企業兼大株主極東開発工業東証プライム:7226】「輸送用機器 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりです。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

・会社の経営の基本方針

 当社グループは、「技術と信用を重んじ 一致協力して企業の生々発展に努力し広く社会に奉仕する」ことを経営理念としています。

 お客様や取引先をはじめ株主・従業員・地域社会などの数多くの人々との関係の中で、企業としての社会的役割、責任を自覚した経営を行い、公正で健全な企業活動を通じて、安全で高性能・高品質な製品とサービスを提供して、社会への貢献と企業価値の拡大を図ることを経営の基本方針としています。

 このような方針のもと、当社グループは特装車事業、環境事業、パーキング等事業の3つを展開しています。

・中長期的な会社の経営戦略

 2030年度を見据えた長期経営ビジョン ~Kyokuto Kaihatsu 2030~及び、本長期経営ビジョン実現に向けた第1ステップである中期経営計画(3カ年計画)2022-24 ~Creating The Future As One~(2022年4月1日~2025年3月31日)では、グループ間シナジーの強化と成長への積極的投資によって強固な基盤・基礎づくりに取り組むとともに、以下の通り具体的数値目標や方針を掲げています。

<長期経営ビジョン ~Kyokuto Kaihatsu 2030~>

 長期経営ビジョンでは、「サステナブル社会の実現・発展に貢献する業界をリードするグローバルな総合インフラメーカー」を目指します。

(1)サステナビリティビジョン

・CO2排出量削減率:△38%以上

※当社、日本トレクス、極東開発パーキングにおける2013年度(2014年3月期)比の原単位

・リサイクル率  :99.0%以上の維持

(2)経営業績ビジョン

・連結売上高   :2,000億円

・連結営業利益率 :10%以上

・ROE     :10%

<中期経営計画 2022-24 ~Creating The Future As One~>

 長期経営ビジョンの第1ステップとして策定した本計画では、4つの基本方針を定め、確実な計画実行により極東開発グループの基盤確立を図ります。また、企業価値向上のため、これまでの事業活動で得た資金や有利子負債の活用により、「成長への積極的投資」と「社会・ステークホルダーへの還元」とのバランスを考慮した戦略を実行いたします。

1.基本方針

(1)社会的課題解決への貢献と価値提供の追求

(2)生産性向上と利益体質の強化

(3)持続的成長と変革を支える強固な事業基盤の構築

(4)企業価値向上を目指したキャッシュ・フローの最適分配

2.サステナビリティ目標(2025年3月期)

・CO2排出量削減率 :△10%以上

※当社、日本トレクス、極東開発パーキングにおける2020年度(2021年3月期)比の原単位

・リサイクル率   :99.0%以上の維持

3.業績目標(2025年3月期)

・連結売上高  :1,400億円以上(新規M&A成長含む)

・連結営業利益率:7%以上

・ROE        :6%

4.財務方針

・戦略投資:成長投資300億円以上

 新規M&A投資 約100億円

・株主還元:総還元性向100%(本計画期間中)

1株当たり年間配当金額 下限54円+機動的な自己株式取得の実施

5.資本コスト(2024年3月末)

・WACC:約6%と推定(内、株主資本コスト:約7%と推定)

・目標とする経営指標

 長期経営ビジョン ~Kyokuto Kaihatsu 2030~では、連結ベースで売上高200,000百万円以上、営業利益率10%以上、ROE10%とすることを経営目標としています。

 また、新中期経営計画 2022-24 ~Creating The Future As One~ (2022年4月1日~2025年3月31日)の最終年度である2025年3月期に連結ベースで売上高140,000百万円以上、営業利益率7%以上とすることを経営目標としています。

・経営環境及び対処すべき課題

 当社グループの展開する事業セグメントには、特装車事業、環境事業、パーキング等事業の3つがあります。各セグメントの連結売上高に占める割合は、主力の特装車事業が約83%、環境事業が約11%、パーキング等事業が約6%となっています。

 特装車事業について

 当社グループの特装車事業の売上高の大半は、主に極東開発工業株式会社と日本トレクス株式会社によって構成されています。製品の主な販売先として、トラックメーカー、トラックの販売会社(ディーラー)、レンタル会社、建機商社、自治体、ユーザー(運送会社や廃棄物処理企業等)への直接販売等があります。

 受注生産を基本としており、一部の例外を除き先行生産や在庫を保有することはなく、顧客からの注文を受けて製造に着手します。

 主要な製品群は次のとおりです。これらに大型・中型・小型の分類があり、かつ仕様についても顧客のカスタムオーダーを細かく織り込んで生産していくため、「多品種少量生産」が当社グループにおける特装車事業の特徴となっています。

1.建設系車両(ダンプトラック、コンクリートポンプ車)

2.物流・省力関連車両(トレーラー、ウイング、バン、テールゲートリフタ、タンクローリ、散水車、給水車、粉粒体運搬車、車輛運搬車)

3.環境関連その他(ごみ収集車、脱着ボデー車、その他特殊車)

 次に主要な生産拠点は次のとおりです。工場ごとに担当製品を定め、それに応じた共通及び固有の設備を設け生産活動を行っています。

 神奈川県大和市 横浜工場  ダンプトラックなど

 愛知県小牧市  名古屋工場 テールゲートリフタなど

 兵庫県三木市  三木工場  コンクリートポンプ車、ごみ収集車など

 福岡県飯塚市  福岡工場  ダンプトラックなど

 愛知県豊川市  日本トレクス本社工場 トレーラー、バンなど

 愛知県豊川市  日本トレクス音羽工場 ウイングなど

 愛知県豊川市  日本トレクス御津工場 スワップボデーなど

 新潟市東区   北陸重機工業本社工場 保線用鉄道車両など

 特装車事業における各製品の需要動向は基本的に、1.国内のトラックの需要動向と、2.上記のそれぞれの製品分野の景気動向に影響を受けます。必ずしも一概には言えませんが、一例として建設・土木需要が好調な際は建設系車両の需要が相応に高まり、物流ニーズが強いときは物流関連車両の需要も高まります。他の製品群と比べますとごみ収集車など環境関連は比較的変動が少なく安定した分野です。

 当社グループは上記の製品の中で、コンクリートポンプ車やトレーラーなど複数の製品で国内トップシェアを確保しておりますが、2位、3位の製品もあります。

 同業他社と比較した当社グループの特徴は、総合的に各種特装車のラインナップを備えている点と、連結業績における特装車事業の比率が高い点が挙げられます。

 特装車事業は、国内のトラックに関する排気ガス等の環境法規制や車両重量規制、あるいは自動車の型式変更のタイミングなどにおいて駆け込み需要や反動減などが生じる業界です。

 ここ数年の国内のトラック需要は比較的安定しており、特にトレーラーやウイングなど物流関連の車両が非常に高水準で推移していましたが、直近では落ち着きが見られます。建設関連は東日本大震災後の復興需要で増加したのち、近年は低調でしたが、徐々に回復基調となっています。2024年3月期においては国内・海外需要ともに引き続き底堅く好調に推移しました。トラックシャシの供給は半導体不足が改善された一方、国内シャシ認証の遅延及びトラック部品の調達遅延等による影響が一部見られましたが、コストアップへの対策として製品価格の改定に継続的に取り組んだ効果もあり、売上高・利益共に増加しました。

 なお、特装車事業においては2024年3月末現在で約800億円余りの受注残高を有しており、これは連結特装車事業売上高の8カ月分以上に該当します。

 環境事業について

 当社グループの環境事業は、主に地方自治体向けの廃棄物処理施設の設計施工(建設業)と、これら施設の運転受託及びメンテナンス・サービス等によって構成されています。

 一般的に廃棄物処理施設の市場全体の中では焼却炉の分野が多くを占めますが、当社グループでは主に廃棄物の選別及び再資源化等のリサイクル分野を中心に手掛けており、その中ではトップクラスのシェアを確保しています。最近ではバイオガス事業の分野にも進出し、関連する事業領域の拡大を図っています。

 環境事業の販売先の多くは地方自治体又は自治体が組成する清掃組合等となりますが、同業他社や建設会社がこれらの販売先から直接施設の建設を受注した際に当社がその一部の再委託先として参入する商流もあります。一部民間の産業廃棄物処理企業等にも販売しています。

 当社グループでは、施設の建設から竣工後の運転、メンテナンスやサービスなど、顧客の要求する一連のサービスを網羅的に提供し、リサイクルや環境整備等の社会貢献を通じて事業の拡充に努めています。

 国内の廃棄物処理施設に関する市場は、少子高齢化や地方自治体の財政難及び統廃合等を背景として今後大きな増加を期待することは困難ですが、国民の生活に必要不可欠の施設であることから、今後も施設の更新や再投資など一定の需要は継続する分野です。

 足元では定期的に新規受注を確保し、一定の受注残高を維持しながら複数の建設工事を同時並行で進めています。2024年3月期の環境事業は、期中に2物件が竣工したことでプラント建設の売上が増加したほか、グループの重要な収益基盤と位置付けている運転受託やメンテナンス等のストックビジネスの分野も引き続き堅調に推移しました。

 パーキング等事業について

 当社グループのパーキング等事業は、駐車場(パーキング)事業と、一部の保有不動産の賃貸による有効活用の分野に大別されます。

 駐車場(パーキング)事業は主に連結子会社の極東開発パーキング株式会社が運営しており、機械式立体駐車装置の製造(建設業)と、時間貸駐車場(コインパーキング)の運営で構成されています。

 機械式立体駐車装置の販売先は、マンションのデベロッパーや建設会社、管理会社、管理組合、あるいは自動車の販売会社等です。近年マンション等の駐車場設置率は徐々に低下していますが、駐車場のリニューアル工事や定期点検、アフターサービスの分野に注力しています。

 時間貸駐車場(コインパーキング)は、土地を所有者から賃借し駐車場設備を設置の上、一般利用の顧客から収益を得ています。稼働状況により時間貸と月極を組み合わせた運営を行うほか、地方自治体や商業施設の駐車場の運営を受託する商流もあります。大手同業他社もある中で当社グループでは特に採算性を重視した事業運営を行っています。新型コロナウイルス感染症の影響による稼働率の低下から回復し、売上・利益共に改善しました。

 駐車場(パーキング)事業全体では、時間貸駐車場(コインパーキング)の分野と機械式立体駐車装置の新規販売及びこれらのメンテナンス・アフターサービス等の分野共に底堅く推移しています。

 2024年3月期においては、立体駐車装置はリニューアル及びメンテナンス等のストックビジネスに加え、新規物件の積極的な受注活動に注力したほか、コインパーキングはコロナ禍の影響から回復し、稼働率の向上により売上高・利益共に増加しました。

 新型コロナウイルス感染症の影響について

 我が国経済は、コロナ禍から経済活動が正常化し、当社グループにおいても新型コロナウイルス感染症の影響についてはほぼありませんでした。

 なお今後、万一感染症の拡大が発生した場合、「お客様、地域の皆様、グループ従業員の安全確保を最優先としながら事業継続との両立を図る。」という基本方針のもとで迅速に各種施策を実施し感染リスクの低減を図ることができるよう備えを行います。

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