企業くすりの窓口東証グロース:5592】「情報・通信業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものです。

(1)経営の基本方針

 当社グループは、ヘルスケア領域にこれまでにない新しい価値を提供する、との経営方針のもと、調剤薬局、医療機関、介護施設などの顧客の収益と生産性向上に貢献すること、個人ユーザー(患者)にこれまでにない利便性を提供することを念頭に置き、各種事業を展開しております。当社グループでは、これまでEPARKサービスにおける薬局分野としてスタートした調剤薬局の検索及び処方箋予約に始まり、電子お薬手帳、独自の事業として展開を開始した薬局不動在庫の売買プラットフォーム、医薬品共同仕入れ、オンライン診療支援システムなど、調剤薬局をはじめとする顧客と個人ユーザー向けにサービスを拡大してまいりました。今後も、提供するサービスの質を一段と向上させ、顧客からの信頼をさらに高めながらサービスの一層の充実を図ってまいります。

(2)経営戦略

 当社グループは、調剤薬局、医療機関、介護施設などの顧客、個人ユーザー、医薬品卸売事業者などの医療関係者をつなぐ医療プラットフォームの形成を戦略として掲げております。医療関係者に対してより大きな価値を提供できるサービスを取り揃えることで、医療関係者は生産性の一段の向上と経営効率、収益の改善を、また個人ユーザー(患者)はより高い利便性を実現し、下記の当社グループのサービスを活用していただくことで医療関係者からもたらされる蓄積された情報をもとに、当社グループから医療関係者へあらたな価値を提供していく双方向の関係を構築し、当社グループが医療関係者にとってなくてはならないプラットフォームとなることを目指します。

 調剤薬局:レセプトコンピュータ、電子薬歴システム、医薬品共同仕入れ、医薬品売買のマッチングサービス

 医療機関:医療事務コンピュータ、電子カルテシステム、順番待ちシステム

 介護施設:介護請求システム、介護費用システム

 個人ユーザー(患者):調剤薬局の検索及び処方箋予約、電子お薬手帳

 医薬品卸売事業者:医薬品共同仕入れ

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループは、調剤薬局をはじめとする医療関係者にとって、なくてはならないプラットフォームになることを目指しており、下記の事項を重要な経営指標としています。

①「EPARKくすりの窓口」予約件数

②医薬品受発注在庫管理システムによる流通金額

③医科、薬局、介護の各業界基幹システム利用数

(4)経営環境

①市場環境

 我が国の経済においては、ウクライナ情勢等による地政学的リスクとそれに伴うエネルギー価格など物価の高騰も引き続き懸念されると同時に、円安の継続もあり不透明な状況が続くと想定されます。

② 顧客基盤と動向

 わが国では、急速な高齢化の進展により医療費が増加しています。このため、中長期的には市場の拡大が見込まれる一方で、薬価・調剤報酬改定等を通じた医療費削減など現在の医療体系の変革が急務となっております。当社グループの主要顧客であり全国に約6万店ある調剤薬局は一部大手チェーンが展開する店舗と個人事業主等が経営する中小店の二極化が見られますが、いずれも一層の経営効率化を求められる状況にあります。また、新型コロナウイルスの広がりも契機となってオンライン診療、オンライン服薬指導等の非対面型医療サービスへのニーズも高まる方向にあり、当社グループによるプラットフォームが必要とされる場面が増えると想定されることから、ニーズに対応できる体制を一層強化してまいります。

③ 競合他社の動向と競争優位性

 当社グループが提供しているサービス分野においては、異業種も含めた他社が類似サービスによって参入してくることもあり、今後競争が激化することも考えられます。従いまして、競合他社とのサービスの内容や特徴等の差別化が課題となりますが、当社グループは、「EPARKくすりの窓口」を利用する個人ユーザー(患者)の獲得と主要顧客である調剤薬局へのサービス展開で先行し、参入障壁が高いヘルスケア分野で事業基盤を有していること、また高い専門性を有し、顧客のニーズを速やかに反映できる開発力を当社グループ内に有していることを強みとした競争優位性があると考えております。

(5)事業上及び財務上の対処すべき課題

①顧客基盤の拡大とサービス利用の深耕

 当社グループの主要顧客は調剤薬局であり、顧客数と個人ユーザー数を拡大することが一義的な課題です。薬局ポータル処方箋予約サービス「EPARKくすりの窓口」では、掲載薬局数や掲載情報が多ければユーザーのご希望に叶う薬局、ご希望のお薬を探せる機会が増え、医薬品価格交渉・共同購入サービス「みんなの共同仕入れサービス」では、加盟薬局数が増えることで、価格交渉力強化による生産性向上が期待でき、医薬品不動在庫売買プラットフォーム「みんなのお薬箱」では、加盟薬局数が増えれば売買取引の機会が増えるなど、当社サービスは、利用する顧客やユーザーが増え、利用頻度が上がることでより利便性を増すものとなっております。そのため多くの調剤薬局に当社サービスにご加盟頂き、また積極的にご活用いただくことが、「医・薬・介護、個人ユーザー(患者)をつなぐプラットフォーム」という経営戦略を実現していくための当社の主たる課題となります。また、加盟数及び活用の増加は、直接的な収益のみならず、広告収入や、一般消費者に対する間接的な他サービスの提供など、副次的な収益の基盤ともなるものです。

②医療分野及びヘルスケア分野への展開

 当社グループは、調剤薬局を主要対象業種として事業展開を行っておりますが、処方箋予約と併せ、オンライン診療又はオンライン服薬指導の予約サービスを取扱う、電子お薬手帳の情報を個人ユーザーの健康管理にご活用頂く、など、医療分野及びヘルスケア分野との関りを強化していくことが顧客及び個人ユーザーの利便性向上に不可欠です。当社グループは、「医療とユーザーを繋ぐプラットフォーム」とのコンセプトのもと、医療分野及びヘルスケア分野への展開、個人ユーザーの利便性向上を企図しており、同分野においても、業界内の確固たる地位を築くことを課題としております。

③競合との差別化

 当社グループが提供しているサービス分野においては、異業種も含めた他社が類似サービスによって参入してくることもあり、今後競争が激化することも考えられます。処方箋ネット予約、電子お薬手帳、オンライン診療及び服薬指導等、従前であれば、いわゆるDX化を行うだけでも価値が認められましたが、これらが当たり前となる今後の事業環境においては、競合他社とのサービスの内容や特徴等の差別化が課題と考えております。

④新サービス開発、提供のスピード

 競争激化が予想される事業環境において競合サービスに対抗していくためには、差別化されたサービスを迅速に提供し、拡大していくことが不可欠と考えております。当社グループは専門性の高いグループ企業群を有しており、顧客のニーズを速やかにサービスに反映できる自社開発力が強みのひとつであると考えておりますが、顧客及び個人ユーザーのニーズ及びウォンツを汲み取り、最適なサービスの企画を立て、短期間に開発を行い、市場に展開し、また改善を加えていく、というPDCAサイクルをいかに迅速かつ適切に回していくかが調剤薬局をはじめとする医療関係者に新たな価値を提供していくための当社グループの課題と考えております。

⑤社内体制の整備について

 当社は、外部委託していた受発注や代金請求業務その他の管理業務を第17期連結会計年度(自2020年4月1日至2021年3月31日)より順次内製化し、社内体制の整備強化に努めておりますが、これらの業務の効率化及び適正化や、そのための継続的なシステム構築も課題と考えております。

⑥人材の確保及び育成

 当社グループが成長を継続し、事業基盤を強化していくためには、サービス、システムの開発や営業などの各部門において優秀な人材を確保、育成し、性別、国籍、人種等にとらわれない多様性のある人材を登用していくことが当社グループの経営戦略を進めていくうえで必要と考えております。そのため、各種情報発信による採用活動の継続、社内研修制度の充実、適切な人材配置、人事評価の実施等を行い、更なる組織の強化に努めてまいります。

⑦流動比率について

 第20期連結会計年度における流動比率は114.3%となっております。当社は「みんなの共同仕入れ」サービスにおいて関連会社グローバル・エイチ株式会社を通じて医薬品卸事業者から薬局への請求代行業務を代行しており、医薬品の売買代金の授受における回収と支払のサイト差による資金余剰ができるスキームを構築していることがその要因です。そこで、資金余剰額を常時管理し、さらに複数の取引銀行に当座貸越極度を設定し、スキームの安定運用を図っております。

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