企業兼大株主あいホールディングス東証プライム:3076】「卸売業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 下記の文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。

(1)会社の経営の基本方針

 当社グループは「すべては『信頼』と『誠実』から始まり人と社会に認められる価値を創造する」を経営の基本理念としております。この理念実現のため、グループ傘下の事業子会社の営業拠点を活用し、国内はもとより海外からもお客様のニーズを汲み上げるとともに、これらに応える商品の企画、研究開発、製造及び販売をすることを基本方針としております。

 特に、戦略的なコアとなる事業領域を、セキュリティ市場及びニッチ市場に絞り込み、これらの市場に向けて他社に先駆けた商品及びビジネスモデルの提供をしてまいります。また、節電・省エネシステムの開発及び販売、製品・サービスのIoT化、AI化にも注力し、市場における競争力強化、新規市場の開拓を図ります。このための重要施策として、積極的なM&A及び業務提携を行い、商品開発力及び営業力の強化を図ることにより、事業の更なる拡大を目指してまいります。

(2)目標とする経営指標

 当社グループは、商社部門とメーカー部門が共存しており、売上高は両部門のバランスにより変動することから、経営計画においては、営業利益に絶対値目標を定め、経営を推進しております。また、当社は引き続き成長に向けてM&Aを強化する方針です。このため、短期的にはのれん代償却等により利益が変動する可能性がありますが、長期的にはEPSを重要な経営指標と設定し、その最大化に努めてまいります。

(3)中長期的な会社の経営戦略

 当社グループは、高い収益力と安定性を確保することを中長期的な経営戦略の柱に置いて、変化の激しい業界に対応してまいります。このためにM&Aを重要な経営上の戦略手段と位置付けており、これからも積極的にM&Aに取り組む方針です。

 なお、M&Aによる事業参入及び撤退基準として明確な数値基準は設けておりませんが、事業の成長スピード・市場シェア・安定性等を基準に判断しております。撤退検討に際しては、一律の撤退基準を設けている訳ではなく、それぞれの事業における定性的リスク(例えば人材獲得等)を鑑み判断しております。また、中長期的な企業価値最大化の観点から、成長事業においても、状況や必要に応じて、事業売却等も行い、獲得した資金等を新たな成長分野に投じる方針を有しており、随時、事業ポートフォリオの見直しを行っております。

(4)経営環境

 社会経済活動が正常化したことで、インバウンド需要が回復し、雇用・所得環境が改善する中、緩やかな回復基調で推移しました。しかしながら、円安進行などによる物価上昇、中東情勢の悪化やロシアによるウクライナ侵攻の長期化、中国経済の低迷等、先行きは不透明な状況が続いております。

 そのような全般的な経営環境の下、セキュリティ機器事業につきましては、安定したマンション向けの更新需要をベースに、企業や施設間でのセキュリティ性向上への関心の高まりや「見える化」ニーズの増加に加え、新規建設需要、リニューアル、増設等の需要が見込まれております。一方、技術革新要素としては、映像圧縮方式・光学技術・クラウドシステム化・AIの活用など業界の根本での急激かつ大きな変化が起こりつつあります。

 カード・その他事務用機器事業につきましては、その他事務用機器事業における鉄構業界向けの専用CADソフト販売がゼネコン向けBIM(Building Information Modeling)を含めて堅調な需要が見込まれております。一方、カード機器事業においては、病院向け事業は、診察券即時発行機のリプレースに安定した需要があり、金融機関向け事業等においては、キャッシュカード即時発行対応等の地域金融機関のサービス強化に伴う新規投資需要が見込まれております。

 情報機器事業につきましては、業務用カッティングマシン事業については、既に国内・海外市場共に成熟しておりますが、新たな主力商品となったコンシューマ向けカッティングマシンの、主に海外市場における販売拡大が見込まれます。足元では欧米諸国の個人消費の冷え込みの影響等により厳しい環境にありますが、引き続き新製品開発と新たな販路の拡大に注力することで業績拡大を図ります。

 設計事業につきましては、構造設計の強みを活かして公共、民間ともに安定した受注を獲得しております。

(5)対処すべき課題

 当社グループは、セキュリティ機器、カード・その他事務用機器、情報機器、設計事業、脱炭素システム事業等、多岐にわたる事業活動を展開しておりますが、円安進行などによる物価上昇、中東情勢の悪化やロシアによるウクライナ侵攻の長期化、中国経済の低迷等が続く中、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクや、資材価格の高騰、供給面での制約、金融資本市場の変動等の影響といった各事業分野共通課題への対応に加え、それぞれの事業分野ごとに抱える以下の課題への対応が必要となっております。

 セキュリティ機器につきましては、事業の軸となるマンション市場においては、リプレース・新規獲得ともに順調に推移しておりますが、継続的に導入機器の見直しを行い、利益構造の更なる改善が課題となっております。一般法人向け市場に対しては、価格競争力と高機能ラインアップのすみわけ、未参入市場への切込みによるボリューム拡大及び施工業者の発掘と教育が課題となっております。

 カード機器につきましては、金融機関や流通向けでは、キャッシュカードやクレジットカードの即時発行市場における販売促進が課題となっております。また、病院市場においては、新商品の投入、ハード販売から柔軟な提案による複合販売、高齢化社会に伴う老健・介護施設等への事業拡大を推進していくことが課題となっております。

 情報機器につきましては、業績の主要な部分を占めるコンシューマ向けの小型カッティングマシン事業の更なる伸長が課題となります。今後も新製品の投入によって競合他社との競争に打ち勝ち、市場的にはまだまだ拡大の余地があると考えられる当事業において更なるシェアアップを図ることが課題となっております。

 設計事業につきましては、利益率の高い耐震診断業務が減少傾向にある中、官庁・民間の設計業務の受注が伸びを見せております。一方、人材獲得の競争も激化しており、人材の確保及び働き方改革の流れの中での業務の一層の効率化が課題となっております。

 また、今後の成長分野として、脱炭素システム事業を開始しております。革新的な節電・省エネシステムとして大変好評を得ており、グループ全体で積極的に取り組んでおりますが、機器の開発・製造、販売、設置等にかかる人材の確保が課題となっております。

 新たに、9月に当社グループ・インした100%子会社「岩崎通信機株式会社」とのグループシナジーを早期に実現させることが重点課題となっております。

 当社グループは、業績の拡大と収益力の向上のため、こうしたそれぞれの事業体質をより強固にする課題解決のための施策を迅速に立案、実施する一方、ホールディングカンパニーとしての特徴を活かしながら、内部統制機能の見直しと充実を図ることにより、コンプライアンス体制の一層の強化も図ってまいります。

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