アグロ カネショウ 【東証スタンダード:4955】「化学」 へ投稿
企業概要
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、創業以来一貫して創業者の精神である「我が信条」に謳われている経営理念、すなわち
第1; 我々の責任は、我々の商品とサービスを利用する全てのお客様に対するものである。
第2; 我々の責任は、我々の事業に参画している全ての社員に対するものである。
第3; 我々の責任は、我々が事業を営む地域社会、ひいては社会全体に対するものである。
第4; 我々の責任は、株主に対するものである。
を経営の基本方針としております。
「我が信条」のもと成長戦略を着実に遂行し、得られた利益を継続的な研究開発投資に充てるための内部留保、社員及び株主に三分割する考え方も経営方針としております。
(2) 当社グループの現状の認識について
農業を取り巻く環境は、世界の人口増加に伴う食料需要の拡大から、農業生産は今後も拡大するものと考えられ、世界の農薬市場は、農業生産の拡大から成長基調が継続しております。国内農業では、農業生産者の減少及び高齢化が進んでいる一方で、大規模生産者や農業法人の増加など農業生産構造の変化が現れてきております。このような中、国内農薬業界におきましては、改正農薬取締法(2018年12月施行)により一層の農薬の安全性向上が要求されており、国内の既登録農薬についても最近の科学的知見に基づいた安全性等の再評価が必要となっております。また、世界農薬市場におきましては、国内に先行し農薬登録制度の見直しが行われており、農薬使用時や残留農薬の安全性評価に留まらず生態系に対する環境影響評価が強化され、多くの既存薬剤の登録の失効・淘汰が進んでいます。一方で、ロシア・ウクライナ情勢の長期化等、国際情勢の悪化により資源価格の高騰が続くなど、依然として先行き不透明な状況が続いています。
なお、当社グループは、2011年3月11日の東京電力福島第一原子力発電所の事故により、国内における主な生産拠点である福島工場が操業停止となり、これにより発生した営業損害について、東京電力ホールディングス株式会社に対して損害賠償訴訟を提起しており、現在も係属中です。
(3) 当面の対処すべき課題
① 研究開発
国内で導入された農薬再評価制度や諸外国における規制等の事業環境の変化を捉え、新規剤においては特徴ある製品の早期投入を、既存製品では、農薬登録の確実な維持とともに、継続的な品質改良・改善を通じた競争力の強化を課題としております。
また、従来の化学農薬のみならず、欧州の「Farm to fork」や日本の「みどりの食料システム戦略」のビジョンに合致したバイオスティミュラントや生物農薬等の研究開発にも注力して参ります。
② 生産
東京電力福島第一原子力発電所の事故により操業停止となった福島工場に代わり、西の物流拠点としての機能を備えた山口工場を2018年11月に建設し、2021年2月にはISO9001の認証を取得しました。茨城工場・直江津工場と併せた自社生産体制の向上による製品の安定供給とコスト削減に取り組むとともに、品質の更なる向上と、山口工場を加えた新たな物流体制の強化を課題としております。
③ 営業・技術普及
製品の安全・適正な使用のために一層充実した技術普及活動を展開するとともに農業生産者への新しい付加価値サービスとしての土壌診断サービス、グローバルGAP認証取得支援サービス、カネショウファーム活動、カネショウ式総合農業支援サービスとしてのカネショウゼミナールの拡大と品質向上に努めます。
④ 海外事業
海外農薬市場においては、当社の独自商品を中心に各国で登録を取得し、積極的に海外展開を図っています。今後も新たな国や地域での登録取得を進める一方で、北中南米、欧州、アジア等主要地域で積極的な拡販を行うことを当面の課題としております。
(4) 中長期的な会社の経営戦略
当社グループは、100年企業を目指すため、2016年に「Lead The Way 2025」をスローガンとする長期事業計画とともに2016年からの3か年計画を策定し、その後、2019年からの3か年計画を策定し、成長のための経営基盤づくりに取り組んでまいりました。2022年からは、2025年を最終年度とする新たな中期事業計画(2022年-2025年)を策定し、創業以来の経営理念を堅持しつつ、持続的成長と企業価値向上を目指します。
(イ) 中期事業計画策定の趣旨
前中期事業計画では、収益計画は未達ではありましたが、これまでの中期事業計画で達成した成果を活かしつつ、現中期計画(2022年-2025年)の新たな施策を着実に実行してまいります。
(ロ) 中期事業計画の骨子
① 経営理念
創業以来の経営理念である「我が信条」のもと、お客様、社員、社会、株主などステークホルダーのために、「どこまでも農家とともに」をモットーに、今後も事業拡大に取り組みます。
② サステナビリティ経営
「持続可能な農業の推進」、「プロダクト・スチュワードシップ活動の推進」、「人材育成、ダイバーシティの推進」の3つを重要課題として取り組みます。
③ 総合的サービス提供型企業
土壌分析・診断サービス、グローバルGAP認証取得支援サービス、カネショウファーム等農家支援サービスを質・量的に拡充するとともに、それらの有機的な結合により関連する農業生産者の組織化と効率的な新たな情報提供サービスに取り組みます。また、農薬安全使用推進活動を強化し、社内プロダクト・スチュワードシップの確立を目指します。
④ 研究開発の充実と新たな取り組み
安全・安心な新規探索化合物の創出、新製剤・新混合剤の開発に加え、生物農薬等の研究開発や海外市場の開拓にも積極的に取り組み、ポートフォリオの拡充と販売の技術支援を行います。
⑤ 安全安心と生産性向上
生産効率の向上と人員確保により、自社生産比率を高め、利益率向上を目指します。また、安全対策・品質管理・計画生産実行の徹底した運用を行います。
(ハ) 主要経営数値目標
(単位:百万円)
| 2022年12月期 | 2023年12月期 | 2024年12月期 | 2025年12月期 | 2026年12月期 |
売 上 高 | 16,640 | 15,655 | 16,003 | 17,524 | 18,373 |
営業利益 | 1,650 | 1,378 | 1,080 | 1,756 | 2,345 |
親会社株主に帰属する 当期純利益 | 917 | 605 | 524 | 1,031 | 1,369 |
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