企業兼大株主酒井重工業東証プライム:6358】「機械 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当企業グループが判断したものであります。

(経営の基本方針)

 当企業グループは道路建設機械事業を通じて、国土開発という社会事業に貢献することを経営の基本方針としています。ユーザの方々に信頼のおける製品とサービスを提供すること、道路建設機械のスペシャリストとして常に技術の深耕を図り、道路事業の発展に有益な技術を創造して行くこと、そして道路建設機械で培った専門技術を周辺分野の事業にも役立てて行くことが、当企業グループの存在意義であり、責務であると考えております。

 この基本方針に基づき、株主の皆様より出資された資金並びに社員の能力を最大限生かせる会社運営を行うことにより、株主の皆様の期待に応えられる業績を挙げて行くことに全力を尽くして参ります。

(中期的な会社の経営戦略)

 当企業グループは、国内建設投資の成熟化と激動する世界経済の中で現在成長の踊り場を迎えております。我々と致しましては、強みである道路建設機械事業の更なる専門化と国際化を会社の進むべき方向とし、事業構造革新を強力に進めて行く方針であります。この為、①国内事業の安定化、②海外事業の更なる拡大、③魅力ある新製品開発とサービスの提供を中期経営課題として定め、国際競争力の向上と国内外事業による安定的収益構造確立によって、中長期的な持続的成長と国際市場におけるトップメーカとしての地位を目指して参ります。

(中期的な経営方針)

 当社は、2022年3月期から2026年3月期の5ヶ年を対象とした、中期的な経営方針を策定し、2021年6月に公表致しました。

1.当社の目指す企業像

(1)あるべき当社の姿

・ 道路建設機械における世界一流のグローバルニッチ企業

・ 中期経営計画として、売上規模300億円の基盤固め

・ 長期目標として、売上規模500億円企業への成長

(2)プライム市場への上場維持確保

・ これまでの安定志向の経営から脱却し、質実ともにグローバル水準の企業経営への脱皮

・ 「事業成長」と「資本政策」を二本柱とした経営への転換と、これを通じた企業価値の向上

2.中期的目標

 売上高300億円、ROE8%を実現し、安定的に配当性向50%(DOE4%)を維持

3.KPI

KPI

21/3実績

24/3目標

26/3目標

売上高

216億円

265億円

300億円

営業利益

7億円

20億円

31億円

ROE

0.0%

5.5%

8.0%

配当政策

ROE3%を下回る場合は配当性向100%の還元

ROE3%~6%の間はDOE3%の還元

ROE6%を超えた場合は配当性向50%の還元

自己株買い

5~20億円規模を上限とした機動的な自己株買い

(経営環境)

 国内市場

 国内市場は、総額15兆円(国費7兆円半ば)の防災・減災・国土強靭化加速化対策(2021年〜2025年)を背景とした堅調な建設需要が期待されるものの、度重なる建設機械の値上げに対してレンタル業界の価格転嫁が進まず、建設機械需要の調整局面を迎えつつあります。

2024年問題を契機として、人手不足に対する合理化投資の増加や、価格転嫁に対する建設業界の意識転換が間違いなく進みますので、一時的な調整を経て、建設工事実需に裏付けられた建設機械需要に収束するものと予想しています。

 またレンタル業界においては、建設機械の先行き価格上昇と金利の上昇が予想される中、設備投資の前倒し発注が再開するとともに、建設機械仕入れコストと人件費と運送費の上昇に伴うレンタル単価引上げが漸く始まるものと予想します。

・ 政府建設投資

2024年度の建設投資予想は、インフレ要因を取り除いた実質ベースで前年同期比0.9%増の59兆40億円です。その内、公共投資関連の政府建設投資予想は、実質で同0.9%増の21兆2,900億円と、引き続き高水準の予算が確保される見通しです。

・ 5ヵ年国土強靭化加速化対策

2023年度補正予算で、国土強靭化加速化対策4年目予算として、事業規模2兆3,600億円、国費1兆5,200億円(インフレ分追加措置3,000億円を含む)が決定しました。4ヵ年累計の事業規模は11兆8,000億円、国費は6兆2,000億円になる見通しです。

 高規格道路と直轄国道のダブルネットワーク化、高規格道路のミッシングリンク解消、4車線化への取組み強化、予防保全型メンテナンスが進みます。

・ 国土強靭化実施中期計画

 国土強靭化加速化対策は2025年で終了しますが、次期計画継続を担保する「国土強靭化実施中期計画」が法制化され、今年は次期国土強靭化計画の審議が始まります。引き続き高水準の政府建設投資が確保される見通

 しです。

・ 防衛力整備計画

 政府は国家安全保障戦略として今後5年間で43兆円の防衛力整備計画を決定しました。既に馬毛島で大規模防衛施設工事が始まっています。またその一環として、公共インフラを防衛力強化に活用する方針も決まり、九州、四国、南西諸島、北海道などの33空港・港湾を候補として整備が進みます。特に滑走路延長では、与那国空港、新石垣空港、宮古空港が候補に上がっています。

 海外市場

・ 北米市場

 昨年10月時点における北米の年間建設投資は、前年同期比10.7%増の2兆770億ドルでした。内、住宅建設投資は、金利高騰の影響もあり同0.9%減の8,950億ドル。道路建設投資は、インフラ投資法に基づき底堅く推移し、同12.7%増の1,320億ドルです。

 道路建設投資については、2022年からの5ヵ年連邦道路予算が前計画比35%増の3,030億ドルで確保されていますので、舗装用ローラについては引き続き強い需要が予想されます。土工用ローラについては住宅建設投資の影響を受けますので、弱含む可能性もありますが、昨年末にFRBが金融緩和への政策転換を示唆していますので、民間建設需要のソフトランディングが期待されます。

・ ASEAN市場

ASEAN主要国向け販売が昨年夏より減少に転じました。欧米の金融引き締め政策、欧米や中国向け貿易の減少により景気後退の兆候が見られます。

 また建設機械市場における競争面では、中国メーカのASEAN向け安値輸出や、欧米ブランドのインド工場からの安値輸出など、景気減速するASEAN市場の中で、中印のデフレ輸出との激戦が始まっています。品質やサービスそして信用の劣る競合に対して、非価格競争領域で如何に対峙して行くか、知恵と忍耐を試される勝負どころです。

・ ODA

 昨年政府は「開発協力大綱」を改定し、相手国からの要請主義に基づくODAから脱却し、経済協力の能動的提案方式に舵を切りました。ODAの戦略的活用です。重点分野は食料・エネルギー安全保障、デジタル、質の高いインフラです。外交戦略的には「開かれたインド太平洋(FOIP)」の推進に重点が置かれています。

 国交省もこれに同調して「インフラシステム海外展開活動」を積極化する方針ですので当社では「質の高いインフラ」分野での案件形成を進めて行きます。

 世界ローラ需要

 昨年の世界ローラ需要は、前年比7.6%増の53,700台になりました。前年のサプライチェーン問題による製品供給制約が緩和し、長期受注残の解消が進んだ結果だと思われます。一方で足元の市場情勢は、昨年秋辺りに需要

 ピークを迎え、現在は調整局面を迎えています。市場動向の見極めと機敏な需要変化対応能力が求められます。

・ 日本は前年同期比8.2%減の1,950台となりました。一時的な調整局面を迎えているものの、中期的には安定した市場に戻ると予想しています。

・ 北米は前年同期比26.6%増の12,100台となりました。高い需要水準を維持していますが、来期に向けては、住宅投資が弱含んでいますので、緩やかな減速が予想されます。

・ ASEANは、前年同期比2.3%減の4,660台でした。高い需要水準にありましたが、景気後退に伴う減速が予想されます。

・ 中国は前年同期比18.2%減の6,800台でした。3年前の16,100台に対して57.5%の需要減少が進んでいます。そろそろ底入れが近づいているものと思われますが、不動産不況の悪化が進む中、乱立した建機メーカの再編が始まり、その回復には時間を要するものと予想されます。

(優先的に対処すべき事業上の課題)

 今後国内市場では、国土強靭化の為の5ヵ年加速化対策により引き続き底堅い建設投資が続くものの、建設機械を始めとした幅広いコスト上昇と建設と物流の2024年問題によるサプライチェーン全体の構造調整が続いており、一時的な足踏み状態の後に回復基調に回帰するものと期待されます。北米市場では、インフラ投資法に基づく高水準の政府建設投資が続いており、堅調な市場環境が期待されます。アジア市場では、中国市場の低迷が続くもののASEAN市場では堅調な内需による底入れが期待されます。

 また国内では、海外との格差均衡に向けた物価、賃金、金利の上昇が予想されます。世界では、ウクライナ及び中東情勢の緊迫化による世界経済の分断が進んでおり、サプライチェーンリスクと資源・物流コストの高止まりが続くものと予想されます。

 このような市場環境変化とコスト再上昇局面において当企業グループでは、販売価格改定の継続、事業の高付加価値化、DXによる新たな付加価値創造を通じた収益構造改革、賃金改善と雇用安定化、現場を動かす技能者増強、職場環境整備等の人的資本投資により、収益構造と人的組織能力の増強を進めて参ります。

 また引き続き、アジア市場深耕と北米市場展開、海外事業領域拡大、新技術活用による次世代事業開発、需要変化対応力強化による成長戦略を進めるとともに、積極的にESGを推進し、中長期的な企業価値向上を目指して参ります。

(目標とする経営指標等)

 当企業グループは、道路機械という専門技術が求められるニッチマーケットにおいて、業界唯一の独立企業として自由で健全な成長と世界のインフラ整備に貢献できるグローバルニッチメーカを目指しており、売上高、営業利益を重要な経営指標として位置づけ、本業からの収益の着実な積み上げを目指します。

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