アイネス 【東証プライム:9742】「情報・通信業」 へ投稿
企業概要
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の防止及び発生した場合の適切な対処に努めておりますが、予測されない事態が発生した場合には、業績に影響を与える可能性があります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 事業環境リスク
当社グループの属する情報サービス産業においては、顧客の情報化投資動向や情報技術動向の急激な変化、新規参入企業の増加等により事業環境が大きく変化する可能性があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。この事業環境の変化に対応するため、当社グループでは、顧客・業界における情報化投資の実行時期や実行規模を見極め、適宜事業ポートフォリオを見直し、適切な資源配分を行っております。また、常に技術革新動向を注視し質の高い技術者の育成に取り組んでおります。
(2) システム開発リスク
ソフトウェアの受託開発及びパッケージ製品などにおいて、品質不良や納期遅延等が発生し、コスト増加により不採算案件が生じるリスクやソフトウェアの不具合により顧客の業務に影響を及ぼすリスクがあります。その結果、顧客との取引契約に関して債務不履行が発生した場合、顧客から契約上の損害賠償請求または提訴を受けるリスクや情報サービス企業として信用失墜のリスクがあり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。特に2024年度から本格的に自治体システム標準化対応がスタートしますが、リプレースは同時並行で集中するため、納期遅延等が発生する可能性があります。これらを回避するために、当社では品質管理部門を設置し、担当役員や外部専門家を配置するなど、管理体制の強化に取り組んでおります。具体的には、見積り段階での受注額の妥当性やリスクの評価、プロジェクトの進捗状況の管理、品質や見積り精度の向上、開発プロセスの標準化などに注力しています。また、AI活用による短期間での高品質なソフトウェア開発手法の導入も重要な取組みとしています。
(3) システム運用リスク
アウトソーシングなどの運用サービスにおいて、大規模災害による想定外の損害や長期の電力不足、サイバー攻撃、運用ミスなどにより、システムダウンや回線障害が発生し、顧客の事業が停止もしくは中断した場合、顧客から契約上の損害賠償請求または提訴を受けるリスクや情報サービス企業として信用失墜のリスクがあり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。これらを回避するために、当社グループではITIL(※1)に準拠した体制の整備、バックアップ機能の充実、運用ツールの強化等の設備投資、運用管理レベルの向上、技術者教育、
BCP(※2)の策定などに継続的に取り組んでおります。
(4) 投資に関するリスク
当社グループは、事業拡大や競争力強化のため新規事業の立ち上げ、ソフトウェア開発投資、設備投資、資本提携などを行っております。しかしながら、社会情勢の変化や景気悪化などにより、投資案件が計画どおりに進まず当初見込んでいた利益が得られない場合、当社グループの業績、財務状況に影響を及ぼす可能性があります。これらを回避するために、当社グループでは、投資に伴う事業計画、投資効果やリスク等について十分に検討したうえで、投資を実施しております。
(5) 情報漏洩リスク
当社グループは、業務上、顧客が保有する特定個人情報を含む個人情報や機密情報を含む情報資産を取り扱う場合があります。このような状況下において、コンピュータウイルスによる感染や不正アクセス等のサイバー攻撃、もしくは人為的過失等により、機密情報の漏洩や改ざん等が発生する可能性があります。この結果、顧客から契約上の損害賠償請求または提訴を受けるリスクや情報サービス企業として信用失墜のリスクがあり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。これらを回避するために、当社グループではサイバーセキュリティの強化として、ファイアウォールや侵入検知システムの強化を図り、サイバー攻撃に対応する体制を整備しております。また、
ISMS(※3)やプライバシーマーク(※4)など各種認証の維持・取得に積極的に取り組むとともに、コンプライアンス研修や教育などを通じて社員への啓蒙活動を継続的に実施しております。
(6) 大規模災害に関するリスク
当社グループは、BCPを策定し従業員の安全確保、被害の防止・軽減及び早期復旧等危機管理の徹底に取り組んでおります。しかしながら、首都直下型地震や南海トラフ地震等の大規模震災をはじめとする自然災害の発生などにより事業継続に支障が起きた場合や事業の一部調整を行った場合は、当社グループの業績、財務状況に影響を及ぼす可能性があります。これを回避または軽減するために、当社では、(3)システム運用リスクで述べた対策のほか、連絡体制の整備、訓練等社員への教育、事業拠点の見直し等を行っております。
(7) 感染症等の流行に関するリスク
当社グループは、重大な感染症等の流行に対し、従業員の安全確保、感染の防止及び感染者が発生した場合の対応等危機管理の徹底に取り組んでおります。しかしながら、新たな感染症等の流行により事業継続に支障が起きた場合や事業の一部調整を行った場合は、当社グループの業績、財務状況に影響を及ぼす可能性があります。これを回避または軽減するために、当社では、テレワークの活用、事業のオンライン化、事業拠点の見直し等を行っております。
(8) 人材確保に関するリスク
当社グループの事業活動は人材に大きく依存しています。中長期的に、少子高齢化の環境のもと、社員流出や採用難が今後深刻化し、人員不足を起因としたサービスの低下や風評等につながる場合には、顧客の離反等により、当社グループの業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。このため、当社グループは、人材の採用や育成を強化するとともに、人事制度や福利厚生制度の見直しを図ることで、多様で柔軟な働き方を提供する等、各種対策に取り組んでおります。
[用語解説]
※1 ITIL(アイティル):Information Technology Infrastructure Libraryの略
英国商務局が策定した、コンピュータシステムの運用・管理業務に関する体系的なガイドライン。ITサービス管理を実行する上での業務プロセスと手法を体系的に標準化しています。
※2 BCP(ビー・シー・ピー):Business Continuity Planの略
企業が、自然災害、大火災、パンデミック、テロ攻撃などの緊急事態に遭遇した場合において、事業資産の損害を最小限にとどめつつ、中核となる事業の継続あるいは早期復旧を可能とするために、平常時に行うべき活動や緊急時における事業継続のための方法、手段などを取り決めておく事業継続計画です。
※3 ISMS(アイ・エス・エム・エス):Information Security Management Systemの略
情報セキュリティ管理の国際標準に基づき定められた情報セキュリティマネジメントシステムの適合性評価制度です。継続的に情報セキュリティリスクを管理しリスク回避や軽減を図り、この認証基準に適合したマネジメントシステムを構築・維持できている企業や団体が第三者機関により認証されます。
※4 プライバシーマーク
プライバシーマーク制度は、日本産業規格「JIS Q 15001個人情報保護マネジメントシステム-要求事項」に準拠した「プライバシーマークにおける個人情報保護マネジメントシステム構築・運用指針」に基づいて、個人情報について適切な保護措置を講ずる体制を整備している事業者等を、第三者機関が客観的に審査・評価して、事業活動に関してプライバシーマークの使用を認める制度です。
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