企業飛島建設東証プライム:1805】「建設業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社は、「ブランド・ストーリー」「バリュー」「目指すべき姿」からなる中長期経営ビジョンのもと、土木・建築・環境分野を柱に、「建設生産システムの革新」、「社会基盤施設の維持管理」、「Well-being」、「国土保全と防災・減災強化」を重点戦略とした技術の研究開発に取り組んでいる。

 当連結会計年度における研究開発費は900百万円であった。また、当社の研究開発体制及び当連結会計年度の主な研究開発成果は以下のとおりである。

(土木事業)

〔コンクリート中鉄筋の腐食状態を非破壊で測定する「Dr.CORR」〕

 学校法人東京理科大学、国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所港湾空港技術研究所と共同で、コンクリート中の鉄筋の腐食状態を非破壊で測定する鉄筋腐食測定機「Dr.CORR」を開発し市販を開始した。3つの測定プローブを鉄筋直上のコンクリート表面に貼り付けることで、コンクリートをはつり出すことなく構造物中の鉄筋のインピーダンスが測定可能であり、測定結果に対して等価回路によるフィッティングと既往手法を適用することによって、鉄筋の腐食速度が推定できる。鉄筋の腐食状態はコンクリート構造物の補修・補強工法の選定における重要な指標になるものであり、「Dr.CORR」の普及、活用を推進し、橋梁をはじめとする全てのコンクリート構造物の効率的な維持管理の推進に貢献していく。

〔建設振動対策技術「防振堤」〕

 国立大学法人埼玉大学と共同で、建設工事振動の伝播経路となる地表面に設置するだけで工事振動を低減する「防振堤」を開発し、製品展開を開始した。防振堤には、約15Hz以上の幅広い振動に対して効果を発揮する「質量体」と、受振側の建物の固有振動数を低減対象として適用することで高い低減効果が期待できる「振動系」の2種類があり、求められる低減効果や現場条件によって使い分けを行う。

(建築事業)

〔FMS合金製U形ダンパー制震工法「アイラッド制震工法」〕

 鉄筋コンクリート造建築物向けの小型で軽量な履歴型制震ダンパー「アイラッド」を開発し、「FMS合金製U形ダンパー制震工法「アイラッド制震工法」について、一般財団法人日本建築センターより評定(BCJ評定-SS0060-01)を取得した。アイラッドは、①二次壁内への配置が可能であり、平面プランの制約を受けることなく配置が可能、②小型・軽量であるため人の手で運搬、設置工事が可能、③構成部材がシンプルであるため低コスト、④繰返し性能に優れるため被災後の取替えは不要など、これまでの制震ダンパーにはない特長を多く有している。巨大地震や繰返し発生する地震に対して、継続使用が可能なRC造建物の提供に貢献できるように、アイラッド制震工法を積極的に提案していく。

〔音場可視化システム「OTOMIRU Ver.2」〕

 学校法人早稲田大学と共同で、3次元の音場情報をリアルタイムで実空間上に投影する音場可視化システム「OTOMIRU Ver.2」を開発した。OTOMIRU Ver.2は、マイクロホンアレイで収録した音から空間全体の音圧レベル分布を算出し、MRデバイスやARデバイスを介して実空間上に音圧レベル分布のカラーマップを投影するシステムである。複数断面内もしくは物体表面上の音圧レベル分布をMR・ARデバイスを用いて可視化することで、空間全体の騒音源や遮音欠損部を一度に探査することを可能とした。本システムを建設工事現場や建物内部での騒音調査・騒音対策効果の検証に適用し、環境負荷の少ない施工や音環境品質の向上に貢献するとともに、エンタメ分野等他分野への適用についても展開していく。

(開発事業等)

  1 開発事業

 当連結会計年度においては、研究開発活動は特段行っていない。

  2 その他の事業

◇「トビシマダッシュボード」<情報・作業所管理の可視化>

「e-Stand」を基盤に、様々な情報を共有し、作業所管理状況、工事進捗等を可視化する取組みを継続している。社内技術資料の検索を容易にする仕組み、帳票入力の一元化等高効率化と業務の高度化を、更に目指していく。

◇「自動化に向けたAI活用」

「AI現場監督」による施工管理の自動化を目指している中、ルーチンワークにおいて自動化を開始したが、「生コンクリートの荷下ろし管理」を、任意に設置したカメラ映像にて荷下ろし開始と終了を判断、記録し、結果をリアルタイムで帳票に落とし込むAIを開発した。このシステムにより、省力化だけではなく、生コンクリート打設終了後に作成していた帳票類が自動で作成されるようにもなり、労働時間削減にも寄与している。また、作業所定点カメラ映像を利用した「AIによる不安全行動検知」の開発も継続しており、トラック荷台からの飛降りなどの不安全行動を、AIが高い精度で検知している。

 今後は、脚立作業等の「不安全行動検知」と開口部の有無等「設備不備の検知」等にも取り組んでいく。

◇「サイバー建設現場」

 建設現場を俯瞰して理解するため、映像・写真・BIM/CIM、センサデータ、その他のデジタルデータを統合し、Web上に再現する「サイバー建設現場」を開発した。建設現場を、時間推移を反映させた4Dモデルとして表現でき、工事関係者間の情報共有プラットフォームや遠隔支援プラットフォームとして機能するものであり、本システムは、現場から収集したデータを分析して、課題発見・解決を図り、検討結果を施工へフィードバックする施工改善システムである。既に国土交通省発注工事にて運用を開始しており、国土交通省が提唱する「インフラ分野のDX」における「コミュニケーションをよりリアルに」と「現場にいなくても現場管理を可能に」を実現している。

 今後は、更なる機能向上と適用現場の拡大を進めていく。

(注) 1  アイラッド(I2(2は二乗)RUD)は、当社の登録商標である。

2  OTOMIRUは、当社及び株式会社INSPIREIの商標(出願中)である。

3 サイバー建設現場は、当社の登録商標である。

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