企業アウトルックコンサルティング東証グロース:5596】「情報・通信業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。

 なお、当社はSactona事業の単一セグメントのため、セグメント別の記載は省略しております。

(1) 経営方針

 当社は創業以来、情報技術と知見を通して全ての企業、社会のより良い未来の実現に貢献するため、企業や社会のOutlook(見通しや展望)をより見えるようにし、それを企業活動に活かすためのサービスを開発・提供してきております。そして私たちは、次の価値観を持って日々の仕事に取り組んでおります。

Client First

 お客様のためにお客様に成功を実感いただけることが、私達の活動の原動力です。お客様にとって本当に大事なものが何かを考え、迅速、かつ誠実に取り組みます。

Global

 世界に拡げる企業が最善の策を打っていけるよう、テクノロジーとコンサルティングを融合した世界最高水準の価値を多くの企業に提供していきます。

For a Better Future

 より良い未来のために多様性を尊重し、自由闊達な企業風土で、お客様、私達自身、そして社会にとって、より良い未来を追求していきます。

 上記実現のため、当社製品「Sactona」及びコンサルティング他サービスの付加価値の継続的向上に努め、また認知を高めていく活動を通して、多くの企業に価値を提供、実感いただけるよう進めてまいります。

(2) 経営環境

 当社製品である「Sactona」は、管理会計・経営管理を高度化・効率化するためのクラウド/オンプレミス対応型経営管理システムであり、予算編成、予算管理、見込管理、事業計画、予算実績管理などの管理会計・経営管理業務に適用することができます。また、販売計画、経費予算管理、プロジェクト管理などの管理業務を高度化・効率化するソフトウエアでもあります。なお、当社製品は上述のとおり、予算管理システムのみを提供するのではなく、企業内の活動進捗管理、モニタリング業務や、情報分析にも活用できるため、本項目については、当社の属するソフトウエア業界として記載いたします。

 ソフトウエア業界全体としましては、働き方改革や人手不足の解消などの課題解決に向けコミュニケーションの促進や業務の自動化/効率化に繋がるソフトウエアの導入が進み、市場は年々拡大しております。また、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止対策としてリモートワークが広がり、非対面でのコミュニケーションや営業活動、顧客サポートを実現するソフトウエアの需要も増加しております。

 提供形態別には、初期導入費用の抑制や短期間で稼働可能な点、また、外部サービスとの柔軟な連携性に加え、リモートワークの広がりにより様々な拠点からアクセスが可能で、自社でシステム運用する必要がないSaaSの導入が進んでおり、国内におけるソフトウエア市場において、今後のSaaS比率は益々高まることが予測されております。

 また、カテゴリー別ソフトウエア品目のうち、情報分析では、ビジネス環境の変化や新たなビジネス創出のため、データに基づく経営が求められており、情報を分析、可視化するなどにより、意思決定を支援するソフトウエア需要が増加しております。

(3) 経営戦略

 前項「(2) 経営環境」に記載のとおり、当社では、企業の予算管理・予算編成・経費予算管理などの管理会計・経営管理を高度化・効率化するクラウド対応型システム「Sactona」を自社開発、そして経営管理の専門知識を有したコンサルタントが顧客業務を聴取しながら、顧客に最適な形でアプリケーションを開発、実装、その後の運用をサポートしております。「Sactona」利用に関して利用ユーザ数に応じて年間利用料とした課金、アプリケーション開発・導入コンサルティングについては、稼働工数をベースにした課金体系となっております。またシステム稼働のためのインフラストラクチャーをクラウドベースのインフラサービスとして当社で運用・保守も行っており、その年間利用料をいただいております。

 日本において経営管理分野のシステム化は途上にあり、強い需要が継続することが見込まれます。今後も、製品の継続的な機能拡充、コンサルティング機能の充実、販売活動の拡大により、できるだけ多くの企業に利用いただき、企業の納得のいく経営判断を支える経営管理の高度化を支援してまいります。そのために当社企業基盤の一層の充実が不可欠であり、その礎となる人材の採用、教育の強化を積極的に進めてまいります。

 当社の中長期の持続的成長のための経営戦略としては「新規顧客の拡大」「グローバル展開」「製品およびシステム・コンサルティングの機能強化」の3つの方向性を持って取り組んでおります。


①「新規顧客の拡大」

 自社プロダクトのライセンス/インフラサービスをベースとしたビジネスと、機能・範囲拡張を支援するコンサルティングの両輪構造による収益最大化を追求してまいります。

 そのためにも、起点となる新規顧客の拡大にフォーカスし、ベースビジネスの拡大からコンサルティングビジネスへの連動を想定しております。

 これまでの顧客獲得ルートは問い合わせによるインバウンド型が中心でありましたが、今後はより積極的に訴求していくスタンスに転換してまいります。


②「グローバル展開」

“Excelや経営管理ソフトはグローバル共通概念”である以上、この先においても当社の成長余地は大きいものであると認識しており、今後は当社製品やサービスのグローバル展開を経営戦略の一柱としております。

 そのためにも、現地システム会社との業務提携を進め、英語圏(北米、英国、オセアニア等)の日系企業をターゲットに販売網を拡大してまいります。また、「Sactona」マニュアルの英語化、海外マーケティング担当の採用、グローバルサポート拠点網の構築等を進めてまいります。

③「製品及びシステム・コンサルティングの機能強化」

「Sactona」の浸透加速に向け、さらなる付加価値拡大に注力してまいります。2024年2月のバージョンアップにより、従来のExcelユーザのみならず、グーグル・スプレッドシート・ユーザーにも「Sactona」をご利用頂けるようになりました。

 一方、「Sactona」の機能強化にはAIサポートの導入を予定しております。また、コンサルティング機能をさらに充実させることにより、機能・範囲拡張顧客の拡大、新規顧客への訴求力向上を図ってまいります。


(4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な経営指標等

 当社は、企業価値を継続的に拡大することが重要であると考え、成長投資やリスク許容が可能な株主資本水準の維持を基本といたします。その実現のため、売上高、営業利益を重要な経営指標といたします。高収益事業の開発及びビジネスモデルの確立により、これらの指標の向上を図ってまいります。

 当社の主たる収益源は、Sactona事業においては、ライセンス販売売上と「Sactona」導入コンサルティングによる売上であり、コンサルティング売上については、そのコンサルティング単価及びコンサルタント人数が増加することで収益拡大が見込まれます。また、ライセンス販売売上については、その顧客数及びユーザ数を増加させることで将来の収益拡大が見込まれます。

 当該指標の推移については、以下のとおりであります。

(単位:千円)

区分

第14期

第15期

第16期

第17期

第18期

前期比増減

増減率

売上高

993,692

954,403

984,563

1,440,025

1,667,850

227,825

15.8

営業利益

285,506

225,198

283,068

470,588

565,489

94,901

20.2

コンサルタント人員数

30

37

34

41

46

5

12.2

(注)1.第14期から第15期については、会社計算規則(平成18年法務省令第13号)の規定に基づき算出した各数値を記載しており、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査を受けておりません。

2.第16期以降については、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和38年大蔵省令第59号)に基づいて作成しており、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、太陽有限責任監査法人により監査を受けております。

Sactona事業におけるコンサルティング部門については、企業のデジタル変革の加速、システムへの投資拡大の流れが追い風になり、安定的な成長を維持しております。R&D部門においては「Sactona」の継続的な追加機能開発を行い利便性の向上を図ることで、「Sactona」の導入実績の増加に貢献してまいりました。また、ソリューション・セールス部門では、マーケティング強化による新規顧客開拓、既存顧客からのユーザ数拡大による追加受注、販売パートナー網の拡充などの施策を行い、顧客数及びユーザ数を増加させることで収益拡大に取り組んでまいります。

(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当社が長期的に持続可能な成長を達成し、経営戦略を確実に遂行していくために対処すべき課題は、以下のとおりであります。

① 優秀な人材の確保、育成

 継続的な成長の源泉となる人材は、当社にとって、最も重要な経営資源であると認識しております。当社が属する情報サービス産業、及びコンサルティング業界においては、人材の獲得競争が継続しており、このような状況の中、優秀な人材を持続的に雇用し、また定着させることが当社の発展において重要であります。人的基盤を強化するために、採用体制の強化、教育・育成、研修制度及び人事評価制度の充実、就業環境の向上など、各種施策を進めてまいります。

② 営業力の強化

 当社の経営管理業界での認知度の更なる向上のため、セミナーや動画サイトなどのWebツールを中心としたマーケティング戦略を拡充、潜在顧客とのコンタクトを強化し、案件の受注増加を目指してまいります。

③ 技術力、製品力の向上

 事業機会を確実に成長につなげるためには、技術面、サービス面において一層の差別化が要求されます。技術の最新動向を理解するとともに効果的に製品やサービスに反映することで技術的優位性の維持、強化を実現してまいります。

 主力製品である「Sactona」の特徴であるSaaS型事業モデルの強みを活かすために、技術的な領域における研究を今まで以上に進めてまいります。「Sactona」のUI(ユーザインターフェース)の改善などの重点施策を推進するために、研究開発体制の強化に努めてまいります。

④ 認知度の向上、ブランドの確立

 当社が市場での浸透度を高めていくためには、一層の認知度の向上、信頼感の醸成が必要となってまいります。顧客から「市場のリーダー」として確固たる信頼をいただけるよう、製品・サービスの継続的なレベルアップ、既存顧客の満足度の向上、パブリシティ強化を通じ当社ブランドの確立及び普及に努めてまいります。

⑤ 事業の海外展開

 マイクロソフト社の製品(Excel、サーバ)を基盤とした管理会計システムである「Sactona」は、日本国内利用のみならず、海外企業においても利活用可能な製品です。既に海外展開している顧客においては、国内外拠点で利用いただいておりますが、顧客をグローバルにサポートできる体制を構築し、海外市場を開拓していくことで大きな成長機会が期待されます。

⑥ 財務基盤の強化

 当社は、本書提出日現在において、借入金などの有利子負債もなく、事業運営上必要になった資金につきましては内部留保及び営業活動によるキャッシュ・フローで賄っておりますが、今後の製品開発、人材採用などの積極的な事業展開を見通し不確実な経済環境下でも継続していくためには、自己資本の充実が必要だと考えております。新たな感染症や自然災害などの不測の事態に備え、手許流動性を補完すべく、金融機関と当座貸越契約を締結しておりますが、今後も着実に利益を上げて財務基盤の強化を図ってまいります。

 当社では、上記のような事業上及び財務上の課題に対処するための研究開発と技術者育成に係る継続的な投資を行います。これにより、当社の経営方針及び経営戦略に基づくサービスを展開し、収益力の向上及び安定的なキャッシュ・フローを創出するとともに、その再投資を通じた事業の拡大に努めてまいります。

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