企業アツギ東証スタンダード:3529】「繊維製品 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)ガバナンス

 当社では、気候変動をはじめとするサステナビリティ課題への対応は、主に2023年5月に設置されたサステナビリティ委員会が担います。サステナビリティ委員会は代表取締役社長を委員長として原則として四半期に1回開催し、気候変動に関連する課題の特定および対応策についての議論を行います。また、審議内容を原則年2回取締役会に答申します。取締役会では対応方針が決議され、サステナビリティ委員会を通じて進捗管理や社内啓もうが実施されます。

(2)戦略

 当社グループは、日本政府が掲げている温室効果ガス削減目標に沿ったサステナビリティの実現を目指しています。そのため、政府が達成年度に設定している2030年と2050年を基準としてリスク・機会の特定を行いました。リスク・機会の特定にあたっては、TCFD提言に基づき、1.5/2℃シナリオと4℃シナリオという複数のシナリオを用いました。複数シナリオの利用により、各戦略の将来にわたる柔軟性を確保しております。

 当社グループはまず、1.5/2℃シナリオにおいて影響が大きい移行リスクについて特定しました。移行リスクでは、主に、炭素税導入をはじめとする政策・規制によるもの、原材料高騰等に関するものが特定されました。これらのリスクに対し、当社グループは、本社でのLED照明導入や、中国の新工場における再エネ電力導入の検討等、使用エネルギーの見直しを行っています。また、中国の新工場では節水型の設備を導入し、2025年度までに水使用量を13,870t(2022年度対比5.9%)削減する予定です。

 また、4℃シナリオにおいて影響が大きい物理リスクでは、異常気象の激甚化や干ばつ、平均気温上昇を背景として、生産拠点の操業停止、綿花の生育不良、季節性製品需要の変化が特定されました。これらのリスクに対し、当社グループは、現状中国への一極集中が見られる生産拠点を国内外の協力工場に分散させるといったBCP対応を進めております。更に今後は調達ソースの多様化や、サプライヤー選定基準に環境への取組みを加えることにより、事業継続力を高めていくことを検討しております。

 当社グループは、リスク特定で用いた枠組みのもと、機会の特定も行いました。脱炭素社会への移行に伴う機会としては、環境配慮型製品の需要増加やESG投資による資金調達コストの削減等が特定されました。当社グループは現在、FSC認証紙の使用、商品パッケージやショッピングバッグの脱プラスチック推進、再生素材の導入、リサイクル活動の実施等、調達から製品の販売に至るまで、様々な環境対策を行っています。これらの取組みを継続、拡大していくことと並行して積極的な情報開示を行うことで、消費者、投資家のニーズをとらえた製品・サービスの提供が可能となると考えております。

 気候変動の物理的な影響が顕在化することに伴い生じる機会は、EC販売の需要増加や涼感機能性商品の需要増加が特定されました。EC販売の需要増加については、当社グループは2017年に自社ECサイトをリニューアルオープンしました。さらに、中期経営計画「ATSUGI VISION 2024」の初年度である2022年度にはEC強化プロジェクトを発足し、2023年の「ATSUGI VISION 2024 改訂」においても自社ECの強化を打ち出しております。また、涼感機能性商品の需要増加については、当社グループは、暑さに対応した商品の販売を拡大しています。冷感効果を持つ糸や汗のべたつきを軽減する素材を使用した商品、蒸れを軽減する仕様の商品、紫外線対策ができるUVカット機能を搭載した商品等、気温上昇による猛暑・酷暑で需要拡大が見込めるインナーウェア・レッグウェアを製造販売しています。

 特定したリスク・機会に対応するため、全社で情報を共有し、環境経営に関する円滑な意思決定およびサステナビリティ推進活動の強化を図ってまいります。

■リスク機会一覧表

※補足

1.事業インパクトの項目のうち、時間軸は以下のように設定しています。

 短期:0~3年 中期:4~10年(2030年) 長期:11~30年(2050年)

2.事業インパクトの項目のうち、影響度は以下のように設定しています。

 大:事業及び財務への影響が大きくなることが想定される

 中:事業及び財務への影響がやや大きくなることが想定される

 小:事業及び財務への影響が軽微であることが想定される

 また、当社グループは、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針として、多様性、チャレンジ性を重視し、常に新たな価値創出を実現し続ける組織へと生まれ変わるための組織改革を実行しています。

 社員の士気を高め、一人ひとりが活き活きと活躍し、能力を最大限発揮できる環境の整備を進めます。

(3)リスク管理

 当社グループでは、気候変動をはじめとするサステナビリティ課題への対応は重要な経営課題の一つであると考え、全社的なリスク管理体制を構築しています。リスクの特定はサステナビリティ委員会が担います。サステナビリティ委員会は社長、管理本部長、レッグ事業本部長、インナー事業本部長、開発本部長、生産本部長、経営企画部長、総務部長、生産統括部長、生販計画部長、経理部長で構成されており、各部門の報告に基づいた審議を行っています。また、気候変動関連リスク以外のリスクを踏まえた相対的な評価(優先度の判定)はリスクマネジメント委員会が行います。なお、サステナビリティ委員会、リスクマネジメント委員会はともに社長が管轄しています。

(4)指標及び目標

 当社グループはこれまで、環境問題への取組みの重要性を認識しながらも、製品・サービスの環境配慮性能の向上やESG全般への取組みの強化に注力していたことから、温室効果ガス削減の定量的な目標設定および実績値の算定は行ってきませんでした。しかしながら、現在、脱炭素への国際的な合意が強化され、社会的要請が高まっています。当社グループも、事業を通じて社会的な責任を果たすため、また、気候変動関連リスク・機会の精度の高い分析を行うため、今後は自社の活動範囲での排出であるScope1、2の算定からはじめ、将来的にはサプライチェーン全体が対象であるScope3の算定も行ってまいります。

 今後、日本政府が掲げている温室効果ガス削減目標に沿い、2030年度や2050年度等、具体的な年度設定を行ったうえで中長期的なロードマップを検討してまいります。

 また、当社グループでは、上記「(2)戦略」において記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について、次の指標を用いております。当該指標に関する目標及び実績は、次のとおりであります。

《多様性》

①女性の活躍応援団

 性別に関係なく働き続け、女性が個性と能力を発揮できる社会の実現に向けて、2016年9月より「かながわ女性の活躍応援団」として活動に参加しています。

 2022年9月には女性の活躍を一層推進するための「行動宣言」として以下の3つを宣言しており、2023年3月末現在の進捗は[ ]内記載のとおりです。

(ⅰ)男性の育児参画を推進するため、育児のための休業・休暇・短時間勤務制度の男性利用者が20%以上になる

 よう取り組む[2022年度50%]

(ⅱ)将来的な社内出身女性取締役の登用を目指して、2024年度までに部長職以上の女性割合が17%以上になるよ

 う取り組む[2023年3月末現在11%]

(ⅲ)働く場所や時間の制限を緩和し、就業継続がしやすい職場を目指すため、フレックスタイム制度の導入に取

 り組む[2023年3月末現在検討中]

②採用形態の多様化

 様々な経験・知識・文化・価値観を持つ人材が集まることで、互いに刺激を受けあい、成長しあい、新たな発想に繋がることを期待し、中途採用、出向、転籍等、多様な採用形態の活用を進めています。

《チャレンジ性を重視した社内風土改革》

①パーパス、ビジョン、行動指針の浸透

 パーパス、ビジョンを制定して社員一人ひとりに浸透させ、それらに向けて社員一人ひとりが体現すべき姿勢を行動指針として明確に示すことで社員のベクトルを統一し、今までにない新たな価値を創出する企業文化の醸成に取り組んでいます。

 行動指針を「あらゆることを楽しむ。」「常にお客さまを想う。」「ギアを入れて、自分から。」「ずっと挑戦し続ける。」「向き合う、まっすぐ誠実に。」と定め、行動指針を後押しする制度として、当社グループの経営向上に役立つ提案を募集する提案制度を創設し、運用を開始しました。これにより、チャレンジ精神を奨励する風土の定着を図ります。

②評価制度改革

 人事評価制度を刷新し、一人ひとりに求められる役割・業務目標が明確で、自分の目標の達成が会社の目標達成に繋がることを実感できる評価制度を導入しました。日々の努力が報酬に反映されやすい評価制度とすることで、仕事に対するモチベーション向上に繋げます。この制度は目標設定の適切性が最も重要となるため、定期的に目標設定と評価実施に関する社内研修を実施することで、運用の質の維持・向上に継続的に努めます。

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