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企業概要
当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)経営方針及び経営戦略
当社は、創業以来Linuxをはじめとするオープンソース・ソフトウェアに関連する技術力で価値創造しつつ、顧客に対して高品質かつ高機能の製商品及びサービスを提供してまいりました。特にネットワーク用途の小型コンピューターを得意としIT市場に供給しておりますが、近年は急速に成長しているIoT市場に特化した製品を開発しラインナップに加え、他社に先駆けて製品及びサービスを提供しております。また、通信事業者、クラウド事業者、システムインテグレータ、大手メーカー、センサー・デバイスメーカーなどとエコシステムを構築して、多くの販売実績を積み重ねることにより市場における競争優位性を確保し、パートナー企業との協業によりさまざまな業種の企業へ販売しております。
当社は、「日本をリードする技術者たちに最先端商品を提供する会社をつくろう」という会社創業の精神を「TECHNOLOGY to serve you.」というコンセプトキーワードに込め、今後とも、この蓄積されたオープンソース・ソフトウェアに関連した技術を核とし、お客様の新しいニーズに誠実に応えてまいります。
(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、経常損益の黒字転換を第一の目標にしております。第一の目標の達成後、目標とする経営指標の内容・具体的水準等を策定したいと考えております。
(3)経営環境
「4経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (経営成績等の状況の概要) (1)経営成績の状況」をご参照願います。なお、半導体不足の影響につきましては、「3事業等のリスク (11)製品部材の納期遅延及び価格上昇」をご参照願います。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社は、経常損益の黒字化を実現し、成長軌道を実現するため、ネットワーク事業ではネットワークアプライアンスに集中的に経営資源を投入する方針で臨みます。これまでに培ったソフトウェアに関する知見と資産を活用して収益化に取り組むことに加えて、過年度に半導体不足により事業が停滞した経験を踏まえ、部材供給の制約のないソフトウェア・サービスを事業の柱として収益の安定化・向上を図るべく、事業転換を今後一層加速してまいります。
そこで、引き続き以下の課題に取り組んでまいります。
① 自由で安全なコネクテッドワールドの実現
当社は、SDGsが採択される以前から環境問題に向き合いISO14001を取得し、その解決に向けて取り組んできました。当社の提供する省スペース、省電力の自社製品と、データ流通を実現する通信技術により、フィジカルワールドとサイバーワールドを結び付け、より利便性の高い社会の実現、より安全な社会の実現、より豊かなくらしづくりの実現に取り組んでまいります。
② ソフトウェア・サービス収益の強化と社会のデジタル化への対応
当社はこれまでのハードウェア中心の事業形態から、ソフトウェア・サービス中心の事業形態への転換を進めております。
マイクロサーバーに専用アプリケーションを搭載したネットワークアプライアンスは、サポートサービスも含めて顧客に長期間ご利用いただいており、これを収益向上の柱の一つと位置付けて開発と販売をさらに充実するとともに、当社ソフトウェアやサービスの強みを活かした収益強化策に取り組みます。
また、新領域であるWeb3事業においても、ソフトウェアやサービスの強みを活かした収益化に取り組みます。当社は2016年度からIoTの推進に向けたブロックチェーン技術への取り組みを開始し、2019年にIoT
データ伝送・交換基盤を発表し、2020年にブロックチェーンを利用したIoTデータ取引に関する特許を取得、2021年にはその特許を利用したIoTデータ取引基盤「PTPF」を発表しました。その後も慶應義塾大学SFC研究所とIoTデータ交換の標準プロトコルの共同研究を行うなど、技術の開発に努めるとともに、2024年3月期には当社のWeb3技術を適用した輸出物流構築の実証事業に取り組み、所期の成果をあげました。
Web3にかかわる領域は、その分野が広範であるばかりか関係者が複雑化し事業規模が非常に大きくなることが予想されることから、当社が自ら事業を行うことに加え適切な事業の推進形態を整え、またそれぞれの分野に強みを持つ事業者とアライアンス戦略をとってまいります。
当社は、これらの施策により、拡大するネットワーク・IoT市場と社会のデジタル化への対応に取り組んでまいります。
③ 財務基盤の充実
当社は財務基盤の強化と手元資金流動性の確保を検討してまいりましたが、この解決のため、新株式の発行により2024年4月に46百万円の資金調達を行いました。当社は今後の事業形態の転換やそれによる事業拡大など必要に応じて資金調達を実施し、さらに財務基盤を充実・強化することを検討してまいります。
④ 社会への貢献
当社のパートナー戦略は、持続可能な開発に向けて実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化するものであり、SDGsの目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」を実現します。また、当社の技術力により、産業界におけるIoT化が促進されることから、産業と技術革新の基盤を創出することを実現します(SDGs目標9)。さらに、大型で電力を消費するサーバーに代替する製品として当社が製造販売する製品は小型かつ電力消費量低減を実現しており、製造者としての「つくる責任つかう責任」(SDGs目標12)を全うします。その他、当社の事業展開による教育現場やビル、都市などへの当社製品の導入により、顧客とともにカーボンニュートラルに取り組み、SDGsを実現し、社会に貢献してまいります。
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