企業兼大株主アライドアーキテクツ東証グロース:6081】「サービス業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営方針

 当社グループは、「世界中の人と企業の創造がめぐる社会へ」というミッションのもと、自社開発のマーケティングSaaSツールの提供やSNS活用を中心としたソリューション提供等により、顧客企業のマーケティングを支援する事業を国内・海外で展開し、企業価値・株主価値の向上を目指しております。

(2)中長期的な会社の経営戦略

 当社グループの中長期戦略としましては、マーケティングDX支援事業のオーガニック成長に加え、M&A及び新領域の開拓による業容拡大を模索し、非連続成長を実現することを掲げております。

 オーガニック成長としては、プロダクトの進化、施策実行力の増強、提案メニューの拡充、カスタマーサクセス強化といったことを着実に実行してまいります。また、AI(人工知能)による業務効率化を当連結会計年度において推進してまいりましたが、今後も着実に実施してまいります。

 国内SaaS事業につきましては、販促・制作におけるデジタルマーケティングにおいて、マルチプロダクト戦略により競争優位性を強化し、更なる成長加速をしてまいります。

 海外SaaS事業につきましては、ゲーム業界で培った経験・アセットをもとに、グローバルの制作市場でのシェア獲得を推進してまいります。

 ソリューション事業につきましては、高単価中心から低額かつアカウント数増加に戦略変更することで、四半期ごとの売上変動を少なくしていき、右肩上がりの業績推移を目指してまいります。

 中国進出支援事業におきましては、マーケット影響を受けやすい事業性質であるため、ストック売上比率を増加させることで業績のブレを少なくしてまいります。

M&Aにつきましては、①既存事業とシナジーの高い企業の獲得、②新領域の事業性質を持つ企業の獲得を検討してまいります。

(3)経営環境

 現在、日本企業を取り巻く環境は、人口の減少及び市場の超成熟化、政府が推進するデジタルトランスフォーメーション(DX)による本格的なデジタル・ソーシャル時代の到来、インバウンド市場の拡大などを背景に、集客をグローバルに行う時代へと大きく変化しています。かかる変化に対応するため、当社グループが事業を行う企業のマーケティング領域においては、国内市場ではファンとの関係性を強化していくこと、デジタル・ソーシャルを積極的に活用していくこと、加えて国内市場のみならず越境・インバウンドも含めたグローバル市場からも新規顧客を獲得していくことが必要となっており、そのマーケティング手法やサービス形態が日々進化している段階であります。

 当社グループは、デジタル・ソーシャル等を活用したマーケティング支援を行っており、当社の売上の多くは顧客企業における広告費予算のうち、インターネット広告費に区分されております。日本におきましては、2023年の日本の広告費全体が7兆3,167億円で前期比103.0%のところ、インターネット広告費は、3兆3,330億円と前期比107.8%増となっており、マスコミ四媒体広告費2兆3,161億円(前期比96.6%)を大きく上回る結果となりました。さらに、インターネット広告費のうち、ソーシャル広告は前期比13.3%増の9,735億円となり、インターネット広告媒体費全体の36.2%を占めるまでに一段と成長しております。また、当社のSaaS事業における売上の一部は、物販系ECプラットフォーム広告費としても分類されますが、2023年の同広告費は前期比110.1%となる2,101億円となりました。新型コロナウイルスの感染拡大を背景とした生活者の行動様式の変化に伴い物販系ECプラットフォームを持つ企業が増加し、ECでの購買活動が浸透しつつあることに連動して、ECでの商品購入を促す目的の広告も増加しております。(※1)

 当社グループは、このような環境を踏まえ、マーケットのニーズに合わせて各種事業の展開を図る方針であります。具体的には、ソフトウェアの機能追加・改良、自社サービスの認知度向上等に加え、プロフェッショナル人材の獲得に積極的な投資を行い、サービス拡大に努めてまいります。また、基幹事業で得たマーケティングに関連したデータを適切に蓄積し、効果的に活用するサービスを展開し、事業領域の拡大及び事業進化を目指してまいります。更に、国内で蓄積したノウハウや開発技術力を生かし、グローバルへの展開も進めてまいります。

(※1)「2023年日本の広告費」(株式会社電通)、「2023年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析」(株式会社サイバー・コミュニケーションズ、株式会社D2C、株式会社電通、株式会社電通デジタル)

(4)目標とする経営指標

 当社グループは継続的な事業の発展と企業価値向上のため、売上高、及び営業利益とそれぞれの成長率を重要な指標としております。

 

 

2023年12月期(実績)

(百万円)

2024年12月期(予想)

(百万円)

前期比

売上高

4,144

4,000

△3.5%

営業利益

258

250

△3.4%

経常利益

314

250

△20.4%

親会社株主に帰属する当期純利益又は親会社株主に帰属する当期純損失(△)

△146

50

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

①収益基盤の強化

 グループ全体としての収益基盤を強化するうえで、各事業における対処すべき課題は次のとおりと認識しております。

<国内3事業>

 国内3事業は安定的に収益を拡大しておりますが、マーケティング業界では、新たなサービスや競合他社が次々と現れることから、他社とのサービスの差別化、競合優位性の確立のために、SaaSツールの機能強化や開発体制の構築・維持、さらには当社グループが持つ企画力及び技術力等を活かしたクオリティの高い人材の採用及び育成が課題と認識しております。

 そのため、当社グループでは、日本、ベトナム等グローバルでの人材獲得及び開発体制を構築し、常に最新の技術を取り入れるとともに、戦略立案・提案力や実行力のあるマーケティング人材の増強を図ってまいります。

<海外事業>

 連結子会社であるCreadits Pte. Ltd.において広告クリエイティブの制作・提供を行っております。2023年度におきましてはメインターゲットであるゲーム業界において、新型コロナ情勢の落ち着きによる巣ごもり需要の減少およびiOS/アンドロイドのプライバシー強化に伴うターゲティング精度の低下などの環境の変化を受けて年初から業績が安定せず、さらに2023年後半も大規模な整理を実施した企業も見られるなどゲーム業界全体が不安定な事業環境が続いたことで、第4四半期で高単価顧客の解約が発生いたしました。また、下期から追加した「ゲーム制作の管理・運用支援」の本格展開が遅れ、想定したような業績への貢献を得ることができませんでした。さらには、一部顧客の売掛債権の回収が見込めなくなったことに伴い、貸倒引当金を特別損失として計上いたしました。これらの結果、グループ全体の業績を大きく引き下げることとなり、再度業績予想を下方修正いたしました。

 このような状況は、事業環境の変化のみならず、管理体制の甘さも一因であると考えております。そのため、2024年におきましては、同社のガバナンス強化をグループの最優先課題と位置づけ、構造改革や体制強化を進めてまいります。

②財務基盤の維持・強化

 当社グループの財務の方針は、健全な財務基盤を維持しつつ、マーケティングDX支援事業の中長期的な成長のための投資を行うことを基本方針としております。2023年12月末時点において、現預金1,844,956千円、長期借入金(1年内返済予定の長期借入金を含む)は268,762千円であり、自己資本比率は73.1%であります。

 投資については、営業キャッシュ・フローの範囲内で行うことを目標としておりますが、企業価値を大きく向上させる投資が必要な場合に備え、金融機関との良好な関係の維持等、資金調達の環境を整えてまいります。

 また、投資有価証券の売却等、資産の効率的な運用に向けた対応を進めるとともに、負債を適正な水準に留め、資本コストを意識した経営を進めてまいります。

③コーポレート・ガバナンスの推進

 現在、当社グループは成長期にありますが、今後の持続的な成長と企業価値の向上を実現するため、コーポレート・ガバナンス体制の強化が重要な課題であると考えております。具体的には、経営の健全化、公正性の観点からコーポレート・ガバナンスの実効性を一層強化するため、リスク管理、内部統制の体制を強固なものとし、さらにコンプライアンスへの取り組みを強化することが必要であると考えております。

 これらの課題に対処するため、管理担当の取締役を選任するとともに、経営環境の変化に対応した投資戦略・財務管理の方針の策定や独立社外取締役の活用、取締役会の多様性など、信頼性の向上と自浄能力の増強に努めてまいります。加えて、改訂コーポレート・ガバナンス・コードへ的確に対応してまいります。

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