ひらまつ 【東証スタンダード:2764】「小売業」 へ投稿
企業概要
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)基本方針
当社ではこれまでに構築してきた経営基盤をベースに、アフターコロナの事業環境を見据えたより積極的な成長戦略にシフトすべく、2023年3月期を初年度とした3カ年の新中期経営計画を策定しました。保有する資産の徹底的な磨き上げと有効活用を行い、競合に対して圧倒的に差別化できる事業領域をさらに伸ばすことで早期の黒字化の実現に向け推進しております。
当社の全ての事業の根幹は、食を通じて提供される付加価値にあり、全ての事業の提供価値である「食体験」と「ホスピタリティ」をもう一段磨き込み、広く顧客に訴求することを基本方針としております。レストラン事業におけるレストラン営業に関しては、店舗設備や人財、マーケティングなどへの投資を強化し、料理とサービスに磨きをかけ、顧客の満足度を向上させる取り組みを進めてまいります。ブライダル営業においては、レストランウエディングの独自性を再構築し、お客様のニーズに寄り添った「ひらまつならではの価値」を提供し、営業強化を図ってまいります。また、ホテル事業においては、ひらまつが展開する新たなオーベルジュとしての体験価値を訴求し、オペレーションの磨き込みを行い、収益性の改善を図ってまいります。新規事業においては、当社の有形・無形の資産を有効に活用し、出店地における地域への貢献や新たな事業領域の開発など、収益多様化への取り組みを推進してまいります。最後に全社共通の方針として、事業間の垣根を超え再来店を促進するためのCRM構築を進めるとともに、ブランディングやIR、PRを強化し、お客様とマーケットからの期待感を高め、事業間シナジーを最大化することを目指します。レストラン、ブライダル、ホテルが一体となって、お客様の生涯顧客化を実現する唯一無二のビジネスモデルを構築してまいります。
(2)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社は、2023年3月期を初年度とする中期経営計画をスタートさせ、初年度の営業キャッシュ・フローの黒字化、2年目の営業利益の黒字化、最終年度の営業利益10億円の達成に向け、アフターコロナの事業環境を見据えた成長戦略の実行を推進してまいりました。2年目となる2024年3月期は、新型コロナウイルス感染症の「5類感染症」移行後における堅調な外食及び国内旅行需要をとらえ、売上最大化に向けた各種企画の打ち出しや、当社ならではの「付加価値の向上による単価アップ」施策などが奏功し、レストラン、ブライダル、ホテル全ての事業において前年を大幅に上回り、連結累計期間において過去最高売上を更新し、営業利益、経常利益共に計画を大幅に上回る結果となりました。
新型コロナウイルス感染症拡大に伴う行動制限が解除され社会経済活動の正常化が進んだことや、円安によるインバウンド需要の増加など、明るい兆しが見える一方、世界情勢の緊迫化、資源価格や原材料価格の高騰による物価上昇や人件費や物流費の上昇など、当社を取り巻く事業環境は引き続き厳しい状況にあります。また、当社は、新型コロナウイルス感染症による減収の影響により前連結会計年度まで継続して経常損失を計上しており、一部金銭消費貸借契約における財務制限条項に抵触していることから、各金融機関との間で2024年7月末まで既存借入に関する貸付元本の返済猶予について合意している状況であります。
今後の持続的な企業価値向上のためには、ホテル事業の資産効率の見直しによる財務体質の改善が最適な戦略であると判断し、これまでの資産保有と運営が一体化されたビジネスモデルから、レストラン事業と同様に運営に特化したビジネスモデルへ転換するため、当社が保有するホテル資産を譲渡し、対象ホテルの運営を受託する契約を締結することといたしました。対象ホテルはこれまでと同様に当社が運営を継続し、オペレーターに徹することで当社の強みである食を基盤とする滞在価値の更なる強化を図り、ホテル事業の価値向上及び収益最大化を目指してまいります。また、ホテル資産売却で得る資金の一部を借入金の返済に充当することで金融機関との取引正常化による財務健全化を早期に図り、大きく変化する事業環境への対応と、今後の成長投資を機動的に実行出来る体制を整えてまいります。これらの詳細につきましては、2024年3月27日公表の「当社保有ホテル資産の譲渡に関する売買契約及びホテル運営に関する運営委託契約の締結並びに資本業務提携解消に関するお知らせ」並びに2024年6月21日公表の「固定資産の譲渡による特別利益の計上並びに業績予想の修正に関するお知らせ」をご参照ください。
ホテル事業を再構築することに加え、想定以上に長引いた新型コロナウイルス感染症拡大による影響や、原材料価格の高騰による物価や人件費、物流費の上昇など、計画を策定した当時から事業環境が大きく変化したため、現中期経営計画の最終年度となる2025年3月期の計画を修正することといたしました。
ホテルの事業構造の変更により、2024年7月以降のホテル売上がGOPに一定比率を乗じた数値となり大幅な減収になることに加え、現中期経営計画策定時に想定していなかったレストラン「アルジェント」(銀座)の退店、及び、新型コロナウイルス感染症拡大等の影響により新規事業が未着手であることから、既存店での比較を下表で示しております。
2025年3月期計画の売上は、現中期経営計画の最終年度の売上に対して既存店比較で増収となっております。一方、現中期経営計画策定時から環境が変化し、業界全体の人員不足により、採用コストや人件費が大幅に増加していること、及びエネルギー価格の高騰や円安による物価上昇により販管費が大幅に増加していることから、営業利益及び経常利益においては減益とさせていただいております。
2025年3月期は、これらの費用構造を中長期的課題ととらえ立案する次期中期経営計画(2025年4月にスタート予定)の基盤づくりの年と位置付け、当社の強みである人の成長を軸とした成長戦略策定を遂行してまいります。なお、次期中期経営計画につきましては2024年中の公表を予定しております。
(注)上記の修正計画(連結業績予想)につきましては、発表日時点において入手可能な情報に基づき作成したものであり、実際の業績は、今後様々な要因によって予想数値と異なる可能性があります。
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