企業ファーマライズホールディングス東証スタンダード:2796】「小売業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

(1) 会社の経営の基本方針

 当社の主たる事業である調剤薬局業界において、薬物療法のプロとしての指針は、「パーフェクト(完璧)」であります。このことから当社の社是は「パーフェクト(完璧)」とし、これを当社の基本方針としております。次に掲げる経営理念をこの基本方針をもって、実践しております。

・社会的責任

 医療に携わる企業として、社会的責任を強く認識し、「Perfect」を目指して積極的に活動していきます。

・サステナブルな未来へ

SDGsの取り組みを重要視し、全社員、ステークホルダーと対話を深めながら、サステナブルな未来へ向かっていきます。

・心を込めたホスピタリティー

 一人ひとりが、信頼と安心を感じられるよう、知識、専門性、経験とノウハウを生かし対応していきます。

(2) 経営環境に対する認識

 当社グループの主たる事業活動の場である調剤薬局業界におきましては、わが国の高齢者人口の増加に伴い、国民医療費は増加基調にあり、処方せん枚数も増加を続ける見込みであります。一方で、医薬分業率の頭打ち傾向、薬価改定及び後発医薬品利用の促進などにより、市場成長の鈍化が予想されております。また、多数の薬局が混在する現状から、周辺業界からの参入も含めて再編成が進み、寡占化が進行すると想定しております。このような環境下、サステナビリティやデジタルトランスフォーメーションに対する取り組み強化も含めた競争力の増強、経営の効率化及び規模の拡大等、持続的な成長をもたらす経営基盤の構築が重要であると認識しております。

(3) 中長期的な会社の経営戦略

 令和3年12月24日付で公表しました「中期経営計画LSG(Leading to Sustainable Growth)2024」(以下、「中期経営計画」といいます)は、日本の人口の3分の1が65歳以上の高齢者になる2030年に向け、持続的な成長を可能とする基盤を築くことが目的であります。「中期経営計画 SFG(Steps for Future Growth)2021~成長を目指した経営基盤の構築」において構築した経営基盤を基に、株主価値の更なる向上を目指し、競争力を強化し成長していくために、次の3つのテーマに沿った施策を実施してまいります。
① 投資家に選ばれる会社になるための取組強化
② 調剤事業を核とした事業展開による収益獲得強化
③ 経営基盤のさらなる強化
 当社グループの事業ポートフォリオにおいては、調剤薬局事業が成長性・収益性の両面から投資すべき事業と認識しており、M&A並びに店舗棟の設備や人的資本の投資については同事業を中心に実行してまいります。また研究開発投資については、収益性の高い新規店舗モデルの開発やデジタル技術を活用した新たな顧客体験の提供などに実施していく予定であります。
 

(4) 目標とする経営指標

 中期経営計画の最終年度となる令和7年(2025年)5月期における目標とする経営指標(連結ベース)は以下の通りです。

項目

見直し前計画

見直し後計画

売上高

570.6億円

608.8億円

営業利益

18.8億円

9.4億円

当期純利益

8.8億円

0.4億円

ROIC

6.8%

1.6%

 注:ROIC(Return On Invest Capital)=税引後営業利益÷投下資本(純資産+有利子負債)

(5) 対処すべき課題について

① 積極的な新規出店・店舗取得による規模の拡大

 規模の拡大を目的として、継続的に新規出店及びM&Aによる店舗取得を実施していくことが経営上の重要課題であると考えております。このために、従来からの新規出店・店舗取得に関する情報入手ルートの活用・深耕の他に、新たなルートを開拓することが店舗の開発及び取得上の課題と認識しております。また、当社グループは、既存の店舗網をさらに充実させ、かかりつけ薬局として地域医療に貢献していくためにもドミナント展開を強化してまいります。この目的に沿って、新規開業する診療所や病院の情報収集を図り、より地域密着の店舗開発に努めてまいります。

 また規模の拡大は単位当たりの管理コストの低減とともに、仕入に関し一定のバイイングパワー形成に寄与し、医薬品卸やその他業者との価格交渉を有利に運ぶメリットもあります。

② 変化への対応と質的向上

 調剤薬局業界は医療法、健康保険法によって調剤技術料、薬価等が定められており、そのために隔年で実施される医療法の改正等の影響を受けます。また、社会の変化につれて医療の質も時々刻々変化しており、調剤薬局に対するニーズも今後一層強まっていく半面、競争が激化しております。

 当社グループは応需処方せん枚数の維持・増加のために、変化する社会のニーズを適確に捉え、積極的にサービスに反映させていく方針であります。現在は、1.顧客の満足度を高めるホスピタリティの実践、2.当社独自のヘルシーライフアドバイザーの育成及び利用者のこころとからだの健康保持・増進活動の支援、3.今後の高齢化をにらんだ在宅医療への対応、などを経営課題と考えております。

 またニーズに適切に対応するためには、最新の専門情報の収集、蓄積や薬剤師の質的向上が必要となります。当社は、従来から学術研究の充実に取り組み、薬学、メディカルスタッフの業務等自主的研究を重ねるとともに、教育・研修に関する専門部署を設けて、人材育成のため研修制度の質的向上を図ってまいりました。こうした地道な取組み姿勢が質の高い薬剤師の確保につながるものと考えております。

③ リスク管理の徹底

 イ.調剤過誤への対応

 調剤薬局は医療機関であり、患者の生命、健康に関わる業務です。特に調剤過誤は、健康を損なうおそれがあり、徹底的に防止することが使命であると認識しております。当社グループでは過誤のリスクに対し、委員会組織を設けてその防止に取り組んでおります。また、現場の店舗では「過誤防止検討会」を開催して、過誤、インシデント(調剤の過程で起こる何らかの間違い)の事例研究を行い、本部では「過誤防止委員会」が、各店の報告に基づいて全社レベルでの状況を把握し、対策を検討した上で対応を指導しております。過誤が発生した場合には、適正かつ迅速に対応するため「調剤過誤判定委員会」が過誤のレベルを判定し、重大な過誤が発生した場合には、「過誤対策委員会」が組織的かつ迅速に対応を決定し指示しております。

 このように当社では調剤過誤を防止するため、現場から本部まで連携の組織を設け、重層的な組織対応で防止に取り組んでおります。

 ロ.個人情報保護への対応

 調剤薬局チェーンは、膨大かつ重要な個人情報を取り扱っております。当社グループは、個人情報を取り扱う従業員や委託先(再委託先を含みます)に対して、適切な監督を行います。その主な内容は、1.個人情報保護方針の策定、2.個人データの取り扱いに係る規律の整備、3.組織的安全管理措置、4.人的安全管理措置、5.物理的安全管理措置、6.技術的安全管理措置です。

 また、「個人情報保護委員会」を設け、全ての部門に個人情報管理責任者を配置しております。別途、店舗向け研修実施の他、実務レベルでのマニュアルを作成し、現場保管を義務付けております。このマニュアルの実施状況については随時内部監査・統制室が監査を実施し、随時フォローを行っております。その他、全従業員から「個人情報保護に関する誓約書」を徴求して個人情報に対する意識を啓蒙するとともに、入退室管理方法の徹底、情報廃棄方法のルール化等を行い、電子データの管理方法の徹底、暗号化等を行っております。

④ オペレーションの効率化

 広範な地域で多店舗展開を営む事業形態にあっては、店舗のオペレーションの効率化は必須の経営課題であり、これをIT化等の投資によって推進できることが、大企業の優位性であります。また規制が多く、収益確保に制約の多い調剤薬局事業においては、オペレーションの効率化が個別の店舗の採算確保の基礎であります。こうした認識のもと、当社グループは店舗における煩雑な業務のオペレーションを常に見直し、効率化すると同時に、業務のIT化等も推進して、店舗の運営コスト低減に努めております。

⑤ 後発(ジェネリック)医薬品への対応

 後発(ジェネリック)医薬品の強力な普及推進が国策として促されております。当社は、内部研究機関である「ファーマライズ医薬情報研究所」を中心に信頼性のおける後発医薬品の選定を行い、患者及び病院、クリニック等の医療機関の要望に極力対応できる体制の整備に努めております。また、後発(ジェネリック)医薬品メーカーの品質問題等に起因する安定供給問題においては、当社グループの幅広い店舗網を活用して患者に確実にお渡しできるよう体制を整えております。

⑥ コンプライアンスへの取り組み

 当社グループでは、コンプライアンスの認識不足に起因する不祥事の発生を根絶するために、コンプライアンス委員会、そして法律上疑義のある行為等について当社グループの従業員が直接情報提供を行う手段として社内及び社外に内部通報窓口を設置しております。コンプライアンス委員会では、コンプライアンス計画を策定し、役職員に対するコンプライアンス意識の啓蒙・教育活動に徹底的に努めており、内部通報窓口では不祥事根絶へ向けた窓口体制の整備及び相談があった際の迅速な改善行動が取れる体制を整えております。

⑦ 内部統制システムの強化

 当社グループにおいて、内部統制システムの構築は最重要事項の一つと認識しております。当社では、内部監査・統制室を設置し、コーポレートガバナンスを担う各機関との連携を密にすることで、店舗やグループ企業の拡大にも柔軟に対応できる体制を構築するべく鋭意努めております。

⑧ 業務とグループ組織構造の見直しによる収益構造の改善

 わが国では高齢者人口の増加に伴い国民医療費は増加傾向にあります。一方で薬価改定や後発医薬品使用促進強化等により、市場成長率の鈍化傾向が予想されております。また、処方せん枚数も伸長していく見込みでありますが、薬価改定や調剤報酬の抑制による処方せん単価の下落により、適切な対策なしでは利益率の漸減傾向は回避できないものと予想しております。

 このような事業環境下においても適正な利益水準を確保していくために、業務オペレーションとグループ組織構造の見直しを進めてまいります。店舗業務のみならず、本部業務のオペレーション、具体的には、子会社各社ごとに行っている管理部門業務の本社集約化、資金管理業務の本社集約化及びシステム化等により、業務効率化、金利の低減化等コスト削減に取組んでいます。それ以外にも、恒常的な見直しを行いながら対象となる作業の自動化・効率化を図ることにより、コストの削減に取組んでまいります。またグループ形態を変革し、役割分担やコストの見直しをしていくことで販売管理費の削減に努めてまいります。

⑨ サステナビリティに対する取組み

 当社グループは、薬物療法のプロフェッショナルとして地域医療への積極的な取り組みを通じて地域社会に貢献することを使命としております。そのためにも長期的に成長していくことが不可欠であり、環境・社会・経済などを将来にわたって適切に維持・発展させていくための持続可能性(サステナビリティ)を重視・配慮した経営をしていくべきであると考えております。こうした考えから、令和3年6月にサステナビリティ委員会を設置し、「サステナビリティ方針」を定め、「持続可能社会の実現」と「中長期的な企業価値の向上」を両立する事業活動を推進しております。また、サステナビリティ委員会においては、気候変動問題を始めとするサステナビリティに関する社会課題や環境課題を含めたリスクや機会を幅広く議論しており、それらの対応を事業戦略等に適時性をもって反映させてまいります。

⑩ デジタルトランスフォーメーションに対する取組み

 オンライン服薬指導、オンライン資格確認の導入、及び電子処方せんの運用開始など、政府が推進する医療デジタルトランスフォーメーション(以下、「医療DX」)は加速しております。これら医療DXに適応するため、経営企画部内のDX推進課、グループ会社のシステム開発会社である株式会社ミュートス及び株式会社メディカルフロントとの連携を強化しております。IT技術を活用した働き方の見直しや各部門を一気通貫するシステム運用等、社内業務の効率化に留まらず、デジタルトランスフォーメーションを強化し、次世代薬局の構築に向けた取り組みを進めています。特に、昨今増加しているサイバー攻撃に対応するため、サイバーセキュリティ対策を強化し、安全で信頼性の高いサービスの提供に努めています。

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