アマダ 【東証プライム:6113】「機械」 へ投稿
企業概要
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
当社グループは「お客さまとともに発展する」、「事業を通じた国際社会への貢献」、「創造と挑戦を実践する人づくり」、「高い倫理観と公正性に基づいた健全な企業活動を行う」、「人と地球環境を大切にする」という5つの経営理念の下、市場環境の変化とともに急速に多様化するユーザーニーズに迅速・的確に対応し、経営資源を戦略的・効率的に活用することにより、金属加工機械、金属工作機械及びこれらに関連するソフトウエア・情報ネットワークシステム・技術サービスの各事業分野で質の高いソリューションを提供し続けることにより、長期的な成長と社会に貢献できる会社づくりを進め、持続的な企業価値の向上に努めています。
(2) 中長期的な会社の経営戦略
当社グループは、「お客さまとともに発展する」をはじめとする5つの経営理念を基に、2030年に目指す姿として「長期ビジョン2030」を策定し、2022年5月に公表しました。また、2023年5月には持続的な成長と企業価値向上に向けた具体的なアクションプランとして、「まだないモノをアマダとつくる」をスローガンに2023年から2025年までの3か年の「中期経営計画2025」を策定し公表しました。
① 長期ビジョン2030の概要
当社グループは2030年に目指す姿とその実現に向けて「長期ビジョン2030」を策定しました。具体的な長期目標・長期経営目標は以下のとおりです。
当社グループが2030年に目指す姿 | |||
・多様な社会変動への対応、盤石な経営体制への変革 | |||
・社会から信頼されるモノづくりのパートナー | |||
| |||
長期経営目標 | |||
売上収益 5,000億円 | ROE 安定的に10%を確保 | SDGsを意識した 取り組みの強化 | 企業統治体制の 整備 |
長期ビジョン2030の達成に向け、以下の3つの成長戦略を柱に事業を推進してまいります。
ⓐ 環境対応ビジネス
・カーボンニュートラルに向けた社会・お客さまに価値を生み出す商品の展開
・産業構造の変化によるビジネスチャンスの拡大・環境対応型ビジネスへの変化
・働き方改革、労働環境への対応(自動化・スキルレスソリューションの展開)
ⓑ DX&サービス
・お客さまの製造現場におけるDX化・デジタル化への対応に向けた提案システム改革
・アフターサービスビジネスにおける新稼働保障体制構築によるサービス拡大
・DXによる効率化、コスト構造改革による収益性改善
ⓒ グローバル拡大
・日本、北米、欧州、アジアの4極体制における自主独立体制構築
・欧米先進国市場における地域ニーズに即した商品展開
・新興国市場での現地仕様の商品展開と新たなビジネスモデルの構築
② 中期経営計画2025の概要
ⓐ 重要経営指標とキャッシュアロケーション
重要経営指標 |
| キャッシュアロケーション | ||
売上収益 | 4,000億円 |
| 戦略投資 | 1,000~1,200億円 |
営業利益 | 640億円(営業利益率16%) |
| 運転資金 | 1,000億円 |
ROE | 8%以上 |
| 株主還元 | 1,000~1,200億円 |
ⓑ 基本戦略方針
(ⅰ)売上収益4,000億円の必達と収益性の改善
・労働環境の変化やカーボンニュートラル実現等の社会課題解決に対応した新商品の拡販によるシェア拡大・利益率向上
・顧客ニーズに即したアフターサービス事業の展開による収益力の向上
・誘客施設 Amada Global Innovation Center(AGIC)を活用したビジネス領域拡大と効率的な提案活動の推進
(ⅱ)長期成長戦略への活動開始
・当社グループで培ったレーザ技術の応用による新ビジネス分野への拡大
・グローバル製造改革による供給体制強化と収益力の改善
・DX、技術開発、環境、人財投資等を含めた戦略投資の実行
(ⅲ)資本政策(株主還元)の実施
・安定配当とROE向上を目指した株主還元方針の策定
株主還元方針 |
・連結配当性向50%を目安に、株主資本配当率(DOE)3%から4%の範囲で年間配当額を決定する |
・自己株式取得枠として400億円から600億円を想定し、キャッシュ・フローの状況等を考慮したうえで、継続的かつ段階的に自己株式の取得を実施する |
(ⅳ)ESG経営・体制強化
・商品の省エネルギー化の推進と事業所・工場排出CO₂の削減
・人財能力開発、ダイバーシティ推進、働きがいのある職場づくり
・取締役会の多様性確保と機能強化、役員報酬制度の見直し、コンプライアンスの徹底、リスクマネジメントの強化
③ 中期経営計画の進捗状況
ⓐ 重要経営指標
2023年度における経営成績は、売上収益は前期比10.3%増の4,035億円と概ね順調な初年度となったものの、営業利益は前期比13.3%増の565億円(営業利益率14.0%)となり、利益率の更なる向上が課題となっております。また、ROEは7.9%と想定線で推移しておりますが、目標の達成に向けて資本効率の改善に引き続き取り組んでまいります。
ⓑ 基本戦略方針
(ⅰ)売上収益4,000億円の必達と収益性の改善
新商品の販売については、従来商品からの切り替えが想定よりも期間を要したことにより、従来商品と比較して利益率が高い新商品の販売が想定を下回り、収益性の改善に遅れが見られましたが、2024年度から新商品の受注残の消化が進むことで利益率も改善に向かう見通しです。また、アフターサービスの強化では、お客さまの工場におけるマシン稼働の見える化を支援する「V-factory」の浸透に注力したことで接続登録社数が伸長し、IoTを活用した有償メンテナンスサービス「IoTサポート」の導入社数も順調に伸びているため、他事業に比べて収益性が高いサービス事業の増収が期待できます。併せて、2023年2月にオープンした誘客施設「Amada Global Innovation Center(AGIC)」を活用した販売活動が進展することで、一層の販売効率の向上によるコスト削減と、受注単価引き上げによる効果が見込まれます。
(ⅱ)長期成長戦略への活動開始
レーザ技術による新領域拡大戦略については、グループ資源を結集してアクションを加速させるため、2024年4月に主にレーザ微細溶接を扱う連結子会社の株式会社アマダウエルドテックを吸収合併し、レーザ事業を統合しました。グローバル市場拡大については、世界各地の市場特性に応じたグローバル戦略機を順次投入するとともに、現地生産の拡大とグローバル調達によるコスト削減を進めております。また、長期ビジョンの実現に向けた戦略投資については、3年間で約1,000億円から1,200億円の計画のところ初年度は約180億円を投じており、今後も引き続き前述のレーザ・溶接事業における新領域拡大戦略等に資金を活用していく方針です。
(ⅲ)資本政策(株主還元)の実施
株主還元方針に基づき、2023年度の年間配当は前期比12円増配となる1株につき60円を提案するとともに、総額約200億円の自己株式の取得を実施しました。2024年度においても年間配当として1株につき62円を想定し、新たに総額200億円を上限とする自己株式の取得も発表いたしました。今後も安定した配当の継続とROEの向上を念頭においた株主還元を展開してまいります。
(ⅳ)ESG経営・体制強化
2023年度における非財務目標に対する進捗は以下のとおりとなりました。環境面では事業所におけるLED照明化や太陽光発電設備設置を進めるなど、事業活動で排出されるCO₂の削減に取り組んでおります。ガバナンス面では社外を除く取締役を対象とした中期経営計画に連動した株式報酬制度を導入しました。一方、社会面では女性管理職の登用が課題となっており、キャリア採用を含めた女性採用の強化に加え、女性リーダー候補者に対する研修等の教育カリキュラムを継続的に実施することで早期育成を図ってまいります。
(非財務目標の進捗状況)
指 標 | 2022年度実績 | 2023年度実績 | 2025年度目標 | 2030年度目標 | |
環境 | 商品CO₂削減 | 57.5%減 (2013年比) | 58.4%減 (2013年比) | 50%減 (2013年比) | 50%減 (2013年比) |
事業所・工場排出CO₂削減 | 71.5%減 (2013年比) | 73.5%減 (2013年比) | 70%減 (2013年比) | 75%減 (2013年比) | |
社会 | 1人あたり教育研修時間 | 37.6時間 (グループ国内) | 47.7時間 (グループ国内) | 40時間 (グループ国内) | 45時間 (グループ国内) |
女性管理職数 | 15人 (グループ国内) | 15人 (グループ国内) | 24人 (グループ国内) | 40人 (グループ国内) | |
新卒採用女性比率 | 32.1% (グループ国内) | 32.6% (グループ国内) | 25% (グループ国内) | 25% (グループ国内) | |
有給休暇取得率 | 68.4% (アマダ) | 74.3% (グループ国内) | 80% (グループ国内) | 100% (グループ国内) | |
育児休業取得率 男性/女性 | 60.9%/100% (グループ国内) | 68.2%/100% (グループ国内) | 70%/100% (グループ国内) | 100%/100% (グループ国内) | |
ガバナンス | 取締役会の多様性確保 | 独立社外取締役4/9 女性取締役1名 | 独立社外取締役4/9 女性取締役1名 女性監査役1名 | 多様性の向上 | 維持・向上 |
役員報酬・制度の見直し | - | 2024年度から 株式報酬制度導入 | 中長期インセンティブプランの導入 | 責任者体制強化 |
(注) (イ)表中の「グループ国内」は、㈱アマダ、㈱アマダマシナリー、㈱アマダウエルドテック(2024年4月1日付で当社との吸収合併により、消滅しております。)、㈱アマダプレスシステム、㈱アマダツールの主要5社を指します。
(ロ)2023年度のCO₂排出量削減実績は第三者による保証前の数値となります。
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