企業アイリックコーポレーション東証グロース:7325】「保険業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

[方針]

 当社グループは、事業活動において発生する可能性がある各種リスクを的確に評価し、適切に対処するために、「リスク管理会議」を設置しております。同会議は、代表取締役社長を委員長とし、取締役、執行役員、監査役、内部監査室長で構成されており、様々なリスクについて情報共有を行い、対応策を検討しております。定期開催は年2回となっており、必要に応じて適時開催しております。

 なお、当社グループのコーポレート・ガバナンス体制の全体における「リスク管理会議」につきましては、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要 ②企業統治の体制の概要」及び「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要 ④企業統治に関するその他の事項 ロ リスク管理体制の整備の状況」に記載の通りです。

[個別のリスク]

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している特に重要なリスク及び重要なリスクは、以下の通りです。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

(特に重要なリスク)

(1)保険会社との関係について

 当連結会計年度における保険販売事業の売上高は連結売上高全体の60.8%を占めております。今後、取引保険会社による審査基準の強化等に伴って保険契約の成約率が低下する可能性、または取引保険会社の営業政策の変更や財政状態の悪化等の理由により代理店手数料率が見直される可能性も否定できません。万一、取引保険会社の財政状態が悪化し、または破綻したとき等には、当該保険会社に係る当社グループの保有保険契約が失効・解約されること等により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 当社グループはシステムを利用した商品比較及び顧客の意向に基づいた絞り込み等によるコンサルティング営業を展開しておりますが、顧客ニーズの変化や商品力の優劣変動により、特定の保険会社への依存度が上昇し、その結果、特定の保険会社の営業政策等の影響を受ける可能性があります。

(2)保険契約継続による保険手数料収入について

 保険業界における不祥事等の発生や保険契約者による行動・思考の変化、景気動向の変動等により、保険契約の失効や解約が増加し、継続率が悪化した場合、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

 当社グループにおける個人契約者の保有保険契約の継続率は、概ね95%から97%で推移しており、同業他社と比べて比較的高い水準となっております。この要因としては、保険分析・検索システム『保険IQシステム®』を活用したコンサルティングを行う事によりお客様の高い満足度が実現できている事があると思われるため、今後もお客様本位の業務運営を継続して行きたいと考えております。

(3)保険会社による保険手数料率変更のリスクについて

 保険販売事業の主たる収入は保険手数料収入です。当社は、保険契約の媒介及び代理行為に伴い、各保険会社との契約及び手数料規程に基づき保険手数料を受領しております。保険手数料には、保険商品の種類(生命保険・損害保険、契約期間(1年・複数年)、保険料支払方法(年払い・月払い)、その他)、保険会社毎の契約及び規程により様々な受領形態があり、一括又は分割ならびにその受領割合等が異なるものが存在しております。

 当社は、保険契約成立後の初年度に受領する初年度手数料と、その後の契約継続期間中に受け取る次年度以降手数料を保険会社から受領しており、保険料に対する保険手数料の比率は初年度手数料の方が高い形態を選択しております。なお、手数料については、お客様本位の業務運営の趣旨に則り、品質を評価基準として支払われる手数料体系が導入されております。保険会社が手数料規程に関する施策を変更し、当社が受領する保険手数料率が変動した場合、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

(4)システムセキュリティについて

 当社グループの運営している『保険IQシステム®』、『ASシステム』及び『AS-BOX』は、サーバーに顧客情報をはじめとする様々な情報が蓄積されるため、これらの情報の保護が極めて重要になります。そのため、当社グループではこれらの情報の消失や外部への漏洩がないよう、ファイアウォールシステムによる不正アクセスの防止を行っています。また、定期的にデータバックアップを実施しデータの喪失を防いでおります。しかし、自然災害や事故、当社グループ役員または従業員の過誤、不正アクセスやコンピュータウィルス等の要因によって、データの漏洩、データの破壊や誤作動が起こる可能性があります。このような場合には、当社グループの信頼性を失うばかりでなく、顧客等からの損害賠償請求、訴訟により責任追及され、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

(5)システムダウンについて

 当社グループの事業はコンピュータシステムを結ぶインターネットに依存しており、自然災害や事故等により、インターネットが切断された場合には、当社グループの運営しているシステムのサービス提供は不可能になります。また、一時的な過負荷によって当社グループの通信機器が作動不能に陥る場合や、外部からの不正な侵入犯罪や当社グループ役員または従業員の誤操作によってネットワーク障害やシステムダウンが発生する可能性があります。また、定期的にバックアップを実施しており、システム障害によるデータの喪失を極力少なくする運用が行われておりますが、これらの障害が生じた場合には当社グループに対する訴訟や損害賠償請求等により、当社グループの事業の信頼性、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

(6)個人情報保護について

 個人情報保護法は、当社グループの運営する『保険クリニック®』やシステム開発・販売にも影響があると考えられ、それに対する取り組みを誤れば、企業の存続に影響する可能性があります。

 当社グループでは、従来からこの問題を特に重視し、以下の通りの取り組みを行っております。

・個人情報保護について

 当社グループは、お客様に信頼いただけるよう、全てのお客様の大切な個人情報及び顧客情報の保護を、重要な社会的責務であると認識しております。

 当社グループは、個人情報の保護に関する法律その他の規範を遵守するため、「個人情報保護マネジメントシステム運用規程」を始めとする様々な諸規程を作成して、役職員に遵守させております。また、FC店についても、保険募集人指導事業者として、内部監査により個人情報保護の取り組みの適正性を確認しております。

・個人情報の収集について

 当社グループは、お客様ご本人の同意なくお客様の個人情報及び顧客情報を第三者に提供することはありません。また、個人情報については保護方針を明示し、その範囲に関して事前にお客様や取引先の承諾をとっております。

・個人情報に係るセキュリティについて

 当社グループでは個人情報に対する不正なアクセスを防止するために、ファイアウォールシステムを導入するとともに、情報を伝達する際にはIPSecやSSL等の暗号化された通信経路を利用する等、セキュリティの向上に努めております。また当社グループが提供するサービスやトラブルに対しては、必要に応じて当社グループの責任者が対応する体制をとっております。なお、当社は認証資格であるプライバシーマーク(Pマーク)及び情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)を取得し、認証継続に注力しております。

 当社グループは、上記の通り個人情報の取り扱いには細心の注意を払っておりますが、個人情報の漏出を完全に防止できるという保証は存在しません。今後、個人情報の一部が当社グループもしくは外部委託会社から漏洩する等、何らかの理由によって、個人情報が社外に漏出した場合には、当該取引先からの損害賠償請求もしくはブランドイメージの毀損等により、当社グループの事業及び経営成績が影響を受ける可能性があります。

・個人情報の漏洩について

2024年8月2日、当社のお客様がご契約されている生命保険・損害保険・少額短期保険に関する情報(一部個人情報を含みます。)が、第一生命保険株式会社から当社への出向者によりネオファースト生命保険株式会社(以下、「ネオファースト生命」という。)に情報漏洩していたことが判明いたしました。ネオファースト生命より、外部への漏洩がないこと及び2次被害のおそれはないなどの報告を受けております。また、本件に関しまして、監督官庁及び保険会社へはすでに報告を終了しており、アクセス権限の厳格化や出向社員への誓約書の徴求など、再発防止策もすでに講じております。

(7)法的規制・自主規制について

 当社グループは、損害保険代理店及び生命保険代理店として、「保険業法」に基づく登録を行っており、同法及びその関係法令並びにそれに基づく関係当局の監督等による規制、更には一般社団法人日本損害保険協会及び一般社団法人生命保険協会による自主規制を受けた保険会社の指導等を受けて、サービス活動及び保険募集を行っております。保険業法に基づく損害保険代理店及び生命保険代理店としての登録の有効期限は特に定められておりませんが、同法第300条に定められた虚偽説明及び不告知教唆ならびに告知妨害等の保険募集に関する禁止行為に違反した場合等、内閣総理大臣は代理店登録の取り消し、業務の全部または一部の停止、業務改善命令の発令等の行政処分を行うことができると定められています。仮に当社が上記行政処分を受けた場合には保険販売事業における営業活動が困難となり、ブランド毀損・信頼性低下によりソリューション事業における営業活動にも支障が出て来る恐れもあり、当社の事業及び経営成績等に影響を与える可能性があります。なお、当社グループでは、本書提出日現在において当該登録の取消事由に該当する事象及び行政処分の対象となる事象はないものと認識しております。

 その他、保険募集に際しては、「金融サービスの提供に関する法律」(金融サービス提供法)、「消費者契約法」、「不当景品類及び不当表示防止法」(景表法)、「金融機関等による顧客等の本人確認等及び預金口座等の不正な利用の防止に関する法律」(本人確認法)、「個人情報の保護に関する法律」(個人情報保護法)等の関係法令を遵守する必要があります。しかしながら、万が一保険契約者、関係当局その他の第三者から、当社グループのサービス活動及び保険募集の方法等が、「保険業法」、「金融サービス提供法」、「消費者契約法」またはその他の関係法令等に抵触すると判断された場合には、保険申込者もしくは保険契約者による保険契約の申し込みの撤回、保険契約の取消しもしくは解約等による保険契約数の減少や保険申込者、保険契約者その他の第三者からの損害賠償請求等により、当社グループの事業及び経営成績が影響を受ける可能性があります。

 また今後、保険業法等の関係法令、関係当局の解釈、自主規制等の制定、改廃等があった場合には、一方ではサービス活動及び保険募集の際に遵守すべきルール、保険申込者または保険契約者の権利等が明確化され、サービス活動及び保険募集のための環境が整備される側面がありますが、他方で当社グループのサービス活動及び保険募集の方法等が制限を受ける可能性があります。かかる場合には、当社グループはその都度それに適合する形でのサービス活動及び保険募集を行っていく所存でありますが、従来のサービス活動及び保険募集の方法等に制限が課され、または保険料率が変更されること等により、新規保険契約数の減少、利益率の減少等を招来し、当社グループの事業及び経営成績に影響を与える可能性があります。

(8)税務当局による保険商品の税務取り扱いの見直しについて

2019年6月28日、国税庁より法人税基本通達が改正され、定期保険及び第三分野保険の保険料に対する税務上の取り扱いが変更となりました。同改正により、保険料の損金算入額が引き下げられることになり、それに伴って一部商品の内容が見直され、順次販売が再開しております。

 今後も、今回のような税務取り扱いの見直しが発生する可能性があり、そのような事態が発生した場合には、顧客ニーズの変化や商品力の優劣変動等により、当社グループの事業及び経営成績に影響を与える可能性があります。そのため当社グループでは、法人売上の連結売上高全体に占める割合を抑えることで、収益への影響度を最小限にしております。

(9)知的財産権について

 当社グループが使用する名称・発明等については、商標権や特許権を取得する事を基本方針とし、これらの使用権の確保及び第三者の利用侵害の回避に努めております。しかしながら、今後、知的財産権の侵害を理由とする訴訟やクレームが提起されないという保証はなく、そのような事態が発生した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

(重要なリスク)

(1)競合及び保険業界の市場規模について

 当社グループは、生命保険の分析サービスを開始するために、『保険IQシステム®』の開発を行い、来店型ショップによる保険事業を行っておりますが、有力な競合会社が存在しております。

 特に、来店型保険販売サービスにおいては、他業種からの新規参入が増加しており、依然として競争が激化しております。当社グループは、保険販売代理店設立当初から来店型に特化した営業を行ってきた結果、この分野における経験やノウハウを蓄積してまいりました。この強みをもって今後も来店型保険販売サービスを拡大していく方針でありますが、当社グループが魅力的なサービスを提供できずに顧客が減少した場合やFC店が減少もしくは想定通りに増加しない場合には、当社グループの事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 また、少子高齢化や人口減少問題等の影響により、保険業界全体の市場規模が伸び悩んでおります。ただし、最近の顧客の傾向としては、死亡リスク型から生存リスク型(具体的には、医療保険や年金保険等)へと選好がシフトし、当社グループとしてはその動きを確実に捉えるべく、システムを利用した商品比較及び顧客の意向に基づいた絞り込み等によるコンサルティング営業を展開しておりますが、業界全体の伸び悩み傾向が継続する場合、当社グループの事業戦略及び経営成績に影響を与える可能性があります。

(2)広告宣伝活動について

 当社グループは、『保険クリニック®』事業を拡大するためや『保険クリニック®』のブランド認知を浸透させる目的で、WEB広告、テレビCM、SNSの活用や、ハンディング・イベントの実施を行っており、多くの経験を蓄積しております。

 しかし、今後媒体費の逓増等により費用対効果が悪化し、またテレビCM及びSNS・ハンディング・イベントの効果が期待を下回った場合、当初想定した顧客数を確保できなくなる可能性は否定できません。このような場合、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

(3)FC店及び当社システム提供先について

 当連結会計年度におけるソリューション事業の売上高は、連結売上高全体の27.3%を占めております。今後、FC店もしくは当社システム提供先に発生した想定外の事態等によって『保険クリニック®』や当社システム等のブランドが毀損し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

(4)直営店及びFC店の新規出店について

 直営店につきましては、現在、関東を中心に展開しておりますが、今後は関東のみならず、それ以外の地域についても更なる出店を前向きに検討していきたいと考えております。ただし、出店に相応しい候補地の確保や適切な人材の確保・育成次第では、店舗展開が想定通りに進まず、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

 また、FC店につきましては、全国的な店舗網の更なる拡大を目指しておりますが、新たな登録候補代理店の減少や運営代理店の脱退等により、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

(5)経営成績の季節的な変動について

 保険手数料収入については、保険契約者が法人の場合、決算月に保険を検討するケースが多いため、3月頃に集中しやすく、個人の場合は2月から3月に集中するという季節性が見られます。また、ソリューション事業FC部門におけるロイヤリティ収入についても、各FC店の売上高が当社と同じ季節性を有するため、総じて当社グループの売上高は、上期より下期の方が高くなる傾向があります。したがって、当該時期において当社グループの経営成績が不調となる場合には、当社グループの通期の経営成績に影響を与える可能性があります。

(6)事業体制について

 当社グループは、役員及び従業員(臨時雇用者を除く)を合わせて554名(うち提出会社の役員8名)で事業展開しており、内部管理体制も規模に応じた形で運用しておりますが、今後の業容の拡大にも対応できるよう、組織改革並びに社内規則の見直しを進め、内部管理体制の充実に努めており、組織的な経営基盤の強化、従業員の育成、管理の強化等、一層の充実を図っていく必要があると認識しております。しかしながら当社グループの事業拡大に伴い適切な人材の確保が計画通りに進行しない場合には、事業規模に適した組織体制の構築に遅れが生じ、当社グループの事業の効率性及び業務運営に影響を与える可能性があります。

(7)投資会社等による出資について

 本書提出日現在、当社の株主構成において、投資を事業目的とする会社であるNihon IFA Partners Ltdの持株比率は29.5%となっております。これらの株式が売却されることは、流動性の向上に繋がるものではありますが、一度に大量の株式売却が行われた場合には、当社株式の市場価格に影響を与える可能性があります。

 なお、Nihon IFA Partners Ltdは当社の事業に対し非常に理解があり、当社との関係は良好となっております。

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