アインホールディングス 【東証プライム:9627】「小売業」 へ投稿
企業概要
当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、処方箋に基づき調剤を行う調剤薬局事業と医薬品・化粧品を中心とした商品を販売するコスメ&ドラッグストア事業を主として展開しており、いずれも人々の健康に関与していることから、社会的に重大な責務を負っております。
医薬分業の進捗に伴う積極的な出店による企業収益及び株主価値の増大を図ることに加えて、人々の生命に携わる企業として、その業務の安全性及び専門性の継続的向上に努めることが、当社に課せられた使命であると考えております。
したがって、当社は「市場環境に応じた積極的な事業拡大を重視する一方で、調剤過誤等の事業リスクの徹底的な排除に取り組み、お客様に安心して足を運んでいただける薬局を作ることにより、その社会的使命を果たす。」ことを経営の基本方針としております。
なお、以下の記載のうち将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、様々な要因により実際の結果と異なる可能性があります。
(2)目標とする経営指標
当社は、積極的な出店による企業規模の拡大を推し進めると同時に、財務体質を強化し、企業価値を高めることを重要視しており、当社グループではROA4.5%、ROE15.0%を目標としております。
なお、当連結会計年度においてはROA4.7%、ROE8.7%となっております。
(3)中長期的な会社の経営戦略
当社グループは、積極的な営業開発及びM&Aによる調剤薬局の全国展開及びコスメ&ドラッグストアの展開を事業の柱と位置づけ、事業規模の拡大並びに企業価値の向上を目指しております。
ファーマシー事業は、グループ各社がそれぞれにおいて、地域住民の「かかりつけ薬剤師・薬局」となる付加価値の高い調剤薬局の営業開発を継続するとともに、M&Aに対しても、慎重に調査検討のうえ積極的に推進する方針であります。
ジェネリック医薬品についても、グループとして引き続き使用促進を図る方針であり、同医薬品の卸である子会社株式会社ホールセールスターズの販売体制及びグループ全薬局における患者さまへの啓発活動を強化することにより、グループとして積極的にジェネリック医薬品の普及を推進いたします。
また、教育研修の充実をはじめ、ICT技術を応用した調剤技術の開発導入により、患者さまに対する安全性の確保、サービス・業務効率の向上に努めるとともに、DX推進を通じ患者さまに多様なサービスを提供することで付加価値の向上と事業基盤の強化を進めてまいります。
リテール事業は、コスメ&ドラッグストア「アインズ&トルペ」を展開し、コスメを中心とした独自性のある商品構成とすることで、他のドラッグストアとの明確な差別化を図るとともに、親和性の高い業態のM&Aを含めた更なる拡大を目指してまいります。
以上のことから、中長期的な経営戦略は、次の方針を基本としております。
①調剤薬局は、「患者のための薬局ビジョン」の実現に向け、教育研修の充実により、かかりつけ薬剤師となれる人材の育成に努めるとともに、在宅医療及び24時間対応への積極的な参画、ジェネリック医薬品の使用促進等かかりつけ薬局としての機能の充実に加え、地域住民のための健康サポート機能を備えることを目指す。
②営業開発は、M&Aを視野に入れた営業開発を含め、積極的な出店により事業規模の拡大を図る。
③ICT技術を応用した調剤技術の開発及び最新の調剤機器のグループ導入を積極的に推進し、個々の機器・システムの複合的活用により、患者さまに対する安全性、サービス向上を図る。またDX推進を通じ患者さまへ多様なサービスを提供することで付加価値の向上、事業基盤の強化を進める。
④ジェネリック医薬品の使用促進、薬剤師の採用、出店エリアに応じた営業開発体制等、グループ会社間における共通業務の相互補完体制を充実するとともに、組織再編成、人事交流等による合理化を推進し、グループとしての機動性及び業務効率の向上により、グループ収益力を強化する。
⑤リテール事業は、コスメ&ドラッグストア「アインズ&トルペ」を集客が確実に見込める好立地へ出店するとともに、店舗特性に応じたMDを強化し、同業他社との差別化を図る。
⑥「アインズ&トルペ公式アプリ」による顧客拡大、WEB媒体、SNS、紙面広告等を複合的に活用した効果的な販売促進活動により、店舗収益力を向上させる。
⑦優秀な人材の確保及び女性の活躍推進等のため、働きやすい職場環境の整備に取り組む。
⑧企業の持続的な成長と、社会・環境・経済価値を創出し、サステナビリティ経営の実現に取り組む。
(4)経営環境及び優先的に対処すべき課題
・各事業について
ファーマシー事業においては、2021年8月より特定の機能を有する薬局として都道府県知事が認定する認定薬局制度、2022年4月より導入されたリフィル処方箋やオンライン服薬指導の要件の緩和、2023年1月より開始された電子処方箋への対応等、調剤薬局を取り巻く環境は変化しております。これらにより、患者ニーズが多様化していく中で、より質の高い患者サービスの提供や「かかりつけ薬剤師・薬局」としての地域医療貢献が求められており、調剤薬局の役割と責任は更に大きいものとなっています。
当社グループは、薬剤師の専門性を一層強化し、在宅医療へ積極的に参画するとともに、アイン薬局公式アプリ「いつでもアイン薬局」を通じ、患者様が住み慣れた地域で安心して薬物治療を継続していただける環境を提供してまいります。また、新規出店・M&A等による事業規模の拡大を推し進め、スケールメリットを最大限に活用した事業戦略を継続いたします。
リテール事業においては、新型コロナウイルス感染症拡大を経て、顧客の行動エリア、購買動向が変化いたしました。引き続き、集客が確実に見込める好立地への新規出店と顧客ニーズに合った商品の強化等による「アインズ&トルペ」のブランド力向上のための投資を推進するとともに、コスト適正化を進めてまいります。
なお、今般の新型コロナウイルス感染症の拡大に際しては、感染の拡大防止策の徹底を最優先事項としたうえで、当社グループが果たすべき調剤業務の継続等の社会的責任をまっとうすべく、事業継続計画書(BCP:Business Continuity Plan)に沿って対応を行っており、今後も緊急事態が発生した際には、BCPに基づいた迅速かつ適切な対応を行ってまいります。
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