企業兼大株主アスクル東証プライム:2678】「小売業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社グループのサステナビリティに関する考え方および取組みは、次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当有価証券報告書提出日(2023年8月2日)現在において当社グループが判断したものです。

1.サステナビリティ全般

(1)ガバナンス

 当社グループは、自らの社会的責任を果たし、持続的成長と中長期的な企業価値の向上を図り、取締役会のガバナンス機能を補完することを目的として、リスク担当取締役を委員長とするサステナビリティ委員会を設置しています。

 サステナビリティ委員会においては、サステナビリティおよびESGに関する課題や方針の審議、決定、およびリスク・コンプライアンス委員会、労働安全衛生委員会、品質マネジメント委員会、情報開示委員会の各委員会のモニタリングを行っています。

 マテリアリティ(重要課題)への対応やESG施策などを含むサステナビリティに関する課題への取組み・検討・推進に当たっては、当社各部門および当社グループと連携を図るとともに、経営会議および関連各機関とも連携を図り、実効性の向上に努めております。

○CSR/ESG/サステナビリティ推進体制図


 合わせて、当社グループの適切なコーポレート・ガバナンスの構築、経営の透明性の確保、企業価値の向上等を目的として、「指名・報酬委員会」「特別委員会」「独立社外役員会議」等を設置し、各課題の審議・検討を行っております。

 各委員会の活動については、定期的に取締役会に報告されるとともに、特に重要な事項については、随時、取締役会に上程または報告され、適宜必要な指示・助言を受けることでモニタリングが図られています。

 上記を含むコーポレート・ガバナンス体制の概要については、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1) コーポレート・ガバナンスの概要 ② 企業統治の体制」をご参照ください。

(2)戦略

 当社グループは、持続的な成長を成し遂げるための礎として、パーパス(存在意義)とバリューズ(価値観)を策定し、創業からの企業理念「お客様のために進化する」をDNAとし位置付け、これらを「ASKUL WAY」として策定・公表しております。

 また、これに合わせ、持続可能な社会の実現に向けた活動指針として、「サステナビリティ基本方針」を策定するとともに、当社が今後とも重点的に取り組むべき「マテリアリティ(重要課題)」を特定し、取組みを推進しております。

 当社における「サステナビリティ基本方針」は以下のとおりです。

○「サステナビリティ基本方針」

 私たちアスクルグループは 仕事場とくらしと地球の明日を支える企業として

 志を同じくする仲間と共に グループ自らの成長を通じて 持続可能な社会の実現に貢献します。

・マテリアリティ(重要課題)特定のプロセス

 マテリアリティ(重要課題)の特定に当たっては、アスクルにおけるパーパス(存在意義)・バリューズ(価値観)や社内の各方針等を踏まえつつ、まずは国際的なガイドライン等を参照し、課題を抽出・整理しました。その後、ステークホルダーへのヒアリングなどを通じて、「ステークホルダーにとっての重要度」および「自社にとっての重要度」という2軸に基づき課題を整理・評価検証を行い、さらに経営陣での議論、取締役会の決議を経て、マテリアリティ(重要課題)を特定・決定しました。

・特定したマテリアリティ(重要課題)

 経営会議での議論、社外取締役を含む各役員からの意見・検討、サステナビリティ委員会での妥当性確認、取締役会での決議を経て、当社のマテリアリティ(重要課題)として公表しています。

 抽出・選定した13の項目のうち、3項目については企業活動の前提条件として「基盤」と位置付け整理するとともに、10項目については、各項目の取組み内容、相互の関連性と今後の推進体制等を踏まえ、5つのテーマに集約・整理しております。

 当社のマテリアリティ(重要課題)は以下のとおりです。

マテリアリティ(重要課題)

DX

DXによるサービスの変革

①最高の顧客体験の創造

②革新的バリューチェーンの構築

共創

共創によるイノベーション

③商品とサービスを通じた新たな価値の創出

④資源循環型プラットフォームの実現

環境

次世代につなぐ地球環境への貢献

⑤脱炭素社会の実現に向けた挑戦

⑥生物多様性の保全

サプライチェーン

責任あるサプライチェーンの構築

⑦サステナブルな調達の実現

⑧ライフラインとしての責任の全う

人材

サステナブルな企業活動を支える

人材育成

⑨個々人が能力を発揮するダイバーシティの推進

⑩積極的にチャレンジする人材によるイノベーション創出

基盤

⑪透明性の高いガバナンスの実現(データセキュリティを含む)

⑫心身ともに安心・安全に働ける健康経営

⑬健全な財務体質の維持・向上

(3)リスク管理

 当社は、会社法および会社法施行規則に基づき、当社の業務の適正を確保するため、当社の果たすべき社会的責任を認識し、コーポレート・ガバナンスの充実と同時に、コンプライアンス経営を徹底し、リスク管理の観点から、各種リスクを未然に防止する内部統制システムを構築しています。

 また、当社グループでは、サステナビリティに関するリスクを含め、将来の経営成績に影響を与えるリスクを「重要なリスク」として抽出しリスクアセスメントを行うと同時に、社会動向の分析、経営陣幹部による認識や検討を踏まえ、特に当社グループの事業継続に著しい影響を及ぼすと認めたリスクを「特に重要なリスク」と定め、必要なリスク対応策を策定しています。

・リスクマネジメントに関する基本方針および行動指針

1 当社および当社グループは、当社グループの持続的成長の妨げとなるすべての事象を対象にリスクを管理するとともに、法令や社会的規範、倫理・行動規範を含む社内規則を遵守し、適正な業務遂行を実施することで、持続的成長と中長期的な企業価値の向上を図る。

2 当社および当社グループの役員および社員は、具体的なリスクが発生した場合には、人命と身体の安全を最優先とし、法と倫理を遵守し、モラルを持って実直に行動する。

・リスクマネジメント・運用体制

統括責任者

最高経営責任者

(CEO)

社内のリスク対応計画の立案、実施、点検、見直しおよび確実な遂行のために必要な経営資源の適正配分

実施責任者

リスク担当取締役

各種リスク対応計画の立案、実行の指示、全社調整

リスクマネジメントオフィサー

各本部・グループ会社

各本部・プロジェクトの執行責任者として、リスク対応管理・フォローアップ

リスクマネジメント担当者

ディビジョン

(各統括部門)

各部門・プロジェクトの各種リスク対応を推進

リスク対応活動者

デパートメント

(各部門)

各種リスク対応を実施

リスクマネジメント事務局

CSR担当部門

リスクマネジメント活動のPDCAの推進

リスク・コンプライアンス委員会

関連事項・規程・課題の審議・承認およびモニタリング、取締役会またはサステナビリティ委員会への上程・報告の実施

 当社グループでは、リスクマネジメント規程に基づき、事業活動を担う各本部等の責任者(リスクマネジメントオフィサー)が業務における影響度が特に大きなリスクおよび機会を、年に1回以上の頻度で短期~長期の時間軸の中で洗い出し、それぞれに対応計画を策定するとともに、定期的にモニタリングを行っており、洗い出されたリスクおよび機会とその対応計画は、リスクマネジメント事務局を通じて、リスク・コンプライアンス委員会に提出されます。

 これらリスク・コンプライアンス委員会への上程に先立ち、リスクマネジメント事務局では、「リスクマネジメント規程」に基づいて抽出された「全社レベルのリスクおよび機会」と、「各リスクおよび機会」との整合性を確認し統合しています。リスク・コンプライアンス委員会では、年に1回以上の頻度で、各部門の対応計画の実行状況・進捗の確認、見直しを行っています。

 また、これらの検討結果および対応状況、ならびに、特に重要な事項については、サステナビリティ委員会および取締役会に上程、または報告され、適宜必要な指示・助言を受けることでモニタリングが図られています。

 また、この他、気候変動に関するリスクと機会については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 2.気候変動への取組み(3)リスク管理」を、当社における主なリスクの詳細については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご参照ください。

(4)指標と目標

 当社グループでは、特定したマテリアリティ(重要課題)に基づき、各取組み(アクションプラン)・KPI(指標・目標)を、以下のとおり設定しております。

 サステナビリティ委員会、各委員会および経営会議等を通じて、各項目の進捗確認・推進を図るとともに、ステークホルダーとの対話、経営計画および事業計画の進捗などに応じて、活動の検証・見直し・開示を行っております。

○「マテリアリティ(重要課題)に基づく目標・KPI 一覧」

マテリアリティ

ゴール

アクションプラン・KPI(指標・目標)

DX

①最高の顧客体験の創造

既存サービスの

磨き込み・深化

お客様ご利用継続率:2pts向上

お問い合わせ一次解決率向上 85%→90%

新サービス提供・CX進化

テクノロジーによる簡単便利な購買機能進化

②革新的バリューチェーンの構築

バリューチェーン全体の進化

アスクル起因での欠品ゼロの仕組みの実現

配送品質向上・配送遅延ゼロ達成

商品情報の進化

ステークホルダーの枠を超えたオープンな 「商品情報共有プラットフォーム」の構築

 

共創

③商品とサービスを通じた新たな価値の創出

オリジナル商品の

環境対応

オリジナル商品の環境基準、ネガティブリストの策定

新たなサービスによる

社会課題解決

メーカー廃棄予定商品の販売プラットフォーム実現:累計100万個の廃棄削減を達成

「買物弱者」支援:支援内容の検討(地方過疎化対応のローカルコマースサービス等の構築)

④資源循環型 プラットフォームの実現

資源循環型サービスの

実現・実装

資源循環型サービス構築・開始

廃棄物ゼロチャレンジ

「商品廃棄ゼロ」達成

「梱包資材の全量再資源化」達成

環境

⑤脱炭素社会の実現に向けた挑戦

アスクルグループCO2ゼロ

「2030年CO2ゼロチャレンジ」の達成

植林等によるCO2吸収の取組み

環境配慮のお届け方法のお客様への提供

サプライチェーン全体でのCO2削減

SBT達成(Scope3のCO2を12%削減)

商品CO2の見える化・削減貢献量の算定の完了

⑥生物多様性の保全

認証商品の取り扱い拡大

木材・紙製品の認証商品の拡大

海洋プラスチック汚染問題への対策

地方自治体への海洋ゴミ回収協力

サプライチェ|ン

⑦サステナブルな調達の実現

サプライヤー調査・監査

サプライヤーへのCSR調査実施

PB商品製造委託工場への監査実施

サプライヤー以外の

取引先調査

全取引先へのアスクル信頼度調査実施

⑧ライフラインとしての責任の全う

「ライフライン商品」の拡充と安定供給

「ライフライン商品」安定供給体制の構築

レジリエントな物流ネットワークの構築

免震化・冗長化を前提とした物流センター配置計画・実行

レジリエントなサプライチェーン構築

プラットフォームを活用した災害支援

自治体との災害時支援協定の締結

人材

⑨個々人が能力を発揮するダイバーシティの推進

女性管理職比率

女性管理職比率30%達成

ハンディキャップ

(障がい者雇用・活躍)

障がい者雇用率の遵守・向上

シニア制度

セカンドキャリアチャレンジ制度の運用

⑩積極的にチャレンジする人材によるイノベーション創出

チャレンジ人材育成、

環境整備

社内表彰制度の設計・運用

全社育成計画策定・実践 (DX人材育成含む)

DX人材の採用・育成

DX人材を年間30名(新卒+中途)採用

基盤

⑪透明性の高いガバナンスの実現(データセキュリティを含む)

グループガバナンスの

強化

不祥事・重大法令違反0件(継続)

情報セキュリティの確保

セキュリティインシデント 重大事故0件(継続)

⑫心身ともに安心・安全に働ける健康経営

ヘルスケアの充実

「健康経営」への取組み・推進

エンゲージメントの強化

従業員満足度向上・エンゲージメント強化

⑬健全な財務体質の維持・向上

収益性の向上

中期経営計画の達成

連結売上高5,500億円、連結営業利益率5%、ROE20%

財務基盤

中期経営計画を支える強固な財務基盤の構築

CCC(キャッシュ・コンバージョン・サイクル)△20日

(注)1 目標・KPIの範囲は、特に記載がない限り、アスクル株式会社のみが対象となっております。

2 マテリアリティ(重要課題)に関する、最新の実績数値等、詳細については、以下をご覧ください。

○マテリアリティ(重要課題)に基づく目標・KPI 一覧

 https://askul.disclosure.site/ja/themes/167#csr_sustainability05

 また、この他サステナビリティ・ESGに関する各指標や関連データについては以下もご参照ください。

○ESGデータ集

 https://askul.disclosure.site/ja/themes/105

2.気候変動への取組み

 当社グループのパーパス(存在意義)である「仕事場とくらしと地球の明日に「うれしい」を届け続ける」の実現のために、当社グループでは、商品の原材料調達から仕入・販売および物流配送に至るまでのサプライチェーン全体の維持が最も重要な経営課題であるとの認識のもと、気候変動はこの経営課題に影響を与える重大な要因として捉えており、世界の平均気温を産業革命以前に比べて1.5度に抑えるように努力する「パリ協定」の実現を目指して、当社グループの物流センター等で利用する電力の再生可能エネルギー由来への切り替えや、配送用小型トラックの電気自動車(EⅤ)化等、CO2排出量の削減に努めています。 

2016年には、当社グループの施設および車両が直接的、間接的に排出するCO2を2030年までにゼロとする野心的な目標である「2030年CO2ゼロチャレンジ」を宣言するとともに、2017年には、RE100(注1)およびEV100(注2)に参加し、2019年には日本のeコマース事業者として初めてTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言への賛同を表明し、以下のとおり、事業への影響分析やリスクおよび機会の評価、CO2排出量の管理を進めています。

・TCFDへの対応

TCFD提言に基づく気候変動関連情報の開示およびTCFD対照表については以下をご参照ください。

○TCFD提言に基づく気候変動関連情報の開示

 https://askul.disclosure.site/ja/themes/174

○TCFD対照表

 https://askul.disclosure.site/ja/themes/106#tcfd

(1)ガバナンス

① 取締役会の監視体制

 当社グループでは、気候関連課題における現状確認、課題解決に向けた協議・審議・対策の実施を目的として、環境マネジメントシステム(EMS)推進体制に基づきCEO、取締役、執行役員および事業の各部門長を参加メンバーとする「EMS責任者会議」を四半期ごとに開催しています。EMS責任者会議で報告、検討された重要事項については、取締役会の下部機関で、それぞれリスク担当取締役が委員長を務め、代表取締役および社内取締役等から構成されるリスク・コンプライアンス委員会およびサステナビリティ委員会に上程、または報告されます。

 リスク・コンプライアンス委員会では、主に気候変動のリスクマネジメントに関する事項について、またサステナビリティ委員会では、気候変動問題が当社グループの持続的成長に及ぼす影響やそれに対する行動計画等について、それぞれ協議、または審議・決定が行われています。また、各委員会に報告された特に重要な事項については、取締役会に上程、または報告され、適宜必要な指示・助言を受けることでモニタリングが図られています。

② 経営者の役割

 当社の代表取締役社長CEOは、経営戦略や事業計画および重要な業務執行などを議論する取締役会に出席し、当社グループの最高経営責任者として気候関連課題に対する最終責任を負っています。

 代表取締役社長CEOへの気候関連課題の報告プロセスとしては、主に四半期ごとのEMS責任者会議、年に1回のマネジメントレビューがあり、各取組み方針、計画と進捗状況の報告が行われています。代表取締役社長CEOは、各報告プロセスにおいて、気候関連課題の解決に向けた取組みを評価し、全社事業活動との整合性を図り、経営資源の配分や体制の構築、取組みの促進や方向性の修正に関して、必要な意思決定・指示・助言を行っています。

(2)戦略

① 気候変動のリスクと機会、および組織のビジネス・戦略・財務計画に及ぼす影響

 当社グループでは、商品の原材料調達から仕入・販売、および物流配送に至るまでのサプライチェーン全体の維持が最も重要な経営課題であるとの認識のもと、このサプライチェーンの各プロセスにおいて、気候変動に伴う影響を移行リスク、物理的リスクと機会に分類してこれらの重要度を評価しています。

 また、評価に当たっては当社の事業戦略やインフラの整備状況のみならず、国際的な政治・社会動向、あるいは法規制の変更といった外的要因も十分考慮しています。

② シナリオ分析

 当社グループでは、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)第6次評価報告書におけるSSPシナリオに基づき、前項で重要度が高いと判断されたリスクおよび機会の各項目につき、以下の2種類の気候関連シナリオに基づき、科学的根拠等を用いて2030年時点での財務に及ぼす影響を算定することで、「リスク」を低減し、「機会」を拡大するための事業戦略立案を行っています。

・4℃シナリオ(SSP5-8.5)

 各国政府が新たな政策、制度を導入せず温室効果ガスの排出量が抑制されないシナリオ

・2℃未満シナリオ(SSP1-2.6)

 各国政府がパリ協定達成のために適切な政策、制度を導入し、気温上昇を2℃未満に抑えるシナリオ

 シナリオ分析の結果は以下のとおりとなり、2030年時点では物理リスクはそれほど顕在化しないと見られる一方、政策・規制や、顧客の嗜好の変化等が、当社グループの事業へ大きな影響を及ぼすとの結果を得ています。

 気候変動による事業への影響は、世界的な脱炭素化への動きや、技術革新により刻々と変化してまいりますので、今後ともこうした社会的動向を考慮しながら、財務的な影響を定期的に把握し、リスクマネジメント計画や中期経営計画などを含む当社グループの事業戦略に反映してまいります。

リスク・機会の種類

事業インパクト

2030年における
財務への影響(年間)

4℃

2℃未満

移行
リスク

政策
・規制

税制

炭素価格税制の導入に伴う、物流センター、配送車両などが排出するCO2への課税

影響あり

規制

規制により、既存プラスチックの再生材、バイオプラなどへの素材切替に伴う商品原価の上昇

影響大

製品/
サービス

顧客の志向変化

環境対応より価格対応が重視されることによる商品の低価格化進行

影響大

技術

低炭素技術の

普及

EⅤの開発、普及の停滞による車両価格の高止まりに伴う車両調達費用の増加

影響あり

物理
リスク

慢性

平均気温上昇、降水・気象

パターン変化

物流施設・事業所、配送車両の冷房・冷蔵等に必要な電力代増加

影響あり

影響あり

森林火災や病害虫発生、植生変化などによる森林資源供給量減少に伴う商品原価の上昇

影響あり

影響あり

急性

異常気象の

激甚化

サプライヤーの被災に伴う代替商品の確保などによる商品仕入価格の上昇

影響あり

影響あり

配送遅延や事故等の増加に伴う配送費や保険料等の増加

影響あり

影響あり

機会

製品/
サービス

顧客の志向変化

商品ライフサイクルを通じて低炭素排出型の商品への需要増大

影響大

循環型経済
の拡大

循環型経済への社会的要請に応じた回収サービスの拡大によるビジネス機会の増加

影響大

技術

低炭素技術
の普及

EⅤ普及による車両価格の低下により、内燃エンジン車より割安な運用コストのメリットが顕在化

影響あり

(3)リスク管理

 当社グループでは、リスクマネジメント規程に基づき、事業活動を担う各本部等の責任者(リスクマネジメントオフィサー)が業務における影響度が特に大きな気候関連リスクおよび機会を、年に1回以上の頻度で短期~長期の時間軸の中で洗い出し、それぞれに対応計画を策定するとともに、定期的にモニタリングを行っており、洗い出された気候関連リスクおよび機会とその対応計画は、リスクマネジメント事務局を通じて、リスク・コンプライアンス委員会に提出されます。

 これらリスク・コンプライアンス委員会への上程に先立ち、リスクマネジメント事務局では、「リスクマネジメント規程」に基づいて抽出された「全社レベルのリスクおよび機会」と、EMS事務局が現在~長期の時間軸を考慮して洗い出した「気候関連リスクおよび機会」との整合性を確認し統合しています。リスク・コンプライアンス委員会では、年に1回以上の頻度で、各部門の対応計画の実行状況・進捗の確認、見直しを行っています。

(4)指標と目標

 当社グループでは、気候変動が事業戦略にもたらすリスクおよび機会の影響を評価する指標として、CO2排出量を定めています。

2023年5月期におけるCO2排出量は、以下のとおりです。

(単位:t-CO2)

2019年5月

2020年5月

2021年5月

2022年5月

2023年5月

連結

Scope1

3,557

3,631

3,215

3,160

2,739

 

Scope2

16,288

14,614

13,115

12,108

9,012

 

合計

19,846

18,245

16,331

15,269

11,751

単体

Scope3

1,337,935

1,482,614

1,417,775

1,496,741

1,478,823

 なお、上記の数値の内、2022年5月期までについては、JQA(一般財団法人日本品質保証機構)による第三者検証を受けています。2023年5月期については会社算定値であり、今後第三者検証を実施予定です。

 当社グループでは、2030年CO2ゼロチャレンジとして、2030年までに当社グループが使用する電力の100%を再生可能エネルギー由来の電力に切り替えるとともに、当社グループで保有またはリースしているお客様向け配送用車両の100%を電気自動車に置き換えることを目標としており、2030年までにScope1+Scope2をゼロとすることを目指しています。また、同じく2030年までに当社単体でScope3を12%削減する目標を立てており、これらの削減目標が、SBT(注3)の「2℃未満目標」として認定されています。

 このように当社グループは、気候変動に伴うリスクと機会を総合的に管理しながら、当社の事業戦略と統合することで、事業活動を通じて脱炭素社会への移行を推進してまいります。

(注)1 事業運営を100%再生可能エネルギーで調達することを目標に掲げる企業が参加する国際ビジネスイニシアチブです。

2 事業運営に関係する車輌をすべて電気自動車に転換することを目標に掲げる企業が参加する国際ビジネスイニシアチブです。

3 Science Based Targetsの頭文字をとった略称で、産業革命前からの気温上昇を2℃未満に抑えるために、科学的根拠に基づいた温室効果ガス排出削減目標の設定を企業に働きかけている国際的イニシアティブです。

3.人的資本・多様性に関する取組み

 採用・育成・評価処遇など人事全般に関わる基本的な考え方・指針として、「人事ポリシー」を制定し、これに基づき各方針を策定、各種施策を実施しております。

 当社の「人事ポリシー」および「多様性確保の考え方」は、それぞれ以下のとおりです。

○「人事ポリシー」

 「ASKUL WAY」への共感に基づき、主体的に学び挑戦し、多様な個性と共創し、新たな価値を生み出すことに期待します。その成果と行動に対し公平に報います。

〇「多様性確保の考え方」

 私たちは、多様性を尊重し、個性を活かした共創こそが新たな価値を生み出す源泉になると考えます。その第一歩として、まずは女性管理職比率30%を達成すると共に、採用、配置、教育、評価・処遇、働き方などにおいて、年齢、性別、学歴、国籍、宗教、人種、民族、思想信条、障がい、性的指向・性自認等によって差別することなく、機会を均等に提供することで、多様性を確保します。

(1)ガバナンス

 人的資本および多様性に関するリスク・課題・対応状況については、取締役会による監督に基づき、サステナビリティ委員会、労働安全衛生委員会および経営会議等を通じて、審議・決議を実施しております。

 労働安全衛生委員会においては、当社および当社グループの労働安全と労働環境の向上を通じて、従業員およびスタッフ等の安全確保および心身の健康・向上、ならびに、生産性と士気の向上を図ることを目的として、労働安全衛生に関する状況の把握と対策に取り組んでいます。

 このほか、人的資本・多様性を含むサステナビリティ全般に関するガバナンスについては、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 1.サステナビリティ全般 (1)ガバナンス」に記載のとおりです。

(2)戦略

 当社における「多様性の確保に向けた人材育成方針」および「社内環境整備方針」は以下のとおりです。

○「多様性の確保に向けた人材育成方針」

 社員一人ひとりがありたい姿を描き、主体的に学び、多様性を生かして共創し、どんな時代になっても「うれしい」を創ることのできる人材を育成していきます。

○「社内環境整備方針」

 私たちは、社員一人ひとりが心身ともに健康で、高いモチベーションを維持し、最大限の能力を発揮できるよう、複数の社員サーベイをもとに、状況を科学的かつ多角的に把握し、企業風土を活性化するとともに、社内環境を整備し続けます。

 また、中期経営計画の達成に向けた重点的な人材育成方針として以下の方針を定めています。

○「人材育成重点方針」

(1)変化の激しいビジネス社会に対応するため、テクノロジーを駆使し、変革を最速で実行するための経営基盤となるDX人材の育成に注力します。

(2)ESG指標を役職者の評価指標に組み込み、当社の目指す「エシカルeコマース」実現のために寄与できる人材を育成していきます。 

(3)多面的な評価、大胆な人事配置、変革人材の育成を目指す研修を組み込んだサクセッション・プランを立ち上げ、経営幹部人材を育成します。

(3)リスク管理

 人的資本・多様性に関する主なリスクは、サステナビリティ全般に含めて管理しております。詳細は、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 1.サステナビリティ全般 (3)リスク管理」をご参照ください。

(4)指標と目標

項目

指標

目標

目標年

実績

人材育成

DX研修受講者比率 (注)3

30

2025年5月期

18.6%

多様性確保

女性管理職比率

30

2025年5月期

23.0%

社内環境整備

ウェルネスパフォーマンススコア(注)4

83%

2024年5月期

80.9%

社員エンゲージメントスコア (注)5

70点

2025年5月期

65.6点

(注)1 当事業年度または当事業年度末時点の実績を集計対象としております。

2 いずれも、アスクル株式会社のみが対象となっております。

3 当事業年度末時点の社員数のうち、当社指定のDX研修を受講・修了した者の人数(退職者を除く)の割合(%)

4 健康な状態で発揮できるパフォーマンスを100%とした場合の平均パフォーマンス(%)

5 エンゲージメント(社員と会社の双方向の関係性・つながり)の状況を100点満点で数値化したもの。業務遂行、人事評価、人材育成、人材配置、仕事環境、企業文化等に対する社員定期アンケートの回答から、期待値と実感値を元に算出。

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