企業兼大株主マツダ東証プライム:7261】「輸送用機器 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、本報告書提出日時点において当社グループが判断したものであります。

(1) サステナビリティ基本方針

 コーポレートビジョンに基づき、私たちマツダグループは、すべてのステークホルダーの要望や期待に誠実に応えるよう努力しながら、グローバルな事業活動を通じて企業としての持続的な成長を目指すとともに、自社の強みを生かしてさまざまな社会課題の解決に向け取り組むことにより社会の持続可能な発展に貢献していきます。

(2) ガバナンス

 当社グループは、社会環境の変化を踏まえ、グローバル視点で当社に期待されているサステナビリティの取り組みを討議するため、「CSR経営戦略委員会」を設置し、定期的に開催しています。CSR経営戦略委員会は、代表取締役社長を委員長とし、経営会議メンバーで構成されており、重点課題(マテリアリティ)の見直し・特定及び社会からのニーズやトレンド、社外評価分析結果などを討議しています。CSR経営戦略委員会で決まった取り組み方針やガイドラインを理解した上で、社内各部門は、業務目標や計画などを策定し、グループ会社と連携を図りながら、業務を行っています。また、取締役会で適時・適切にサステナビリティを巡る課題の報告と討議を行っています。

(3) 戦略及びリスク管理

 当社グループは、国連が定めるSDGsや、グローバルなESG評価機関の調査項目などを参考としたステークホルダーにおける影響度、中期経営計画の実現に向けた事業取り組みなどの当社グループにとっての影響度(リスクと機会)の2つの視点を考慮し、重点課題を見直し・特定しました。特定したマテリアリティの項目に対し、着実な実行とフォローアップを行うための具体的な取り組み計画を策定中です。今回特定したマテリアリティと今後策定する取り組み計画をステークホルダーへ開示するとともに、定期的に評価し、見直すことで、計画・実行・評価・改善というPDCAプロセスを構築していきます。

[マテリアリティの8つの項目]

「地球」

・2050年カーボンニュートラルへの挑戦

・資源循環

「人」

・人々の心の健康への貢献

・働きがいの向上

「社会」

・事故のない安全なクルマ社会の実現

・心豊かに生活できる仕組みの創造

「地球」「人」「社会」共通

・品質向上

・「人と共に創る」仲間づくり

 マテリアリティの見直し・特定プロセスにつきましては、2022年12月公表「マツダサステナビリティレポート2022」(P10)をご参照ください。

(https://www.mazda.com/globalassets/ja/assets/sustainability/download/2022/2022_all.pdf)

(4) TCFD(*1)への対応

TCFD推奨開示項目(*2)に沿った概要は次のとおりであります。詳細につきましては、以下のWebサイトをご参照ください。

(https://www.mazda.com/globalassets/ja/assets/sustainability/download/disclosure/tcfd_20230614.pdf)

[基本的な考え方]

 当社グループは2019年5月、「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」に対する賛同を表明して「TCFDコンソーシアム(*3)」に参加し、気候変動への取り組みを強化していく姿勢を示しました。また、2021年1月には、2050年サプライチェーン全体でのカーボンニュートラルへの挑戦を宣言しました。TCFD推奨開示項目に沿って、気候変動への取り組みを進めていきます。

①ガバナンス

<移行リスク>

2050年のCNへの挑戦にあたり、取締役がCN戦略を統括し、CN担当役員を任命しています。2021年、経営戦略室をリード部門とし商品・製造・購買・物流・販売・リサイクルなどに携わる部門から成るCN対応を専門とするチーム(以下、専門チーム)を結成しました。CN担当役員の下、経営戦略室がチームを率いて、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)や国際エネルギー機関(IEA)のシナリオや動向をもとに選別したリスクと機会へのライフサイクルアセスメント(LCA)視点での対応戦略、取り組みに必要な投資や経費、対応スケジュールなどを立案・推進してきました。

2023年4月、経営戦略室と商品戦略本部の一部機能を統合した経営戦略本部を新設し、その中にCN戦略を推進する部署を新たに設置しました。従来の専門チームはこの部署のリードの下、それぞれの専門領域にて、戦略立案と共にこれまで立案された戦略に基づいた計画を実行に移していきます。また、計画実行を全社で推進するために、従来からのISO14001環境マネジメントシステム(EMS)にCNを融合させる管理を開始しました。また商品・技術の領域においては、経営戦略本部内に新設された部署にて、全社戦略と整合した計画立案を推進していきます。

 こうした戦略は、代表取締役社長も出席する経営会議や取締役会で報告・審議(*4)しています。また、気候変動を含むサステナビリティを巡る課題への対応については、取締役会へ適時・適切に報告しています。

<物理的リスク>

 気候変動に伴う急性の物理的リスクである豪雨災害対応などについては、従来より事業継続計画(BCP)の一環として緊急時のリスクマネジメント体制の中で管理しています。

 また、慢性の物理的リスクである高潮や水の枯渇への懸念に対しては、護岸インフラの補強や水保全の取り組みを専門部門の実務の中で進めています。

②戦略

IPCCやIEAのシナリオ、政策や規制動向、業界動向をもとにした検討から、当社独自の前提を置いたシナリオを策定し、この中から主なリスクと機会として以下を認識しました。

<主なリスクと機会>

移行
リスク

政策・法規制

・燃費や排出ガス規制の強化、炭素税導入などのカーボンプライシングの厳格化

技術

・電動駆動や電池など、電動化技術開発リソースの拡大

市場

・電動化や軽量化のための原材料価格の高騰や半導体部品調達の逼迫

・政情や市場の影響による化石燃料および再生可能エネルギーの逼迫によるエネルギー価格の高騰や供給不安定化

評判

・投資家によるESG投資判断への影響

物理的
リスク

急性

・甚大化する豪雨による災害やサプライチェーン寸断に伴う生産停止、熱波による健康被害

慢性

・自然災害の激甚化や災害の頻発、海面上昇に伴う高潮発生頻度の高まりなどによる生産停止影響の拡大、操業に必要な水の枯渇や水価格の上昇、熱帯性の疫病の蔓延

 

 

 

機会

資源の効率性

・マテリアルリサイクルの徹底による原材料の効率的活用

エネルギー源

・地域と連携した電力需給推進によるCN電力の安定受給

・再生可能エネルギー源の多様な選択

製品/サービス、市場

・ビルディングブロック構想、マルチソリューションによる適材適所の商品展開

・自動車用次世代燃料(バイオ燃料、合成燃料などの代替燃料)に適応した商品の多様化

・適材適所の商品展開および商品の多様化による市場機会の拡大

③リスク管理

<移行リスク>

IPCCやIEAのシナリオ、政策や規制動向、業界動向をもとにした検討から主なリスクと機会を抽出しました。専門チームでは、隔週で取り組みの進捗状況や課題を共有しながら、リスクの特定・評価プロセスを実施しています。検討した戦略は、代表取締役社長も出席する経営会議や取締役会で報告・審議しています。

 また、お取引先さまに対しては、当社から定期的に共有プラットフォームで気候関連リスクに関する情報を共有しています。

<物理的リスク>

 豪雨災害などへの迅速な対応体制を整備し、従来より事業継続計画(BCP)の一環として緊急時のリスクマネジメント体制の中で管理しています。こうした取り組みに加え、近年において豪雨災害が激甚化・頻発化していることから、気象予報収集力を高め、予め設定したタイムスケジュールに基づき迅速な防災対応意思決定ができるようにしています。また、大雨シーズン毎に対応の振り返りを行い、対応力の改善を行っています。

 高潮や水の枯渇への懸念に対しては、護岸インフラの補強や水保全の取り組みを専門部門の実務の中で進めています。

 近年頻発化している熱波に対しては、従業員の健康管理として、定期的に職場ごとの暑さ環境を計測・評価し、適切な空調設備などの維持管理につなげています。また、建屋においては断熱材・断熱塗料などを活用し、環境に配慮した対策を取り入れています。

 疫病蔓延への防備として、従業員をはじめ同居する家族の方々が感染した場合も想定した就業環境を整備・運用しています。

④指標と目標

・Scope1、2、3(*5)の温室効果ガス(GHG)排出量

2021年度の実績につきましては、2022年12月公表「マツダサステナビリティレポート2022」(P113)をご参照ください。

https://www.mazda.com/globalassets/ja/assets/sustainability/download/2022/2022_all.pdf

・水使用量

2021年度の実績につきましては、2022年12月公表「マツダサステナビリティレポート2022」(P116)をご参照ください。

(https://www.mazda.com/globalassets/ja/assets/sustainability/download/2022/2022_all.pdf)

・主な目標と指標

<温暖化対応>

商品領域

目標:2050年カーボンニュートラル実現

2030年時点の中間指標:EV比率(グローバル販売における電動化比率は100%、EV比率は25-40%を想定)

製造領域

目標:2035年にグローバル自社工場のカーボンニュートラル実現

指標:工場カーボンニュートラル進捗率

<水資源保全>

製造領域

目標:2030年に国内の当社グループ全体の取水量を38%削減(2013年比)

指標:取水量削減率

(*1)TCFD:Task Force on Climate-related Financial Disclosures の略。G20 財務大臣及び中央銀行総裁からの要請を受け、金融安定理事会(FSB)が設置した、民間主導の組織

(*2)出典:https://tcfd-consortium.jp/about

(*3)気候変動に関して「企業の効果的な情報開示」や「その開示情報を金融機関などが適切な投資判断につなげる取り組み」について議論することを目的として国内で設立された団体。経済産業省・金融庁・環境省がオブザーバーとして参加。

(*4)2023年6月時点、取締役会で4回報告・審議。

(*5)Scope 1:燃料の使用や工業プロセスにおける排出量などの直接排出、Scope 2:購入した熱・電力の使用に伴う排出(エネルギー起源の間接排出)、Scope 3:Scope 1, 2を除く、その他の間接排出。

(5) 人的資本(人材の多様性含む)への取り組み

①戦略

 当社グループは「最大の経営資源は人である」と考えており、どこよりも「人」がイキイキしている企業を目指しています。「人と共に創る」という価値観のもと、人種、国籍、信条、性別、社会的身分、門地、年齢、精神もしくは身体の障害、性的指向、性自認など、さまざまな背景を持った従業員の多様性を尊重します。また、働き方/処遇/働く環境改善を含めた取り組みを行い、従業員のモチベーションの向上と全体最適の視点による業務の効率化を推進していきます。

 そして、成長・雇用・分配の好循環を回す観点から、雇用を維持しつつ、成長による成果をステークホルダーに還元するとともに、従業員への持続的な還元にも繋げていきます。

 具体的には、雇用の安定、生活の質の向上、人材育成の観点から、会社の現状を考慮し、柔軟に賃金の引き上げを含めた従業員への還元を行っていきます。

 還元の1つとして、処遇改善だけでなく、教育を含めた人への投資も計画、実行中であり、その一例として、「デジタル人材」育成投資を開始しました。今後も、企業の成長につながる能力開発支援を始めとする投資を進め、従業員の活躍や成長を後押ししていきます。

 これらに向けた人材育成体制・社内環境整備の実施状況については、2022年12月公表「マツダサステナビリティレポート2022」(P42-P63/P119-P123)をご参照ください。

https://www.mazda.com/globalassets/ja/assets/sustainability/download/2022/2022_all.pdf

②指標と目標(提出会社)

「①戦略」に記載のとおり、当社は、従業員の属性に関係なく、個人の能力や実績に基づき人材登用することを方針としているため、女性管理職数及び男性育児休職者数以外には、自主的かつ測定可能な目標を定めておりません。

<女性雇用の拡大と活躍の場の創設>

 当社は、ワークライフバランス施策の充実などを通して、女性にとって働きやすい職場づくりの取り組みを進めています。2021年に、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(女性活躍推進法)」および「次世代育成支援対策推進法」に基づき、「2025年度までに女性管理職数: 80人とする(2014年度比約4倍)」と「2025年度までに男性育児休職取得者数(*6): 80人/年とする(2020年度比約2倍)」を数値目標として、事業主行動計画の届け出を行いました。

2023年3月末時点における当社の女性管理職数は65名、男性育児休職取得者数(*6)は117名と着実に進捗しています。登用候補となる女性社員の個別育成計画を策定・推進するとともに、男性従業員も含めた全社的な育児休職制度の周知・運用見直し・啓発活動を開始し、女性の活躍をさらに加速させていくよう、今後も取り組みを進めていきます。

(*6)当社独自の育児休暇取得者数及び2022年10月に施行された出生時育児休職取得者数は含まない。

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