企業ケイファーマ東証グロース:4896】「医薬品 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 文中の将来に関する記載事項は、当事業年度末日現在において当社が判断したものであります。

(1)会社の経営の方針

 当社は「医療イノベーションを実現し、医療分野での社会貢献を果たします」を経営理念として掲げており、「再生医療および創薬の研究開発を踏まえ、一刻も早く、患者様に有効な医薬品を提供すること」を経営方針として、神経疾患を主な対象領域として、iPS細胞を活用したiPS創薬事業と再生医療事業を展開しております。世界中でこれまでの医療では未だ有効な治療法のない病気に対して有効な治療法を見出すことに挑戦し続けることにより、社会の課題を解決して持続的な企業価値の向上を目指してまいります。

(2)会社の経営環境

 当社は、中枢神経疾患領域に対して、iPS細胞を活用したiPS創薬と脊髄損傷等の神経損傷部位に移植する再生医療等製品の開発を主たる事業としており、iPS創薬の市場規模は、Arthur D Littleが2021年に公表した疾患特異的iPS細胞バンク事業の利活用に関する最終報告書(注1)によると、世界の精神・神経系のiPS創薬貢献市場規模は、2040年に6.1兆円と予測されております。

 また、再生医療の市場規模は、経済産業省が2020年に公表した再生医療等製品市場規模(注2)によると、2050年には日本国内市場2.5兆円、世界市場38兆円と予測されております。

 このように当社の事業環境は成長基調にあり、長年の最先端の基礎研究で蓄積された成果を基盤としていること、豊富な経験や知識を有する研究人員体制、慶應義塾大学等との産学連携のネットワーク、iPS細胞から神経細胞に分化誘導する技術および最適な化合物スクリーニングを行う表現型の確立等の当社の強みを活かすことで、事業の成長が見込まれると考えております。

(注)1.Arthur D Little 2021年3月

「令和2年度 疾患特異的iPS細胞バンク事業の利活用に関する調査 最終報告書」

https://www.amed.go.jp/content/000079225.pdf

            2.経済産業省 商務・サービスグループ 生物化学産業課 2020年3月2日

「再生医療・遺伝子治療の産業化に向けた 基盤技術開発事業 複数課題プログラムの概要」

https://www.meti.go.jp/policy/tech_evaluation/c00/C0000000R01/200302_regenerative_medicin

e_1st/regenerative_medicine_1st_05.pdf

(3)会社の経営戦略

 当社は、2007年に京都大学の山中伸弥教授が世界で初めて作製したヒトiPS細胞を活用して、病気の患者様の細胞から作製したiPS細胞を用いて分化誘導した神経細胞に対して既存の医薬品や化合物による表現型スクリーニングを行うことで有効な医薬品を見出すiPS創薬事業と、人体の損傷部分に直接細胞を移植することにより治療を行う再生医療事業をハイブリッドで展開することによって、事業リスクを分散すると共に、事業間の技術やノウハウ等の共有により各事業の活性化を図ってまいります。また、慶應義塾大学医学部で長年培った最先端の基礎研究の成果を直接的に事業活動に活用する「From Basic to Clinical」戦略と同時に、難治性の希少疾患の研究開発から患者様の数の多い一般的な病気の研究開発に結び付ける「From Rare to Common」戦略を推進してまいります。

 また、ビジネスモデルとしては、当事業年度末日現在におきましては、慶應義塾大学医学部等の大学機関や医療機関が保有する基礎研究の成果や特許等の知的財産権の独占的な実施許諾権等に基づいた開発パイプライン、または、当社自らが基礎研究を進めた成果に基づいた開発パイプラインについて、製薬会社等のパートナーと、基礎/探索研究から企業治験の各段階において、共同研究開発や将来の製造販売等の権利の一部または全部を譲渡するライセンス契約を締結するものでありますが、特に再生医療事業(国内)におきまして、中長期的には、自社で製造販売を行うための取り組みを推進してまいります。

(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社は、医薬品と再生医療等製品の研究開発を推進するバイオベンチャー企業であり、現時点においては、継続的に売上を計上する段階には至っておりません。従いまして、iPS創薬事業および再生医療事業の各開発パイプラインの研究開発の進捗状況を経営上の目標の達成状況を判断するための指標として事業活動を推進してまいります。

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当社は、主に難治性の神経疾患に対して、iPS創薬事業と再生医療事業をハイブリッドで事業展開しており、一刻も早く患者様の元に有効な治療法を届けるために研究開発を推進しております。

 このような中、当社が優先的に対処すべき課題として認識している事項は、以下のとおりであります。

①研究開発の推進

iPS創薬事業におきましては、難治性の神経疾患の一つであるALSに対するロピニロール塩酸塩の第Ⅲ相試験(多数の患者様に対する安全性および有効性の検証を行う試験)を適切に実施することにより、患者様へ安全で有効な治療薬を届けることができるようにしてまいります。

 その他の開発パイプラインに関しても自社による独自の研究開発は勿論のこと、他の製薬会社等との共同研究開発や事業提携等も視野に入れ、研究開発の推進を行ってまいります。

 また、再生医療事業におきましては、亜急性期脊髄損傷の医師主導の臨床研究が行われており、当該研究の完了後に当社が企業治験を行う予定にしていることから、大量培養法の確立やGMP対応試薬への切替、製品規格の元となるデータの取得等、治験薬製造に向けた検討を進めると共に臨床用iPS細胞の製品製造における医薬品受託製造事業会社(CDMO)の選定も並行し、臨床用iPS細胞の選定後、遅滞なく製造に移行できるよう研究開発の推進を行ってまいります。

②優秀な人財の確保

 当社が行っているiPS創薬事業、再生医療事業における研究開発は、最先端の基礎研究が基になっており、非常に高度な専門性が要求されております。

 さらに国内外の製薬会社やバイオ企業との開発競争の激化が予想される中で、より一層の研究開発の加速や他社との差別化が求められることから、採用活動の推進や適切な人事考課の実施等を行うことにより、優秀な人財の継続的な確保に努めてまいります。

③法令遵守等の推進

 当社では、iPS創薬事業、再生医療事業という医薬品等の研究・開発・製造・販売を行うことを目的とした事業を行っておりますが、当社の属する業界は、監督官庁による規制、法令遵守および知的財産権の管理に関してグローバルな視点で対応することが重要となっております。

 このような状況を踏まえ、当社では、法令遵守や社会的責任を果たすために「内部統制の基本方針」を定めており、社内管理体制およびリスク・コンプライアンスの管理体制の強化を継続して行ってまいります。

④多様な資金調達手段の確保

 創薬事業は、一般的に多額の研究開発費用と長い時間を要します。当社のように研究開発を担う企業は、研究開発資金を投資家の方々や製薬企業等の事業パートナーからの契約金等で資金を賄っていく必要があり、資金調達を確実に推進していく必要があります。そのため、当社は、資金調達手段の確保・拡充に向けて、株式市場からの資金調達、事業進捗によるマイルストン収入等による調達および金融機関からの借入による調達等を進め、必要な資金調達手段の多様化を図ってまいります。

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