アイデミー 【東証グロース:5577】「情報・通信業」 へ投稿
企業概要
当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
当社グループは「先端技術を、経済実装する。」をミッションに掲げ、AIをはじめとした新たなソフトウエア技術を、いち早くビジネスの現場にインストールし、次世代の産業創出を加速させることを目的として事業を展開しております。
(2)経営戦略等
当社グループは、AI/DX実現に対する顧客課題に対して、顧客のデジタル人材育成からスタートし、顧客の人材とともにDX内製化を推進することにより、継続的なコンサルティングサービスを提供し、上流から下流まで一気通貫で支援することを基本的な戦略としています。
また、コンサルティングで得たノウハウをプロダクト開発、既存コンテンツ拡充に還元することにより、AI/DXプロダクトとAI/DXソリューションが相互にシナジーを発揮し、DXの進化と顧客ニーズにあったプロダクトをスピーディーに開発することによりサービスラインナップを拡充することで、持続的な成長を目指しております。
上記に加えて、M&Aの実施とそのシナジー効果によって、非連続的な成長も加えていくことにより、より高い成長性を目指してまいります。
(注)※ 「Proof of Concept」の略。概念実証。新たなアイデアやコンセプトの実現可能性やそれによって得られる効
果などについて検証すること。
(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、より高い成長性と収益性を実現するため、売上高及び営業利益を重要な経営指標と位置づけております。また持続的な事業拡大の観点から、長期継続顧客数を経営指標として重視しております。長期継続顧客数は、当四半期を含む過去4四半期間連続でサービス契約中の顧客企業数と定義しております。
サービス契約継続中の「長期継続顧客数」の推移(単位:社)
| 2022年5月期 | 2023年5月期 | 2024年5月期 | |||||||||
1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 1Q | 2Q | 3Q | 4Q | |
長期継続顧客数 | 55 | 64 | 78 | 84 | 87 | 94 | 111 | 118 | 122 | 123 | 138 | 144 |
(4) 経営環境及び事業対象となる市場
当社グループが提供するAI/DXに関するプロダクト・ソリューション事業は、法人向けのAI/DXプロダクト、AI/DXソリューション、個人向けのAI/DXリスキリングに係るサービスを提供しており、AI/DXビジネスの国内市場に属しております。AI/DXビジネスの国内市場は成長を続けており、2030年度には6兆5,195億円にも及ぶ想定(出所:「富士キメラ総研 2023デジタルトランスフォーメーション市場の将来展望」)であり、国内におけるAI/DXビジネスの拡がりが見込まれます。特に製造業や金融業、サービス業など幅広い各産業でAI/DXの導入に向けた取り組みが進んでおります。また、国内外の競争力を維持・向上させるために、政府もデジタル変革を推進する施策を積極的に展開しております。
当社グループは、AI/DXプロダクトの分野での持続的な競争優位性を築くため、デジタル人材育成の領域において顧客企業のニーズを的確に捉えたコンテンツの開発力、顧客を第一に考えたUI/UX(ユーザーインターフェイス/ユーザーエクスペリエンス)を反映したシステム開発力が重要と考えており、これらの組織能力を築くための継続的な投資・改善に努めております。また、競争優位性を保つために、市場の動向を常に監視し、競合他社の戦略や新技術の出現に対して、適時かつ適切に対応する体制を構築しております。
そして、AI/DXソリューションでは、多くのAI/DXベンダーがサービスの一つとして類似のサービスを提供しております。当社グループは、他社との差別化としてAI/DXプロダクトでのデジタル人材育成を通じて把握した顧客企業のニーズをもとに、顧客企業のデジタル変革支援を提供しており、かつ伴走型支援とすることで顧客企業内にノウハウを残すことができます。これにより、顧客企業からの信頼を獲得し、長期的なビジネス関係を構築することができると考えております。
当社グループでは、AI/DXプロダクト及びAI/DXソリューションにおいてコアなターゲット領域と位置づけているエンタープライズ企業数(従業員1,000名以上の企業数4,000社、当社グループ定義)とそれら顧客企業の売上高の中央値(1,500億円)、売上高に占めるIT予算比率の中央値(1.0%、注1)、内製化率(70%、注2)から約4.2兆円を初期的な市場規模(TAM、注3)と想定しております。
また、TAMのうち、当社グループがターゲットとしている市場規模(SAM、注4)は、IT予算全体に占めるDX関連予算23.3%(注5)であり、SOM(注6)は、コアなターゲット領域と位置づけているエンタープライズ企業数(4,000社)、内製化率、当社グループの1社当たり最大売上高5,000万円を元に想定しております。
(注)1.一般社団法人 日本情報システム・ユーザー協会(JUAS) 企業IT動向調査報告書 ~ユーザー企業のIT投
資・活用の最新動向(2020年度調査)
2.IT人材白書2020、調査対象:業界団体(JUAS、JEITA)の会員企業 /地域の業界団体の会員企業/民間データベ
ース登録企業(情報システム部門)
3.TAMはTotal Addressable Marketを表し、あるサービス・プロダクトにおいて様々な条件が満たされた時に実
現する最大の市場規模を意味しております。掲載したTAMの数値は当社グループが本書提出日現在で営む
事業に係る客観的な市場規模を示すものではありません。当社グループの提供する各種サービス・プロダク
トのTAMは、外部の統計資料や公表資料を基礎として、当社グループ内の事業進捗や知見に基づく一定の前提
を用いて当社グループが推計した金額であるため、高い不確実性を伴うものであり、今後実際に実現する市場
規模は大きく変動する可能性があります。
4.SAMはServiceable Available Marketを表し、TAMの中でターゲティングした部分の市場規模を意味しておりま
す。
5.一般社団法人 日本情報システム・ユーザー協会(JUAS) 企業IT動向調査報告書 ~ユーザー企業のIT投
資・活用の最新動向(2019年度調査)より、IT予算に占めるバリューアップ予算の割合をDX予算として想定し
ております。
6. SOMはServiceable Obtainable Marketを表し、実際に商品・サービスを市場に投入した時に、実際にアプロー
チして獲得できる可能性のある市場規模を意味しております。
(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
①既存事業の強化
当社グループでは、安定的な事業拡大を図るための事業及び顧客基盤として、法人向けオンラインDXラーニング「Aidemy Business」を中心に位置付けております。また「Aidemy Business」の顧客基盤を主なターゲット顧客として、法人向けデジタル変革伴走型支援サービス「Modeloy」を展開しております。このため、「Aidemy Business」においては、コンテンツ、システム、サポートを継続的に開発及び向上させることで、付加価値の高いサービスを提供し、顧客企業数の更なる拡大と、当社グループのブランド確立を目指してまいります。「Modeloy」においては、成長をけん引する優秀なデータサイエンティストやエンジニアの採用に加えて、顧客企業のデジタル変革ニーズを的確に捉えるために、セールスやデリバリー体制の見直し、当社グループ内のノウハウの共有に努めてまいります。
②新規プロダクト及び新規事業の創出
当社グループは、法人向けデジタル変革伴走型支援サービスや顧客企業との協業を通じて得られた知見や技術力を活用し、新規プロダクトの創出や開発を行っております。引き続き重点的に投資を行い、次期成長事業につなげるために、今後も継続的に取り組んでまいります。
③優秀な人材の確保及び育成
「先端技術を、経済実装する。」というミッションに共感する、データサイエンティストやエンジニアをはじめとする優秀な人材を有していることが当社グループの優位性と認識しております。今後も採用を通じて継続的な人材確保の強化に取り組んでまいります。加えてカーボンニュートラルやグリーン・トランスフォーメーションなど新しい顧客価値を創造できる人材の採用や、当社グループの持続的な成長を支える人材育成にも投資をしてまいります。
④財務上の課題
当社グループは、これまで金融機関からの借入に大きく依存せず、自己資金及び営業キャッシュ・フローにより、安定的な財務基盤を確保してまいりました。先述した事業上の課題に対する対処に加えて、今後の成長戦略に対応するために、引き続き内部留保の確保と営業キャッシュ・フローの拡大を目指していくとともに、金融機関からの融資や株式市場からの必要な資金確保等も選択肢とすることにより、多様な資金調達を図ってまいります。
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