アイドマ・ホールディングス 【東証グロース:7373】「サービス業」 へ投稿
企業概要
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在にて当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
①企業理念
当社グループでは、創業以来、「すべての人の夢の実現に貢献する」という経営理念を掲げております。「すべての人の夢の実現に貢献する」ということは、「夢」を持てるような環境や社会の創出に貢献し、「夢」を持つ人が、それを実現できるようなインフラやソリューションを提供するということを意味しております。
②ビジョン
経営理念を実現する為に、目指すべき方向性として、「世界の可能性を広げる」というビジョンを掲げております。世界の可能性を広げるという事を言い換えますと、場所や時間、そして環境や出目などで生じる様々な制約を取り除くことによって、世界中の可能性を広げ「全ての人が夢を実現できる社会」の創出に貢献していくことが、当社の目指すべき方向性であります。
③経営の基本方針
当社グループでは、「人口減少を成長の機会に」という経営の基本方針を掲げております。
日本を含む多くの先進国は、ますます少子高齢化が進んでいきます。少子高齢化が進むことにより、労働力人口は減少し、企業の業績低下、経済の低迷、また社会保障の財源が減っていくため、労働年限が伸びていくことが予想されます。そこで、当社グループは、少子高齢化という人口構造の変化に着目し、その「構造変化」を否定的に捉えるのではなく、新たなチャレンジ、成長の「機会」として捉えております。日本、世界が向かう未来をより良いものにするために、創業以来、培ってきたノウハウを活かし、「人口減少を成長の機会に」という基本方針をもって事業を進めてまいります。
(2)中長期的な会社の経営戦略
「Work innovation」を実現することを戦略の骨子としております。「Work innovation」とは、少子高齢化によって労働力人口の減少が見込まれる中、人材不足に悩む企業と、働きたいけれども働けない方を繋ぐことによって、企業と働く人、双方に価値を提供し、それぞれの可能性を広げることが出来る、この考え方を当社では「Work innovation」と呼んでおり、CSR(Corporate Social Responsibility)の観点からも社会に貢献していく方針であります。(当社グループのCSRへの取り組みの詳細につきましては、当社ホームページ(https://www.aidma-hd.jp/csr/)をご参照ください)
労働力人口の減少が予測される状況を踏まえ、企業が取り組むべき方向性として、大きくは2つの方法があると考えています。一つ目がテクノロジーを活用し、自社の業務生産性を大幅に向上させていく方法、二つ目が自社の社員以外の様々な働き手や外部企業を活用し、アウトソーシングをしていくといった方法が考えられます。当社はこの2つの取り組みに関する支援の幅を広げ、業務支援、就労支援市場の創出に貢献します。
当面は、営業に関する業務支援が主でありますが、今後営業以外の業務(広報、人事、総務、労務、経理及び財務等)の様々な業務領域に支援の幅を広げていきます。また在宅ワーク以外にも副業や顧問といった就業形態などの働き方支援に幅を広げ、様々な働き手に企業がダイレクトに、アクセスして業務を依頼出来るプラットフォーム事業の構築を進めます。これらの取り組みを通じて、業務支援・就労支援の可能性を広げ、一つの市場をつくっていきます。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループの企業理念・経営戦略等の実現性及び持続的な成長と企業価値向上を表す指標として、売上高、経常利益、受注数を経営上の重要な指標として位置づけております。受注数は、ワーク・イノベーション事業のサービスを提供する受注の総数であり、当社グループの事業成長を推進していくための重要な指標と位置付けております。
受注数の直近2期間における推移 は以下のとおりです。(単位:件)
(2022年8月期) | 第1四半期 | 第2四半期 | 第3四半期 | 第4四半期 |
受注数 | 713 | 735 | 897 | 965 |
(2023年8月期) | 第1四半期 | 第2四半期 | 第3四半期 | 第4四半期 |
受注数 | 964 | 1,057 | 1,020 | 1,128 |
(4)経営環境
当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による状況が、感染症法上の位置づけが変わったことにより影響は緩和されつつあるものの、ロシア・ウクライナ情勢の影響等から原材料の高騰や為替の影響により物価上昇が続いており、継続して景況感が不透明な状況が続いております。
当社グループを取り巻く事業環境としましては、テレワークが浸透し、就労の多様化が徐々に進展する一方で、企業における人手不足はますます深刻な状況となっております。
このような状況の下、当社グループでは対面営業主体の営業支援からオンラインセールスへの移行を進めております。オンラインセールスを前提とした各種サービスは、対面での営業活動に代わる手段として、また、再現性の高い営業の仕組みを構築する手法としてニーズが高まっていると考えております。また、新型コロナウイルスの影響等により、世界中で働き方改革を余儀なくされているため、働き方に関する価値観の変化が加速し、こうした変化等を背景として在宅ワークへの取り組みが増加し、当社グループの各種サービスが求められているものと考えております。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
少子高齢化に伴う労働力人口の減少により、今後の日本においては、自社の業務を見直し、外部リソースやテクノロジーの活用により生産性向上に取り組む企業がますます増えていくことが見込まれます。また、労働力人口の減少は、これまで、働きたくても働けない事情を抱える方など潜在的な労働力の顕在化の動きを加速させることが見込まれます。当社はこの二つの流れを捉え、外部リソースの活用を行う企業にクラウドワーカーをマッチングする、というビジネスモデルを創造し、営業支援の領域を中心にして成長を遂げることができましたが、今後も持続的な発展を実現するためには、以下の事項は対処すべき課題だと認識しております。
①受託する企業及び事業領域の拡大
これまでは、営業体制が確立されていない中小企業を中心に、営業業務のアウトソーシングや営業組織構築のコンサルティング、テストマーケティングなど、営業支援の領域に特化しておりましたが、今後は、営業以外の業務(広報、人事、総務、労務、経理及び財務等)支援にまで事業領域を拡大してまいります。営業支援の領域では当社がテストマーケティングを行い、再現性のある仕組みを構築しておりますが、業務支援の領域においても、当社にてテストワークを行い、営業支援同様に再現性のある仕組みを構築するサービス提供を行います。また、それに伴い、対象企業の裾野も拡大してまいります。
②ストック型収益モデルの確立
これまでは、再現性のある営業の仕組みを顧客企業に提供するために、コンサルティングによるフロー型収益モデルがビジネスモデルの中心でしたが、安定した収益基盤構築のためにストック型収益モデルの確立も重要な課題であると認識しております。今後は、自社開発した営業支援ツール「Sales Crowd」の拡販に加え、営業支援で培ったノウハウ、蓄積してきたデータを活かした新サービスの開発・展開を推進し、ストック型収益モデルの拡充を図ってまいります。
③多種多彩な就労機会の提供
潜在労働力の顕在化は、主婦の在宅ワークに留まらず、今後は、シニア層やアルバイトから常勤就労につきたい方などに向け、多様な就労機会の提供を図っていく必要があります。また、特定の領域に高度な技術や専門性を持つプロフェッショナルの在宅活用、副業の推進と活用も行ってまいります。
④優秀な人材の確保と育成
当社グループは、今後の業容の拡大と持続的な発展を実現するために、優秀な人材の採用と育成が極めて重要な課題であると認識しております。そのために、採用においては、能力のみならず、企業理念や企業文化を共有できる人材の採用を心掛け、また、入社後の社員に対しては、能力開発、スキルの向上のための研修を実施しており、今後も継続して行っていく必要があります。
⑤コーポレートガバナンスの強化
当社グループは、会社の永続的な発展のために、経営の透明性、効率性及び健全性を確保するとともに経営責任の明確化を進めているところです。当社グループはグループ会社が増加し、新しいサービス分野も含めその事業領域を急速に広げながら成長を継続しております。特に最近においては、新しいサービス分野を中心にM&Aや事業譲受なども行いながら積極的に事業体制の強化を進めており、それらの新しい事業リソースを当社グループの経営管理体制に効率的に統合するとともに、その運営においても、新しい事業分野や事業地域で適用される法令やルールを遵守するための体制の整備が重要であると認識しております。その実現のために、事業規模の拡大に対応した効率的な経営管理体制の整備を進め、法令及び社内諸規程を遵守した業務執行の定着を推進するとともに、内部監査を継続的に実施し、会社業務の適正な運営ならびに財産の保全を図り、さらにその実効性を高めていくための経営効率化に取り組んでまいります。
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