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企業概要

 当社のサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

(1)ガバナンス

「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要」に記載しております当社のコーポレート・ガバナンス体制の枠組みのなかで取締役会が中心となり、サステナビリティ関連のリスク・機会の監視及び管理並びに当該リスク・機会の識別・評価に基づく課題への対処に取り組んでおります。

(2)戦略

 当社の人材育成方針及び社内環境整備等に関する方針は、以下のとおりです。

 当社では、当社が掲げるミッションを実現し、事業成長を加速するためには、社員1人ひとりが成果を最大化し、持続的な成長を続けていくことが重要であると考え、多様性の確保の観点も含め、当社及び社員にとって生産性が最大化される人材戦略の策定及び環境整備に取り組んでおります。

◎多様性

 多様性に関する指標のうち、女性管理職比率、男性育児休業取得率、男女賃金格差については、「第1 企業の概況 5 従業員の状況」に記載しております。

 また、従業員の多様な価値観や個性に対応するダイバーシティ施策の一環として、就業規則等の社内規程における「配偶者」の定義を同性や事実婚のパートナーを含むものに変更しております。これにより結婚(法律上の婚姻)を対象とする福利厚生制度の適用範囲も拡大しております。

 さらに、多様な価値観や個性に対応し、従業員が持つ力を発揮しながら事業成長と働きやすさを高次元でバランスさせた働きがいのある環境づくりを目指しています。積極的な採用活動による従業員増加を見据え、多様な価値観や個性への企業姿勢を明文化するため、LGBT(※)にも対応した社内規程となっております。これにより、「配偶者」の定義を同性や事実婚のパートナーも含むものに拡大し、パートナーとの関係を「結婚に相当する」として、慶弔見舞、育児介護休暇、赴任などの福利厚生制度を適用しています。同時に、LGBTに関する理解を深める社内研修を実施し、就業規則での「性自認・性的指向に関わる差別」の禁止を明文化したり、あらゆる人が固有に持つ文化、国籍、信条、人種、民族、言語、宗教、性別、年齢や考え方の多様性を尊重し、ダイバーシティを推進するため、関係機関の動向を確認しながら、制度の変更や柔軟な対応に取り組んでおります。

(※)レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーなどの性的少数者の総称のひとつ。

◎社内環境整備方針

〇ほたて(TGIF(Thank God It's Fridayの略))

 人数が少なかった創業時から、会社やサービスの方針を全社員で話し合う文化がありました。そこで生まれたのが、お酒を片手に行うはてな流の業務報告会「TGIF」です。Googleの全社ミーティング「TGIF」を参考にしており、社員間で気軽な報告会を行っています。「Hot」な「Task」を「手がけた」従業員を表彰するから、その頭文字を取って「ほたて」と呼んでいます。ほたての良さは、社員のアピール力の向上にとどまらず、普段、日の目を見ない社内向けの業務改善を広く社内に伝えられることにあります。「オフィス移転で賃料を交渉した」「メールサーバの改善で、レスポンスのスピードが上がった」といった細かな業務改善は、全社員が知ることはなかなかありません。京都と東京の2拠点にオフィスを構えており、この物理的な距離を縮め、同じオフィスにいても見えにくかった各部門の取り組みや会社の現状を、全社員が均等に知ることができます。

〇多様な働き方

 当社では「フレキシブルワークスタイル制度」の開始からこれまでの間で、多くの従業員が在宅勤務中心の働き方を選択しています。社員を対象としたアンケートやサーベイの結果、1on1ミーティングなどによるヒアリング、生産性指数、そして在宅勤務の実施率(選択率)などから、従業員にとって「在宅勤務と出社勤務を選択可能」であることは満足度が高く、今後も継続を望まれている状態であると判断しています。

 また、在宅勤務中心となっても、安定的なサービス提供を実現できており、個人やグループの生産性についても「保たれている」または「向上している」状態であることを確認しています。

 これらの結果を踏まえ、当社では、ミッションにも掲げる「事業成長と働きやすさを高次元でバランスさせ、働きがいのある会社を目指す」ため、2年間の暫定的な制度であった「フレキシブルワークスタイル制度」を継続し、2022年5月1日より恒久的な制度とすることに決定しました。「所属オフィスから2時間以内」としていた居住地の制限を「全国」に拡大するとともに、フルフレックスを導入しております。これにより従業員は、オフィスや自宅といった場所や時間に捉われない働き方を選択できるようになります。

 なお、国土交通省「自転車通勤推進企業」宣言プロジェクトの「優良企業」に認定されている当社では、引き続き、オフィス出社の際の自転車通勤を推奨し、オフィス内に駐輪スペースを確保しています。

◎人材育成方針

〇採用

 当社は、人材の多様性を、変化の激しい市場環境に対応し、スピードをもって事業展開できる組織の力へと変えるため、性別、国籍、様々な職歴をもつキャリア採用者など、多様な人材の採用、起用を、積極的かつ継続的に行いつつ、それぞれの特性や能力を最大限活かせる職場環境の整備やマネジメント層の教育などの取り組みを進めてまいりました。また、コロナ禍においても、学生向けにインターンシップをオンライン開催するなど、積極的な採用活動を継続しております。人材育成や組織の活性化を目的とした施策により、社員一人ひとりがパフォーマンスを最大化して働ける環境とカルチャーを生み出しております。具体的な施策として、テレワークの恒久化、フルフレックスの適用、フリーアドレス、フリースペースによる業務の実施制度などを通じて、社員一人ひとりが柔軟な働き方を選択できる業務環境を整えております。

〇評価

 当社では、優秀な人材については、性別、国籍、障害の有無等の属性に依ることなく、積極的に登用する方針の下、すべての社員に平等な評価及び登用の機会を設けております。管理職として登用するうえで、国籍や採用時期によって特段の差が生じているとは認識しておりません。

 以上のような状況のもと、現時点では、管理職登用等の目標設定や開示は行っておりません。

〇育成

 当社は、人材育成においては、主に新卒社員の早期戦力化を目的として、各種研修制度や、エンジニア向けの技術勉強会などを実施しております。社内のカルチャーを醸成する制度としては、業務報告会「TGIF」や半期に一度の社員納会などのイベントを通じ、社員が所属部門を超えた交流ができるような仕組みを構築、積極的に社員同士交流できるような環境を整備しております。また、当該業務の遂行に直接必要な技能、又は知識の習得又は研修等を受けるために要する費用支出について、会社負担としております。業務上有用な資格試験の受験補助、各種有料セミナーの受講補助、業務利用書籍等の購入補助など、従業員のキャリア形成に対して積極的な投資をしております。

◎健康経営、セーフティネット

・病気の予防

 当社では、毎年、インフルエンザの流行予防のため、予防接種を希望する従業員及びその家族に対して、会社負担による予防接種を行っております。社内におけるインフルエンザの蔓延を未然に防ぎ、欠勤に伴う業務停滞を防止することを目的とし、従業員の健康状態に配慮しております。

・万が一に備えるための保険

 当社では、福利厚生制度の一環として、目的別に複数の保険へ加入し、従業員に万が一の事態が生じた場合のセーフティネットを手厚くしております。従業員の健康面をサポートする福利厚生の1つとして有効であると考えております。

① 団体長期障害所得補償保険

 病気やケガで長期間働けなくなった従業員に対し、有給制度や健康保険だけでは補えない所得の喪失を最長で定年年齢まで補償する企業向けの保険に加入しております。収入ダウンを長期にわたりカバーすることで、安心して療養できる環境を整え、早期の就労復帰を支援しております。

② 業務災害総合保険

 自身が抱える病的疾患に関わらず、全従業員が加入可能であり、従業員が死亡した場合、その原因によって保険料がご遺族に支払われ、後遺障害が起きた場合は、その等級に応じた補償金が支払われ、病気で入院した際に入院1日あたり5,000円の給付金等が支払われ、かつ、がん通院医療費用、がん先進医療費用、疾病先進医療費用も充実し、「ガン・病気になっても通院治療を行い、日常を送る(就業も継続する)」という現代の治療トレンドにも沿った保険に加入しております。

 また、付随サービスとして、ティーペックのサービス(24時間対応の電話健康相談、メンタルケアカウンセリング、介護相談、セカンドオピニオンアレンジサービス、がん治療と仕事の両立支援サービス等)を利用することができます。

・ストレスチェック

 労働安全衛生法が改正され、2015年12月より、常時使用する労働者数が50人以上の事業場ではストレスチェックを年に一回実施することが義務化され、法令に則して毎年実施しております。

◎気候変動

 2020年10月26日の所信表明演説において、我が国は、2050年までにカーボンニュートラルを目指すことを宣言しました。また、2021年4月の地球温暖化対策推進本部及び米国主催の気候サミットにおいて、「2050年目標と整合的で、野心的な目標として、2030年度に、温室効果ガスを2013年度から46%削減することを目指す。さらに、50%の高みに向けて、挑戦を続けていく」ことを表明しました。

 当社は、インターネット関連事業を主な事業として行っており、気候変動問題が当社事業に重要な影響を及ぼすことは想定されないため、TCFDに基づく開示等は、現時点では行っておりません。しかしながら、あらゆるグローバル課題の中でも、特に気候変動をはじめとする環境問題に関する認識は、この数年間だけでも劇的に変化しております。ビジネス面及び事業者としての取り組み双方で、喫緊の対応が迫られていると認識しております。スモールスタート&クイックウィンを目指し、「脱炭素(カーボン・ニュートラル)」を課題として認識しております。

 温室効果ガスの排出の抑制を図るために、まずは、当社自らの活動により排出される温室効果ガスの量を算定・把握しました。その結果、当社のGHGプロトコルは、SCOPE1+2において、84.7tCO2(前事業年度は87.4tCO2)となっております。これにより、排出抑制対策を立案し、対策の効果をチェックし、新たな対策を策定して実行することが可能となっております。再生可能エネルギーなどの非化石電源は、化石燃料を使う化石電源に比べ、地球温暖化の原因となる二酸化炭素の排出量が少ないという特徴があります。二酸化炭素を発生させない電気には、「環境価値」があります。当事業年度においては、その環境価値のひとつである「非化石価値」を「非化石証書(※)」として取得いたしました。これにより当社は、カーボン・オフセット(100%)を実現させております。

(※)非化石証書とは、非化石電源により発電された電気について、非化石価値を分離し、証書にしたものです。非化石電源には、再生可能エネルギー、原子力があります。

 非化石証書には、FIT非化石証書、非FIT(再エネ指定)非化石証書、非FIT(再エネ指定無し)非化石証書の3種類があります。

◎知的資産

 当社は、持続的な事業成長や価値の提供を目的として、知的資産への投資は必要不可欠であるものと認識しております。特に、商標権や著作権については、企業価値に大きく影響を及ぼすことから、当社の強みとして認識し、全社的に把握管理し、知財・無形資産の活動戦略を構築しております。

 例えば、一部の知財については、著作権を当社が保有し、商標登録することで、知的財産の強化を行っております。これにより、当社は利用顧客に対して、著作権に係るライセンスを付与し、月額利用料を収受(SaaS型サービス)するサービスを展開することで、競争力のある事業が創出されております。複数の利用顧客に対して横展開可能な知財となっており、持続的な価値の提供につながるビジネスモデルを構築しております。

 独自に開発した技術等のうち事業上の重要性等があるものについては、適宜特許出願を行ってまいります。事業の性格上、特許等に該当しない知的財産については、当社の社名やサービス名を、国内外において商標登録することにより、知的財産の強化を行っております。

(3)リスク管理

 当社ではサステナビリティ関連のリスクを、その他経営上のリスクと一体的に監視及び管理しております。詳細は、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1) コーポレート・ガバナンスの概要」をご参照ください。

(4)指標及び目標

 当社では、「(2)戦略」に記載した、人材育成及び社内環境整備に関する方針に係る指標について、本報告書提出日現在において、当該指標についての具体的な目標を設定しておりません。今後、関連する指標のデータ収集及び分析を進め、開示項目を検討してまいります。

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