企業アイサンテクノロジー東証スタンダード:4667】「情報・通信業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 中長期的な経営方針及び対処すべき課題

 当社グループは、「知恵」「実行」「貢献」の社是のもと、知恵で地理空間情報のイノベーションを実行し社会資産の豊かな発展に貢献することを経営理念に掲げ、事業活動を行っております。

(1) 当社グループの経営方針

 当社グループでは次の社是、経営理念、行動指針を定め、経営を行っております。

 ・社是

 ・経営理念

 知恵で地理空間情報のイノベーションを実行し社会資本の豊かな発展に貢献する。

 ・行動指針

(2) 中期的な経営目標

 当社グループは、優秀な人財の確保とその人財への教育制度の充実が経営の基礎と考えております。その中で、測量業務のソフトウェアから測量計測機器までのトータルでのソリューションを実現し、且つ、自動車の自動走行に必要とされる高精度三次元地図に「測量」の技術を融合させることのできる国内唯一の企業として、当社が社会に果たすミッションとして次のとおり定めております。

(3) 中期経営計画(2024年4月~2027年3月)

 前中期経営計画に実施した投資を収益に転換すべく、売上高80億円を目指し、取り組んでまいります。

 公共セグメントでは、新規の製品、サービスをリリースし、安定した収益を獲得することを目指します。一方、モビリティ・DXセグメントでは、自動運転の社会実装の事業本格化を目指すとともに、高精度三次元技術を基盤とした新たなDX事業にチャレンジします。コーポレート部門では、上記目標実現には人財投資が必要な状況であり、積極的な採用を継続するなど人的資本経営の推進とともに、資本コストを意識した経営にも取り組んでまいります。

①2030年にありたい姿

1.コア事業である公共セグメントにおいて競争力を高め、持続的成長する収益基盤を構築します。

2.戦略事業であり成長分野であるモビリティ・DXセグメントにおいて自社の強みを活かし、コア事業へ引き上げるとともに、3D DX分野で新たな事業の柱として独立させます。

3 一人ひとりが「活き活き」とその特性を活かし、持てる力を発揮し、それぞれが成長でき、新しいことにチャレンジし、成果をあげることが可能な企業を目指します。

②中期経営計画(2024年4月~2027年3月)の位置づけ

 営業利益の推移のイメージ

③中期経営計画(2024年4月~2027年3月)の基本方針及び経営目標

 ・基本方針

基本方針1

持続的成長の基礎となる製品・ソリューションの開発力強化

基本方針2

持続的成長を支える人財の獲得とその育成・スキルアップを図る

基本方針3

持続的成長を実現する「科学的」営業活動の実践

基本方針4

チャレンジ事業に経営資源を集中するとともにグループ全体でのシナジーの創出

基本方針5

資本コストを意識した経営の実践により企業価値向上を実現する

   ・経営目標

経営目標1

2027年3月期において営業利益8.5億円を目指す

経営目標2

Development(開発と創造)& Evolution(進化)の実践

経営目標3

顧客起点の発想で、体験価値を提供する

経営目標4

自動運転に係る技術、ノウハウを収益に変える

経営目標5

広報活動の強化とともにCS、ES、IR、SR活動の実践

その結果、企業価値向上へ繋げる

④2027年3月期定量目標

 新中期経営計画の最終年度である2027年3月期の売上高は80億円、営業利益8.5億円、売上高営業利益率は10%を目標水準とします。当面は、「Development & Evolution」のスローガンを掲げ、公共セグメントでは、新規の製品、サービスをリリースし、安定した収益を獲得することを目指します。一方、モビリティ・DXセグメントでは、自動運転の社会実装の事業本格化を目指すとともに、高精度三次元技術を基盤とした新たなDX事業にチャレンジします。コーポレート部門では、上記目標実現には人財投資が必要な状況であり、積極的な採用を継続するなど人的資本経営の推進とともに、資本コストを意識した経営にも取り組んでまいります。

(注)売上高及び営業利益の増減は2024年3月期比の数値です。

(4)サステナビリティへの取り組み

 企業におけるサスティナビリティの実現は、2015年に国連サミットで採択されたSDGsの取り組みの拡がりと浸透と共にグローバルに注目を集めています。その実現に向けては、CSRを踏まえたESGによる企業活動が欠かせません。以上を受け、当社グループでは、サスティナビリティの実現に向けて次の観点から、当社グループの社是の下で、その取り組みに努める所存です。

・サスティナビリティ基本方針

 当社グループでは、社是、経営理念のもとAisan’s missionで掲げる「未来の社会インフラを創造する」を推進する事業そのもので社会的課題の解決を目指します。その取り組みにあたっては、「環境」「社会」の両面において、多くのステークホルダーの皆様とともに積極的に推進してまいります。

 具体的な取り組みに関しては以下に記載の通りです。

①測量で、自動運転で社会インフラ整備

 建設、運送業における2024年問題、地域公共交通の維持、所有者不明土地・空き家問題、道路や橋梁といった社会インフラの老朽化と数多くの社会的課題があり、それら課題の解決のための事業活動を行っております。

 また、地震、豪雨時の災害なども頻繁に発生する環境にあり、その発生時には、お客様の業務を支援するプログラムを用意し、速やかな復興に向けた貢献を行っております。また、震度5強以上の地震発生時には、電子基準点の情報を観測し、その地域の地殻変動量を算出したレポートを公開し、位置情報の正確性にお役立ていただいております。

 自動運転の実証実験においては、国、自治体、交通事業者をはじめとするパートナーの皆様と連携し、数多くの実用化に向けた実証実験を行ってまいりました。新たな移動手段を社会に提供し社会課題を解決することを目的として、人材や技術など投資も進め、グループ会社であるA-Drive株式会社とともに事業モデルの構築を加速化させてまいります。また、新たな街づくりとして期待される「スマートシティ」や「スーパーシティ」のプロジェクトにも積極的に参画しています。

②人事制度改定により70歳定年制度へ

 少子高齢化の時代が進み、人生100年時代と言われる昨今、経験とノウハウを持つ高年齢者が、意欲と能力のある限り、年齢に関わりなく働くことができる生涯現役社会をサポートする制度を設けることが社員、会社のお互いにメリットがあると考えます。

 また、国の社会保障制度としても65歳以上への定年引上げや高年齢者の雇用管理制度の整備、高年齢の有期契約労働者の無期雇用への転換等を求めているのと同時に、年金の受給開始時期の見直しの議論も行われようとしております。このような社会環境に対応すべく、当社グループでは、2020年4月に人事制度を改定し、従来の60歳定年制度を70歳までの年度で社員個々が定年年齢を選択可能な制度を創設し、運用を行っております。

③多様な人財が活躍できる職場を目指し、従業員エンゲージメント向上に向けた取り組みへ

 社員各々の価値観が多様化する中、どのように事業の成果を上げるか、そのための働き方の多様化が求められています。また、出産、育児、介護が必要な環境下においても、就業継続可能な環境を用意することが経験を持った優秀な社員の離職を防ぐため重要と考えております。当社グループでは、従来より出産、育児、介護から復帰を可能とする休暇制度とともに、短時間勤務制度、コアタイムなしのスーパーフレックスタイム制度、在宅勤務制度を設けており、過去10年間、出産・育児を理由とした離職率は0%を維持しております。

 また、現在は全社員を対象にコアタイムなしのスーパーフレックスタイム制度、在宅と出社を併用できるテレワーク制度、副業制度などを運用しております。加えて男性社員の育児休業取得の意識向上にも努めております。2022年1月から2年間の「次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画」の計画期間において、対象者が少ないながら2名の男性社員が育児休業を取得、2025年3月期には現時点で2名が取得予定としております。

 当社グループでは社員のやりがい、満足度の調査を実施し、人事制度の見直し、組織設計に活用しております。今後も本調査を活用することで社員一人一人が活躍できる職場環境を提供できるよう取り組んでまいります。

④改訂コーポレート・ガバナンスコードへの対応を通じたガバナンス体制の強化

「知恵」「実行」「貢献」の社是に基づく企業倫理の浸透とコンプライアンスの徹底を図るとともに、リスクマネジメントの徹底に努めております。

2021年6月にコーポレート・ガバナンスコードが改訂されるとともに、2022年4月には、東京証券取引所において、市場再編が行われました。

 当社グループでは、スタンダード市場として求められる事項に加え、経営方針に沿って有益な事項は積極的に取り組んでおります。その取り組みについては、ウェブサイトで公開しております。

 具体的には、独立社外取締役の増員など取締役会の機能強化を実施するとともに、投資家との対話の充実を更に進めてまいります。

 また、昨今ではグループ会社による不正などのニュースも散見されることから当社グループでもグループ全体のガバナンス強化に取り組んでまいります。その取り組みとして、グループ会社の会社機関設計を統一し、全会社にアイサンテクノロジーより取締役、監査役を派遣します。各監査役はアイサンテクノロジーの監査役会、内部監査室とも連携し、決算情報、業務執行の適正性をチェックしてまいります。

⑤期末連結従業員数235名(※契約社員等を含む)体制へ

2027年3月期以降の成長のためには、現在の社員の年齢構成を変える必要があるとともに人員数も不足する状況です。そのため、2025年3月期までの2年間に集中的に人財獲得とその育成を目指します。グループ会社含めて、人財要件を明確にし、新卒採用、キャリア採用中心に人財投資を実行することが必要です。

 加えて、当社グループに入社した社員の育成プログラムも構築し、安定した活躍の場を設けるとともに、定期的に社員の意識調査を行い、必要に応じ配置転換、リスキリングにも取り組んでいく方針です。

 併せて、M&Aを活用することで、上記で不足する部分を補完することも常時検討を行っております。

⑥生産性の向上を目指してDX推進

 当社グループでは、ITやクラウドサービスを積極的に活用し業務の効率化を実現することで、社員は、人間にしかできない戦略的な業務に集中することが可能となり、働き甲斐を向上させるよう取り組んでまいりました。2024年3月期からは、生成AIの利活用を業務に取り入れるべく試験的な導入にも着手しております。

 環境面への配慮からは、紙資源の利用を抑制するためにペーパーレス化を推進しております。取締役会では数年前よりペーパーレス化を図り、資料の紙での配布を廃止しております。また、お客様への納品書、請求書も電子化するサービスを導入しております。

 加えて契約書類の一部や取引における書面のやり取りは電子署名技術を活用した電子契約サービスを導入し、運用を行っております。これらの取り組みは環境面のみならず、間接業務の生産性向上にも寄与するものと考えております。

 これらの取り組みが有益であることを示す、国がその取り組みを認定する制度の「DX認定制度」へもチャレンジしてまいります。

(5)2025年3月期業績見通し

 「中期経営計画(2024年度~2026年度) Development & Evolution」の1年目として定量的な目標達成に取り組んでまいります。その中期経営計画の基本方針は、以下の通りです。

① 持続的成長の基礎となる製品・ソリューションの開発力強化

② 持続的成長を支える人財の獲得とその育成・スキルアップ

③ 持続的成長を実現する「科学的」営業活動の実践

④ チャレンジ事業に経営資源を集中とともにグループ全体でのシナジーの創出

⑤ 資本コストを意識した経営の実践による企業価値向上の実現

 この基本方針を達成するにあたり、前中期経営計画から継続して、次期においても、当社グループの事業活動のコアとなる人財補強を実施し、その育成による早期の収益貢献を目指します。中期経営計画の2年目以降においては、その人財の成長が新たな事業開拓、創出を行うとともに、既存事業の収益性改善に繋げることで、最終年度の目標達成を目指します。次期は、そのための基盤を構築する重要な1年と考えております。

 また、2025年3月期における連結業績予想は以下の通りであります。

 アイサンテクノロジーグループの連結実績及び次期の業績予想

  (単位:千円)

 

2024年3月期

(実績)

2025年3月期

(計画)

対前期増減額

対前期増減率

売上高

5,478,528

6,000,000

521,471

9.5%

営業利益

449,601

350,000

△99,601

△22.2%

経常利益

455,651

335,000

△120,651

△26.5%

親会社株主に帰属する当期純利益

340,353

221,000

△119,353

△35.1%

 各セグメントにおける次期の市場環境を含めた見通しは以下の通りです。

 なお、報告セグメントについて、従来は市場別に「公共セグメント」「モビリティセグメント」「その他」と区分しておりましたが、2025年3月期より、社内の本部体制をソリューション別に変更したことに伴い、取締役会において適切な意思決定を行うことを目的に、「公共セグメント」「モビリティ・DXセグメント」「その他」の3区分に変更しております。「公共セグメント」は、創業来培ってまいりました測量・不動産登記にかかるお客様の業務を効率化するソリューションを展開する事業とし、「モビリティ・DXセグメント」は、従来のモビリティの分野に加え、自治体をはじめ土木・建設・交通・自動車分野を横断的にDX推進する事業となります。

 新たな報告セグメントごとの主要な市場及び製品は以下の通りです。

報告セグメント

主要な市場と製品等

公共セグメント

(主要な市場)

測量・不動産市場を主たるターゲットとしています。

(製品等)

測量土木関連ソフトウェア及び保守サービス、三次元点群処理ソフトウェア、測量計測機器及び関連サービス、土地・河川ならびに海洋に関する各種測量、その他関連ハードウェア 等

モビリティ・DX

セグメント

(主要な市場)

自動車関連、MaaS関連の市場ならびに自治体、土木、建設3次元DXを担う市場を主たるターゲットとしています。

(製品等)

MMS計測機器及び関連製品、三次元計測・解析業務の請負、高精度三次元地図データベース構築業務の請負、自動運転システム構築、自動運転の実証実験請負、衛星測位に係るサービス、三次元点群処理ソフトウェア、その他関連ハードウェア 等

その他

不動産賃貸業

a.報告セグメント別の業績見通し

                                           (単位:千円)

 

 

2025年3月期

(計画)

公共セグメント

売上高

2,928,000

セグメント利益

378,000

営業利益率

12.9%

モビリティ・DX

セグメント

売上高

3,062,000

セグメント利益

191,000

営業利益率

6.2%

その他

売上高

10,000

セグメント利益

4,550

営業利益率

45.5%

b.報告セグメント別の当連結会計年度末における請負契約に係る受注残高(次期に売上計上予定)

 

公共セグメント

モビリティ・DX

セグメント

合計

計測機器販売及び関連サービス

9,186

9,186

各種請負業務及び関連サービス

34,839

257,573

292,411

合計

34,839

266,759

301,597

c.報告セグメント別の次期の見通し

(公共セグメント)

 測量・不動産登記に係る市場においては、不透明な経済状況下において、お客様の設備投資意欲の低下や、測量機器などのハードウェア関連の生産遅延、在庫不足による商談機会を逸するリスクが存在しております。そのような環境下においても、引き続き、三次元データの利活用推進の動きは加速するものと考えられます。また、新型コロナウイルスの影響も落ち着いたことから、積極的な営業エリアの拡大を行うとともに、販売パートナーとの関係強化も図り、顧客・販売店との対面営業推進も行います。

・当社グループの主力製品である「WingneoINFINITY」の定期的なアップデート、サポートサービスに加え、新たな製品・サービスのリリースを継続的に行うことで安定した収益の獲得を目指すとともに、効果的な分野、地域への販売コストの集中的な投下により、収益性の改善を図っていきます。

・2021年4月に成立した所有者不明の土地問題を解消するための関連法案に加え、2023年4月には「相続土地国庫帰属制度」が開始するなど、活性化が予測される不動産登記行政に対し、様々なサービス、製品提案の強化や、官公庁事業の推進などを行うことで、従来と異なる顧客からの収益確保を目指していきます。

・建設関連業界におけるi-Constructionの流れは次期以降も引き続き顕著であり、三次元データの活用を可能とするソリューションの提供を行い、補助金活用や税制優遇を活用したお客様の生産性向上の提案を推進してまいります。

・「GEOMARKETセンター」では中古測量機器やレンタルの需要も高まっており、2024年1月に子会社化を行った「有限会社秋測」に事業移管を行いました。これらの事業のシナジーによる収益拡大を目指すとともに、当社の測量機器販売においても当社グループにしかできない付加価値をつけた提供を目指してまいります。

・次期の第1四半期業績に関しては、すでに契約済みのサポートサービスによる最新バージョンの出荷に伴う売上計上が予想されるとともに、当連結会計年度からの継続案件による収益計上が見込まれます。

・前連結会計年度までは、MMS計測機器及び関連製品、およびMMSを用いた三次元計測・解析業務の請負に関連する売上高を公共セグメントに区分しておりましたが、報告セグメントの見直しを行い、次期よりモビリティ・DXセグメントに移管することといたしました。その影響により、公共セグメントにおける売上高及び利益は、前連結会計年度と比較し、減少となる見込みです。

(モビリティ・DXセグメント)

 自動車関連市場においては、国を挙げて自動運転への取り組みが加速しており、内閣府によるITSロードマップ2020においても、その実用化時期を2025年度とした様々な法改正や制度改正が進んでおります。本事業セグメントにおいても、2025年度をターゲットとして事業を推進しており、それまでの投資局面においては、様々な自治体やパートナー企業と連携し、高精度三次元地図の整備、実証実験、モビリティ開発、スマートシティやスーパーシティプロジェクトへの参画等を進め、2025年度以降の当社のビジネスモデルを構築してまいります。加えて、これらの事業を通じて培ってきた高精度三次元技術を基盤とし、新たなDX事業に参入すべく、様々な営業・投資活動を計画しております。そのためにも人財確保と育成および研究開発を各専門分野で実施し、またパートナー連携の強化、プロジェクトの深化などを進め、将来の収益性の向上を図ります。

・高精度三次元地図関連事業では、引き続きパートナー企業との連携を深め、今後のニーズ拡大が期待される自治体向け高精度三次元地図データの利活用に向け、自動運転用地図の配信基盤の研究開発に取り組むとともに、スマートシティやスーパーシティなどで期待される高精度三次元地図データプラットフォームなどへの取り組みを進めてまいります。また、本事業の収益性を更に高めるため、自社開発の地図生産ソフトウェアの機能性をさらに高め、地図データ生成における生産性向上と品質強化の取り組みを強力に推進してまいります。

・自動走行に係る車両構築や実証実験においても、国の掲げるロードマップに即し、新たな移動手段を社会に提供し社会課題を解決することを目的として、グループ会社の「A-Drive株式会社」、多くの外部パートナー企業と連携し、全国自治体との対話を進め、将来の実用化に向け今後も積極的に推進するとともに、人財や技術などへの投資も進め、事業モデルの構築を加速させてまいります。

・国土交通省の推進する「インフラ分野のDX」を実現させるべく、三次元データのDXを推進し、新たな収益モデルを確立するための営業活動及び研究開発に取り組んでまいります。その為にも、今まで培ってきたパートナーとの連携に加え、人財採用活動や市場調査を推進し、ビジネスモデルの構築を目指します。

・次期の第1四半期において、当連結会計年度から納品が繰り越された収益を計上する予定です。

(6) 経営環境及び優先的に対処すべき課題

 当社グループでは、「社是」「経営理念」に基づき中長期的に企業グループとしてあるべき姿を示した「2030年にありたい姿」を定め、その目標を達成すべく「中期経営計画」を策定し、その成長戦略に沿って事業活動を行っております。事業活動を行うに際しては、資本コストや株価を意識した経営をはじめ、上場企業の一員として対応すべき事項、社会変化や技術革新など外部環境の変化に伴う機会と脅威が存在するとともに、事業を継続するうえで普遍的な課題が存在しています。これらに適切に対応することで、持続的な成長に繋がるものと考えますが、対応を誤ると、獲得できる可能性のあった収益を失うことにもなります。現在、1ドル160円も一時的に超える円安ドル高といった為替変動や不安定な国際情勢に起因する様々な価格の高騰など物価指数が上昇する事業環境下において、測量・不動産登記に係る市場における技術革新への対応やモビリティ分野における自動運転の実用化社会に向けた開発競争が激しくなるなど、目まぐるしく変化する経営環境の中、「知恵・実行・貢献」の社是のもと「未来の社会インフラを創造する」企業として、持続的な成長を目指すべく、2025年3月期より「Development & Evolution」のスローガンを掲げた新しい中期経営計画の達成に向け、以下の通り取り組んでまいります。

①地政学リスクへの対処すべき課題

 当社グループにおける主たる事業活動の地域は、国内が中心であり、直接海外での事業活動を展開していないことから、地政学リスクの直接的な影響は小さいものと判断しております。しかしながらその影響による国内外の景気や経済活動の動向による間接的な影響を受けることとなります。

 具体的には、お客様の投資マインドの低下、生産・入荷の遅延や為替変動による一部仕入商品の価格などへの影響などがあげられます。

 当社グループでは、このようなリスクに対応すべく、多方面での事業展開も同時に行うことで、特定の市場環境の影響に偏らないよう、事業活動を行うとともに、将来の取引の見込みより適正な在庫管理を行うなど実施していかなければいけません。

②中期的な対処すべき課題

 当社グループでは、前中期経営計画に実施した投資を収益に転換すべく、「中期経営計画(2024年4月~2027

 年3月) Development & Evolution」にて掲げる2027年3月期の連結業績目標である売上高80億円、営業利益

8.5億円を目指し、取り組んでまいります。

 当社グループの事業活動では幅広い人財が必要となります。そのためには、競争の激しい採用市場で当社の魅力を示し、計画する人財の確保と育成に取り組まなければいけません。また、自社でソリューションするソフトウェアやサービスの研究開発を行い、その成果として利益率の高い製品を継続的にリリースしていかなければいけません。加えて、成長分野である自動運転に係る事業分野においては、2025年の社会実装に向け、幅広い自治体、交通事業者に対し、多くのパートナー企業と連携し、その地位を確立することが企業グループとしての成長には欠かせません。

 最後に、高精度三次元解析技術の向上により土木・建設・交通・自動車分野のDXを推進し、新たな市場と収益を獲得すべく新たな事業の柱に育てることが「2030年ありたい姿」のために重要となります。

③各事業分野における対処すべき課題

(コーポレート部門)

・「資本コストや株価を意識した経営」が求められており、その対応が求められております。その取り組みとして2024年5月に具体的な行動目標を策定し、その達成に向け取り組みを推進する。具体的には、売上高営業利益率、ROE、ROA、ROICの改善によりPBRを向上させる取り組みを実施します。

・株主・投資家への情報発信・対話を強化し企業価値の向上に努めます。

・人的資本経営として人財の獲得と共に社員の成長を支え一人ひとりが「活き活き」とその特性を活かし、持てる力を発揮できる職場環境を目指します。

・社員のやりがい、満足度の調査を実施し、人事制度の見直し、組織設計に活用するなど従業員エンゲージメントの向上に努めます。また、男性社員が育児休業を取得できる環境整備と社員の意識向上に努めます。

・ESG経営の実践により、中長期的な持続的成長のため、変化する環境問題への取り組み、社会とのつながり、ガバナンスを強化への取り組みを実施します。なお、2024年3月期における取り組み内容は、「サステナビリティへの取り組み」及び「ESGへの取り組み」に記載のほか、2024年5月10日に「サステナブルレポート2024」(※1)を開示した通りです。

・DXを推進し、それをお客様へ提供する製品、サービスに活用するとともに業務にも活かすことで生産性の向上を図ることが必要です。加えて情報セキュリティ対策を適切に講じ、セキュリティ事故を未然に防ぐことも企業としての重要な責務となります。当社では、2024年5月10日に「DX戦略2024」(※2)を定め、生成AIの活用を始め、具体的な取り組みの指針としております。

 以上により、持続的に成長する企業として、公正で透明性の高い、社会から信頼を寄せられる経営を進めることがコーポレート部門における対処すべき課題となります。

※1「サステナブルレポート2024」は以下からご覧いただくことが可能です。

   https://aisan-corp.com/ir/management/sustainability/

DX戦略2024は以下からご覧いただくことが可能です

   https://aisan-corp.com/ir/management/dx-strategy/

(公共セグメント部門)

 公共セグメントにおいては、何よりも優先すべき事項は、新たな自社ソリューションのリリースを市場に提供し、収益を獲得することが重要な課題となります。具体的な取り組み目標は以下の通りです。

・製品企画・開発の強化を行い製品・サービスのスピーディ且つ継続的な提供を行います。

・顧客体験を重視し、ユーザが安心して製品を利用できる環境を提供します。

・販売店との情報共有を進め、信頼関係を更に強めたパートナー体制を構築します。

・積極的な情報発信を行うと同時に市場情報を収集し将来を見据えた提案をします。

・業界をリードする人財育成、人財投与を積極的に実施します。

 以上により、安定した収益の獲得のため、新規の製品・サービスをリリースし、市場占有率を高め、収益性の改善に努めることが本事業分野における対処すべき課題となります。

(モビリティ・DXセグメント部門)

 モビリティ・DXセグメントにおいては、2025年度の自動運転社会実装に向けた体制を2025年3月期に構築が最重要の課題となります。具体的な取り組み目標は以下の通りです。

・全国自治体・交通事業者との連携で自動運転社会実装領域での収益獲得を目指します。

・これまでのモニター実証ノウハウの積み上げからのストックビジネスモデルを確立します。

・モビリティ領域で、自社ソリューション領域を拡張し、収益性を向上させます。

・高精度三次元地図の生産性向上させ、市場競争力を高めます。

・DX領域で三次元データのDXを推進し、新たな収益モデルを確立します。

 2025年に向けて自動運転の社会実装の事業本格化を目指すとともに、高精度三次元技術を基盤とした新たなDX事業にチャレンジすることが本事業分野における対処すべき課題となります。

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