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企業概要

 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営方針

 当社グループは、経営理念として「お客様に心から喜んでいただける企業になる」「プロとしての倫理観と実行力を備えたプロフェッショナル集団になる」「お客様に可愛がられること、優れた人材を創出することを通じて社会に貢献できる企業になる」という3つを掲げ、また当社ミッションとして「IT障害をゼロにする」、当社ビジョンとして「IT活用で永続的に成長し、事業・社会へ貢献する」と定め、これらを実現することを経営方針としております。

(2)経営環境

 当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルスに係る行動制限の解除を受けて社会活動が回復傾向の兆しが見え始めました。一方ロシアによるウクライナ侵攻の長期化や円安、中国の不良債権問題の悪化による不動産市場の低迷等により、景気の先行きは依然として不透明な厳しい状況になりました。

 企業においては、これまでの少子高齢化に伴う労働人口の減少や働き手ニーズの多様化に加え、働く場所にとらわれない新しい働き方の定着、AIの急速な進展等に伴い、業務プロセスの効率化や自動化等の推進によるデジタルトランスフォーメーション(DX)や、さらには地球にやさしい環境を追究するグリーントランスフォーメーション(GX)がますます重要になってきています。

 自動車や鉄道等の交通産業、金融機関、電力・ガス等のインフラ産業、自治体をはじめとする公共機関など、すべての事業体でITを活用したトランスフォーメーションの重要性がさらに高まるとともに、セキュリティ対策が併せて最重要テーマとなっております。

(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当社グループは、今後も「System Answer シリーズ」のライセンス販売による事業拡大を図るとともに、ITシステムのライフサイクルに応じたきめ細やかなコンサルティングやソリューションサービスの提供、さらにマーケットの変化に対応したサービスを積極的に展開することで、事業領域の拡大を図ってまいります。また、経営の安定化に向けたストックビジネスの拡大により、さらなる企業価値の向上に取り組んでまいります。

 当社グループでは、持続的成長により中長期的な企業価値の最大化を図るうえで、以下の項目を対処すべき重要な経営課題として考えております。

① お客様に寄り添ったITシステム運用課題の把握と的確な運用ソリューションの提供

  ITシステムの規模及び適用業務範囲が拡大し、構成が複雑化する中で、その信頼性・可用性・保守性・完全

 性・機密性を十分に維持・向上させることがお客様のITシステム運用における課題となっております。このよ

 うなお客様のITシステム運用における課題を、お客様に寄り添うことにより適切に把握し、その課題に対する

 的確な運用ソリューションサービスの提供を行うべく、運用に関するコンサルティング能力を継続的に強化・

 向上させてまいります。

② 「System Answer シリーズ」のブランディング強化、認知度向上、提供形態拡充、新機能実装及び次世代開発

 当社が独自に開発し、製造・販売する「System Answer シリーズ」のブランディングを強化し、また認知度

 を向上させるため、今後も積極的に展示会への出展やセミナーの開催を行うとともに、当社のWEBサイトを充

 実してまいります。

 また、「System Answer G3」の販売促進をクラウドサービスでの提供も併せて積極的に展開するとともに次世

 代製品開発を検討してまいります。

  System Answer G3の予防保守、安定稼働の促進、カスタマーサクセスという三つの強みを更に強化し、最新の

 技術と組み合わせることで、よりお客様のニーズにマッチした製品の提供と持続的な収益の向上をめざしてまい

 ります。

   ③ 次世代MSP*サービス「SAMS」とAIを融合した次世代型新サービスの開発

     24時間365日の有人監視体制でお客様システムの安定稼働や障害対応、分析等をサポートする次世代MSPサー

 ビス「SAMS」は2017年8月のリリース以来、多くの企業に導入され、翌年には統合ログ管理ツールをクラウド

 サービスとして提供する「LOG on SAMS」の開始などサービスの充実を図る中、日々膨大なデータが蓄積される

 ようになってきました。今後は「IT障害ゼロ」を目指す運用サービス実現のため、当社ならではの性能分析ノウ

 ハウや積上げてきた運用データを活用しながら、AIを融合した次世代新サービスの開発を推進してまいります。

    (*) Management Service Provider(マネジメント・サービス・プロバイダー)の略。企業の情報システムの

 運用管理を代行する事業者。

   ④ インテグレーション事業の本格展開

 働き方改革によるワークスタイルの変化やクラウドシフト/リフトなどによる企業 IT インフラの変化への対

 応を支援するために、2022年5月31日よりITインフラを中心に NI(Network Integration)/ CI(Cloud

    Integration)サービス「IBC-Integration」を本格的に提供開始しております。「IBC-Integration」は、当社

 が20年間に亘り蓄積したインフラ環境の分析・解析ノウハウをもとに、小規模から大規模まで、高信頼・高可用

 なネットワークおよびクラウドを設計・構築するサービスです。お客様のお悩みに寄り添い、現状の課題分析に

 基づくシステムの構築から “攻めのIT” 提案まで、幅広くご支援します。パートナー企業との連携により、ネ

 ットワーク構築に特化した専門部隊を編成し、さまざまな規模の案件に対応できる体制を整備しており、本事業

 をトリガーに「System Answerシリーズ」事業のライセンス販売や次世代MSPサービス「SAMS」等の他事業への展

 開による規模拡大を目指してまいります。

   ⑤ デジタルマーケティングの導入

 働き方改革によるワークスタイルの変化に加え、新型コロナウイルス感染症まん延による行動変化を受けたリ

 モートワークへの対応等を背景に、お客様の業務のあり方も大きく変化しております。当社はお客様の業務・ニ

    ーズの変化に応じ、マーケティングオートメーションツールの導入等、DXによる効果的かつ効率的なマーケティ

 ングを導入しております。これらにより、お客様の課題をより的確に把握し、適切なソリューションの提供を目

 指してまいります。

 また、障がいを持つ方の自立支援団体「NPO法人AlonAlon」運営のオーキッドガーデンへ訪問取材を行い、支

 援の輪がひろがるよう当社ホームページやSNS等で発信するなど社会貢献に向けた活動も実施しています。

   ⑥ 人材の確保と育成強化

 事業の拡大及び中長期的な成長のためには、より高い専門性を有する人材の確保とともに、既存社員の能力及

 びスキルの底上げが重要な課題となります。この課題に対処するために、有能な人材を採用するとともに、ネッ

 トワークやクラウドの資格取得に向けた育成を積極的に推進してまいります。

 また、働き方が変化していく中、仕事と子育てを両立し、すべての社員がその能力を十分に発揮できるよう環

 境の整備を推進してまいります。

(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループは、継続的な収益向上の為、売上高・売上総利益・営業利益の成長とともに、ROE(*)を経営指標として重視しております。

 また、製品やサービス、ビジネスモデルの変革を全社で進めていくうえで経済産業省が推進するDX推進指標を活用してまいります。

 (*)ROE(Return on Equity) 株主資本当期純利益率

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