CSSホールディングス 【東証スタンダード:2304】「サービス業」 へ投稿
企業概要
当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営の基本方針
当社グループは、1984年の設立以来、「質の高い”おもてなし”の創造」を理念とし、ホテルの食器洗浄・衛生管理等のスチュワード事業を中心に展開してまいりました。その後、給食事業、音楽・映像・音響・放送機器関連事業を傘下に加え、現在では6つの事業会社からなるグループを形成し、お客様に「最適なサービス」を提供するための環境を実現することを経営方針の柱として掲げております。
(2)経営環境、優先的に対処すべき課題
当社グループは、2024年に迎える40周年に向けて、2022年9月期を始期とする3か年の中期経営計画「Value Innovation 2024」を策定し、ますます加速する事業環境の変化に対応すべく、「基軸事業の強化による収益力の向上」「人財育成の強化」「ESG課題への取組み推進」「グループシナジーや外部リソース活用による新たな価値の創出」を軸に経営基盤の再構築を図り、目標達成に向けて取り組んでまいりました。
計画2年目となる当期においては、中期経営計画「Value Innovation 2024」の計画当初に最終年度の3年目の目標水準とした売上高14,300百万円、親会社株主に帰属する当期純利益200百万円、ROE8%を一年前倒して上回る水準に到達いたしました。計画3年目となる次期2024年9月期の業績予想は、連結売上高16,221百万円、連結営業利益352百万円、連結経常利益370百万円、親会社株主に帰属する当期純利益270百万円としております。
また、来る2025年9月期を始期とする次期3か年の中期経営計画に対する方針「Value Innovation 2024 and Beyond」の策定を進めております。各事業において新たな取り組みを積極的に展開することで、企業価値の向上に全力で取り組んでまいります。
各事業における重点施策は以下のとおりです。
<スチュワード事業>
当事業は2023年9月期において前連結会計年度比41.2%の増収でコロナ禍前の水準に復調しました。引き続き主要顧客であるホテル・レストラン・テーマパークという観光・レジャー業界需要は強く当社への業務委託ニーズは一層強まっていくものと思われます。
このような状況において、人財の確保が大きな課題となっています。当社は従来からの雇用基盤の厚さに加えて、新卒採用の拡大、採用手法の多様化、リテンション強化など様々に取り組み、一年間で従業員は1千名を超える純増となりました。
現在の課題は、従業員にいかに活き活きと働いてもらうことができるか、年齢や国籍など多様性に富む人財が最大限のやりがいと生産性を実現するために、どのような教育機会や業務サポートあるいは福利厚生や適材適所人事など、入社後の継続的なエンゲージメント構築であります。これらが最終的にはお客様への提供品質向上につながっており、一層の力を入れて参ります。積年で培った自前の人財組織や経験ノウハウに加え、外部のパートナーによる知見や先進的なノウハウも積極的に試用しながらベストプラクティスを磨き続けることで、業界のリーディングカンパニーであり続けるため腐心してまいります。
<フードサービス事業>
当事業も2023年9月期において前連結会計年度比47.5%の増収でコロナ禍前の水準に復調しており、特に主要顧客であるホテル・レストランといった観光・レジャー業界の需要の高まりに加えて、インバウンド観光客や国内外の団体旅行客といった喫食率の高い人出の活性化及びホテルの新規開業状況を背景に業務の委託ニーズは一層強まっております。
このような状況において、フードサービス事業もスチュワード事業と規模感の違いはあれども人財の確保が課題であります。この点に関してはスチュワード事業と連携しながら採用の効率性やリテンション維持を高めて参ります。
また、昨今の様々なコスト高騰の影響を受けた食材コストアップの影響も避けられません。幸いお客様のご理解をいただき、上昇コストを価格転嫁して吸収することも実現しております。同時に、メニューラインナップの見直し、調理レシピの見直し、食材調達先の継続的な開拓および検討など、クオリティとコストのバランスを活かしたコストコントロールにも腐心しております。厳しい環境下においても「安心・安全」を第一に豊富な経験・実績と多様なパートナーとの連携によって、クオリティの高い商品・サービス提供をするユニークな事業者という個性を磨いてまいります。
<空間プロデュース事業>
当事業は、コロナ禍の影響による顧客の設備投資の見送りや縮小、不安定な国際情勢による原材料不足や物流コストの高騰、円安の進行による利幅減少など、さまざまなマイナス要因がありました。しかし、営業活動はこの一年で復調できたと考えます。売上はコロナ前の水準にはまだ及ばないものの、対前連結会計年度比24.9%の増収となりました。
現在の課題は、この復調状況にある営業活動をより強力に推進することであり、お客様に一層の興味関心をもっていただくサービスソリューションや販促活動をいかに力強く展開できるかであります。そのために、外部パートナーと積極的に連携しながら機会を創り、活かして参ります。サービスソリューションにおいては、カメラを中心としたAIソリューション、香り・映像・音響・緑化などを複合的に提供する空間プロデュース、あるいは設備提供に関連して求められる運用やコンテンツへのサポート拡張など、お客様の課題解決に直結するサービスのアピールを強化します。販促活動においてはメーカーあるいはコンベンション主催者の活動量が増えていることを機会として露出量を増やしていきます。また、商品調達に関する難易度やコスト環境に変化があることから、より収益性を意識した営業販促活動を進めてまいります。
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