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【東証スタンダード:6087】「サービス業」
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企業概要
文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において、当社が判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社は、経営理念として「顧客主義(取引先との共生によるパートナーシップの確保)」、「社員主義(社員の自主自律による価値創造の確保)」、「成果主義(機会平等と評価公平性の確保)」を掲げており、事業目的として「取引先の信頼と安心の確保に基づくサービスの提供」、「社員の生活向上と安定の確保」、「コンプライアンス、CSRの遵守と社会貢献」を定めております。以上の経営理念及び事業目的は、当社設立以来の経営に対する基本的な考え方として、経営者はもとより、社員への浸透も図られております。
(2)目標とする経営指標
① 売上高伸長率
減収増益や微増収増益では、企業価値の拡大に限度があります。売上高の拡大は、事業展開上必須の事柄であります。
② 利益率
売上高営業利益率、売上高経常利益率、売上高当期純利益率においてそれぞれ目標を設定し、収益力の高さを維持する経営を実践しております。
③ 技術社員数及び稼働率
技術社員数は、当年度、次年度の売上に関わる重要な指数となります。稼働率は、売上高及び売上総利益に大きな影響を与えます。
④ 請負業務比率
付加価値の高い請負業務を50%以上維持させ、新たな可能性の探索や収益率の高い業務比率を増やしていきます。
⑤ コア業務領域および新事業領域の拡大
当社の得意分野である自動車ランプ・内装・ボデー設計等のコア業務領域を拡大させていくことで、強みの更なる強化に繋げてまいります。当社のコア業務領域は、今後、HV/EV等の次世代自動車の普及、自動車部品のモジュール化の進展が期待され、設計開発需要減少の影響は受けにくいと考えております。また、新事業領域(ソフトウェア分野の展開、デジタル解析ソリューション、顧客向けDXソリューション)も拡大を目指します。
⑥ 健全な財務体制の維持
不測の事態に備え、財務体制を強化させていくと共に、資本について適切な活用を視野に入れた経営を実施しております。
⑦ 配当性向
株主に対する利益還元を経営の重要課題の一つとして位置づけ、継続的かつ安定的な配当を実施することを基本方針としております。配当政策につきましては、事業拡大のための設備投資などを目的とした内部留保の確保と配当の安定的拡大を念頭におき、財政状態及び利益水準を勘案した上で当期純利益の35%以上(配当性向35%以上)を毎期配当していくことを原則としております。
(3)中長期的な会社の経営戦略
当事業年度における世界経済は、中国の不動産市場や物価下落を除いては、回復の流れとなり、今後もその状況が期待されるものとみられます。欧米の高金利水準、中国経済の停滞、中東地域をめぐる情勢、金融資本市場の変動による影響を、注視する必要性があります。
我が国経済においては、景気は緩やかに回復しており、雇用・所得の情勢は改善の兆候がみられます。労働力人口及び就業者数は増加しているものの、人手不足は高い水準となり、特に製造業においては不足が拡大しています。設備投資は持ち直しの動きがみられ、全産業の設備投資計画は増加が見込まれています。
当社が主力事業を展開する自動車業界及び自動車部品業界においては、世界で脱炭素化に向けたDXおよびGXの両面における革新が進展しました。今後も技術分野のイノベーションの加速が見込まれますが、米国の政策を注視する必要があります。一方、欧米を中心とした主要な国々では、HV車が支持を集めており、今後も勢いが続くものと考え、国内でもさらなる普及拡大が見込まれます。
当社が主力とする設計開発アウトソーシング事業は、生産の上流工程であるため、自動車メーカーの工場稼働停止や減産が直接契約解除等に影響する可能性は低いとみておりますが、海外景気の減速が深刻化した際などには業績に影響を及ぼす可能性もあるため、業界の動向を注視する必要があります。また、国内の企業物価は、上昇のペースが緩やかになるものの、消費者物価は徐々に上昇し続けています。今後も政府や経団連の賃上げに対する呼びかけはさらに強まるとみられ、国内の平均賃金は上昇を続ける流れと考えます。
以上のような事業環境のもと、当社はより付加価値が高いソリューション提案型企業「デジタルソリューション企業」を目指し、既存事業のみならず積極的に新規事業の推進に励んでまいりました。その一環として、自社独自のデジタル技術開発へ経営資源を集中させるため、2024年3月に非中核事業である3Dプリント事業を廃止いたしております。
なお、中長期的な会社の経営戦略は次のとおりであります。
① 数値目標
| 第20期 (2025年9月期) | 第21期 (2026年9月期) | 第22期 (2027年9月期) |
売上高 | 11,100百万円 | 11,900百万円 | 12,500百万円 |
営業利益 | 900百万円 | 1,100百万円 | 1,300百万円 |
売上高営業利益率 | 8.1% | 9.2% | 10.4% |
経常利益 | 900百万円 | 1,100百万円 | 1,300百万円 |
当期純利益 | 600百万円 | 740百万円 | 910百万円 |
② ビジョン
『デジタルソリューション企業』
デジタル技術を活用し、顧客の潜在ニーズに応えるソリューション提案型企業
③ 新たな戦略的取組み
(1)既存事業の更なる発展や付加価値の創造
a. 軽量化設計技術の発展(EV化により車体軽量化ニーズ など)
b. ソフトウェアや電子部品開発、組込/制御ソフト開発の分野拡大(自動車の電気制御化)
c. 環境配慮設計(リサイクル配慮構造や廃棄物管理しやすい構造)
(2)解析事業の拡大
a. 解析ソリューションの深化(解析ノウハウ蓄積、実機データとの整合性検証)
b. 試作レスに資するソリューションの提供(解析×ARなど)
(3)顧客向けDXソリューションの複数展開
a. 設計に関連する新しいアイテムの継続的な開発
(4)オフショア開発を含めたグローバル展開
④ 戦略的取組みを実現させる施策
a. 経験者採用を含めた即戦力となる技術者の獲得
b. 技術者教育の抜本的見直し
c. 資本提携・事業提携の推進
d. システム入替による業務効率性向上
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社は、健全で透明な企業活動を展開し、顧客への価値提供を通じて売上利益を持続的に拡大することにより、企業価値の永続的発展を目指すことを最大の経営目標であると認識しております。
当社の中核事業である設計開発アウトソーシング事業では、「設計技術集団」としての事業基盤を拡大発展させていくために、技術者の採用と育成に取り組み、高付加価値なソリューション提案を行っていくことが重要であります。世界的な物価上昇が続く中、政府や経団連の賃上げの呼びかけもあり、国内の平均賃金は上昇しています。このため、当社の高付加価値事業の拡大に先行して賃上げが必要になる可能性があることから一時的に収益性が低下する懸念があります。
この対策として、1.採用管理部門による新卒・経験者採用の強化 2.教育管理部門による技術者教育体制の抜本的な改革 3.社員の技術向上と提案営業を組み合わせた付加価値向上による価格改定を目指してまいります。加えて、永続的な発展を目指していくためには、将来の中核事業となる新規事業を育成していくことも必要不可欠であります。そのため、設計開発アウトソーシング事業で培った技術力、顧客関係性を基に当社独自のデジタル技術やAR技術などを組み合わせ、業務効率化などのソリューション提案開発を推進し、デジタルソリューション企業を目指してまいります。
そして、コンプライアンス体制の強化・確立等を重視するとともに長期的な視点で社会の持続可能性に配慮し、技術者がいきいきと働ける環境を提供することにより、サステナブルな社会の実現に貢献してまいります。
取り組みの具体的な内容は以下のとおりであります。
①不祥事に対する対応
当社は、2024年12月20日付『特別調査委員会の調査報告書受領に関するお知らせ』にて公表したとおり、2020年4月から2022年7月までを支給申請対象年月とした雇用調整助成金の受給について、全ての拠点にて支給要件の欠如があり、また一部の拠点では支給要領上の不正受給に該当する可能性がある申請があることが判明しました。かかる雇用調整助成金の不適切な受給に関して設置した特別調査委員会から再発防止策の提言がなされておりますので、本提言を真摯に受け止め、再発防止策の策定を進め最重要課題として取り組んでまいります。
(a)社内ルール及び責任体制の明確化
・社内規程による主管部署・責任者の明確化
・取締役が参加する会議等における協議・確認を通した社内ルール・責任体制の明確化
・社内関係者及び社外専門家との連携強化
(b)リスク管理委員会及びコンプライアンス委員会の実行性の確保
・リスク管理委員会・コンプライアンス委員会の開催頻度の見直し
・リスク管理委員会・コンプライアンス委員会における協議の深度化と具体化
(c)監査室の内部監査機能の強化
・監査室の人員拡充と監査内容・監査項目の見直し
(d)内部通報制度の充実化
・内部通報制度の見直しを行い、総務部以外の通報・相談窓口を設置
(e)コンプライアンス教育の実施
・役員、従業員に対する体系的なコンプライアンス教育の実施と全社的なコンプライアンス意識
の向上
②「社員の自主自律による価値創造の確保」など、当社経営理念の社員への浸透
③技術者の採用強化(新卒、経験者)
④顧客のニーズに対応した社員育成体制の確立と強化
⑤コア業務領域(ランプ・ボデー・内装など)と新事業領域の売上拡大
⑥設計DX及びAI・AR技術を応用した業務効率化とソリューションの提供
⑦技術力・難易度等に応じた適切な価格の設定
⑧新規企業・分野の開拓など顧客の状況に影響されない受注体制の確立
⑨機密情報へのアクセス権の管理強化及び顧客情報のセキュリティ強化
⑩顧客に信頼されるコンプライアンス体制の強化・確立
⑪管理体制の効率化・情報の共有化、経営コックピットの導入など
⑫長く安心して働ける会社づくり
⑬サステナビリティへの取り組み強化
⑭美容・健康商品製造販売事業における商品知名度のアップによる売上拡大
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