解して再生地金を生産する工程では、ボーキサイトから抽出したアルミナを精錬し新地金を生産する場合に比べ、電力消費量を約97%削減でき、環境への影響を大幅に抑制できます。
脱炭素やIoT化の進展に伴い、非鉄金属のニーズは今後ますます増加すると予想され、それに伴い、資源のリサイクルやリユースの重要性も一層高まります。当社は創業以来培った非鉄金属リサイクル事業の知見と実績を活かして、材料・部品のトレーディング、さらに回収・再生・再利用までを完結するプラットフォームを構築し、グループ内で資源が循環する「クローズド・リサイクル」の実現を目指します。その仕組みの構築に向けて、M&Aや北九州におけるリサイクル施設用地取得等、設備投資による機能の拡充や、コーポレートベンチャーキャピタルを通じた新技術の育成を図る「補完型投資」を強化します。これらの施策を適切に実行し、今後も脱炭素・環境親和型ビジネスの推進を継続します。
(3)リスク管理
・気候変動への取組み
当社グループでは、前項のマテリアリティの特定における「E 脱炭素・資源循環といった環境親和型ビジネスを推進する」において、地球の資源を取扱う当社グループとして積極的に気候変動への取組を推進しております。特にこの気候変動という予測困難で不確実な事象に関するリスクと機会を特定し、それらのリスクや機会がどのように当社グループへ影響を及ぼし得るのかを確認するために、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース「Task Force on Climate-related Financial Disclosures」)の枠組みに基づき、当社の注力領域である自動車関連取引についてシナリオ分析を実施いたしました。今後は他の注力領域においてもシナリオ分析を実施し、当社グループにおけるリスクと機会を確認していきます。
(4)指標及び目標
当社グループでは前項の「(2)戦略」において記載した、人材の多様性の確保を含む「人財」の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について次の指標を用いております。当該指標に関する目標及び実績は次の通りであります。
指標 | 目標 (2026年3月期) | 実績 (当連結会計年度) |
管理職に占める女性労働者の割合 | 5% | 3.7% |
男性労働者の育児休業取得率 | 100% | 66.7% |
労働者の男女の賃金の差異 (注)2. | 全従業員60.0 | 管理職73.5 総合職93.3 全従業員53.8 |
教育研修費 | 4,500万円 | 1,300万円 |
(注)1.実績、目標共に単体の数値です。
2.男性従業員を100とした場合の女性従業員の数値です。実績値は男女の人数構成及び職群でのばらつきによるものです。同一職群の場合、男女間の賃金格差はありません。
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